茨城県笠間市にある「常陸国出雲大社」へ取材に⾏ってきました。「ホームページの情報だけではよく分からない」「インターネット上の⼝コミや評判だけではよく分からない」という⽅は、ぜひ参考にしてください。
取材先の神社名:常陸国出雲大社(ひたちのくにいずもたいしゃ)
取材する方:権宮司 高橋正重さん
どのような神社ですか?
常陸国出雲大社は、平成4年12月にこの地に建立鎮座された神社です。その際は、島根県の出雲大社よりお迎えした、大国主大神を主祭神として建立された歴史があります。その後平成26年には、それまでの出雲大社との包括関係から独立することとなり、常陸国出雲大社とし名称も変更し、新しい歩みを始めることとなりました。
その中で当社の特徴的な取組みとなっているのが、神社内での様々な施設開設や取組みです。当社にはレストランやガラス工房、現代アートを展示するギャラリーなどもあり、アーティストとのコラボレーショングッズ制作を行うなど、文化・アーティスト活性化の後押しを目的とした活動も積極的に行っています。
古くからの神々の神気に触れられる神社内で、新しい文化やアートに触れることもできることが、当社の大きな特徴です。都心からもアクセスのしやすい地域にございますので、ぜひ気軽に足をお運びいただきたいと考えています。
神社の見どころを教えて下さい。
本当に沢山の見どころがある神社なのですが、まずみていただきたい所は拝殿にある大しめ縄です。全国でも最大級の大しめ縄となっており、その長さは16m、重さ6tと非常に存在感があります。参拝いただいた方は近くでみるだけでも感嘆の声をあげられる、神社の象徴にもなっている大しめ縄です。
写真でみたり遠くで眺めるだけだと、それほど大きなものだと感じませんが、御社殿の前まで来られて見上げると非常に大きく、皆さんその迫力にも驚かれています。また、とても写真映えする場所ですので、記念写真を撮影するスポットとしても人気ですね。
そのほか、当社としてお勧めしている訳ではありませんが、参拝された方がしめ縄にお賽銭を投げ入れってらっしゃる姿も良くおみかけします。しめ縄の垂れ下がっている部分である”しめのこ”に硬貨が挟まるとご利益をいただけるということで、自然と参拝される方に広がった御祈願方法です。みて驚き、祈願も行える当社の大しめ縄は、ぜひ間近で見ていただきたい見どころのひとつとなっています。
ご利益を教えて下さい。
一番代表的な御利益としては、縁結びの御利益となります。「縁結び」の御利益というと、多くの方は男女のご縁のみを想像されますが、実はもっと幅広いご縁をさすものです。具体的には人間が生活するうえでのあらゆるご縁のことで、人と人との繋がり、社会・お仕事でのご縁や家族同士のご縁など、様々な御縁を結ぶ御利益があります。
また、福の神のご祭神でもありますので、商売繁盛や家内安全の御祈願に参拝される方も多いですし、医薬の御利益もあることから、最近では病気平癒や厄除け厄払いの祈願も比較的多くなってきています。
御朱印について教えて下さい。
御朱印は真ん中に神社印を押印し、その上には丸印を押印しております。丸印には「幸魂奇魂(さきみたまくしみたま)」という出雲大社ならではの祈りの言葉が記載してあるのが特徴です。この4文字の言葉は、御祭神である大国主大神がご自身の困難の際に唱えられ、身体のなかに取り込むことによって乗り越えたという言い伝えも残る、祈りの言葉となっています。
この由来に基づいて、御朱印にはご参拝者の方にお力の後押しがあるようにという想いを込め、「幸魂奇魂(さきみたまくしみたま)」の祈りの言葉を押印しております。
御朱印はどうやってもらえばいいですか?
御朱印は社務所にて授与を行っております。社務所は9時から17時までとなっており、御朱印帳もご用意がありますのでご覧いただけます。
御朱印帳の帳面は、オリジナルで5種類の用意があります。2冊は当社をモチーフとしたデザインとなっており、ほか3冊は伊藤遠平さんらアーティストによるデザインの帳面です。そのなかでも特に人気があるのは「モクモクフー」の帳面となっています。想いを込めた御朱印とともに、帳面がもつそれぞれの個性もごゆっくりお愉しみ下さい。
お守りやお札はどんなものがありますか?
実は当社で最も授与されている御守りは、「癌封じ」の御守りです。病気平癒の御利益があることから、以前から病気平癒の御守りはあったのですが、国内死亡率で一番高い死因が癌であることから、十年程前に新たに縫製し、授与を行っております。
現在では癌治療に携わる専門医の方などを始めとした多くの方にご紹介いただき、オンラインでの授与もしておりますが、お申込みがない日が見当たらない程です。口コミやご紹介で広がっている御守りが、多くの方の支えとなっていると嬉しいですね。
おすすめの行事やイベントはありますか?
当社の境内内には、「出雲館」という施設と「桜林館」という施設があります。「出雲館」ではレストランとガラスショップ、ガラス工房などが入っており、参拝後のお食事や、実際にガラスづくりを体験することも可能です。特にガラス工房はお年寄りからお子様まで、性別問わず非常にご好評をいただいていますね。
また、「桜林館」は現代アートのギャラリーとなっている施設で、年に4回現代アートの企画展を行っているんです。2021年6月現在も平松知子さんの企画展を実施しており、8月29日まで開催する予定となっています。ぜひご参拝の際は、ひとりでも多くの方にアートに触れていただければ嬉しいです。
そのほか「林彩館」という施設には、現代アーティストである伊藤遠平さん制作のオリジナルキャラクター「モクモクフー」の様々な展示も行っています。「モクモクフー」は、当社の自然溢れる境内からインスピレーション受けられた伊藤遠平さんが、当社のオリジナルキャラクターとして制作されたものです。「林彩館」では、主人公「モクモクフー」以外にも、その仲間であるキャラクター達を平面と立体作品としてご覧いただける機会も用意しており、2021年の8月20日ごろからの公開を予定しています。
もともとは当社の宮司が”日本のものづくり”に以前から深い興味があったことから、このような取組みが始まりました。ゆくゆくは美術館を開設したい想いもあることから、特に国内の現代アーティストの活動の後押しができればということで、アートを参拝の際にも楽しんでいただけるようにしたのが始まりです。
今の古典とされているアートも、古くは現代アートとして楽しまれたものだと思います。ですから、今楽しまれている現代アートもゆくゆくは古典美術として語り継がれていかれる作品となるはずなのです。時間軸だけで解釈がかわる、時代を彩る新しいアートを、古くからの文化のある神社がご紹介することは、実は私自身も面白い試みだと感じており、今後も続けていきたいと考えています。
参拝時間と参拝料について教えて下さい。
参拝時間は9時から17時となっており、ご参拝の費用は無料となっております。正月三賀日などは参拝いただける時間が異なりますので、参拝前にはご確認下さい。また、当社には駐車場もあり、ご利用料金もいただいておりません。都心からお車でもお越しいただけますので、お気軽にご参拝下さい。
近くでおすすめの観光地や飲食店はありますか?
近くでお考えの方や、移動が困難な方の御飲食の場合は、当社の「出雲館」にもレストランがございます。また、それ以外でいえば、桜川市にある「オラゲ」さんという洋食店は、個人的におすすめできるお店です。
そのほか、笠間市内には、芸術の森という公園や、笠間工芸の丘にある美術館、笠間焼の焼き物通りや体験工房などもあり、日帰りでも楽しめる施設が充分にあります。当社を含めてアートも非常に盛んな街ですので、参拝後の散策も楽しんでいただけるはずです。
これから拝観したい方へのメッセージをお願いします。
昨今からのコロナ禍で遠方からの旅行が叶わない方も多いと思いますが、当社のある笠間は、都心からも日帰りで行き来できるアクセスの良い地域ですので、負担も少なく訪れていただけます。また、神社を参拝の際も密になりにくい屋外空間ですので、ぜひお気軽に足をお運びいただければ嬉しいです。
来秋にはご鎮座30年という節目を迎え、当社の社務所を新築する予定となっております。社務所は皆様の休憩所も兼ねておりますので、神社にご参拝の際は気兼ねなくご利用いただき、神社内の歴史などについてご質問がある場合は、ぜひお気軽にお声掛け下さい。
常陸国出雲大社の基本情報
神社名:常陸国出雲大社(ひたちのくにいずもたいしゃ)
住所:茨城県笠間市福原2006
電話番号:0296-74-3000
参拝時間:9:00~17:00
URL:https://izumotaisha.or.jp/