【2025】夏越の大祓が行われる有名神社一覧｜いつ？関連する食べ物や効果を解説

梅雨の終わりを感じさせる6月末、日本では古くから伝わる大切な行事があります。それが、半年間の厄や穢れを清める「夏越の大祓（なごしのおおはらえ）」です。

私たちは日々の生活の中で、知らず知らずのうちにストレスや不要な感情を溜め込みがち。夏越の大祓は、その感情を浄化して心身ともにクリアにするきっかけになります。

そんな夏越の大祓の効果や時期、恒例の茅の輪くぐりについて、行われる神社や食べ物などについて解説します。

夏越の大祓は、毎年6月30日に多くの神社で執り行われます。

夏越の大祓は、一年のちょうど真ん中にあたるこの時期に、上半期の間に身についた心身の穢れや災い、不要なエネルギーを祓い清め、続く後半期を健やかに過ごすことを願う伝統的な神事です。そのルーツは1000年以上前、奈良時代にまで遡るといわれています。

現代において穢れとは、ストレスやネガティブな感情、固定観念など、私たちの心を重くするものの総称ともいえます。心が枯れた状態や、逆にエネルギーを溜め込んだ状態では、その人本来の輝きや活力を失ってしまいます。夏越の大祓は、それらを洗い流し、本来の自分を取り戻すためのきっかけとなるでしょう。

夏越の大祓は、単なる儀式以上の意味を持っています。私たちの運気と呼ばれるエネルギーの流れに、深く作用すると考えられているからです。
運気とは、私たち自身の内側から放たれる生命力や、周囲の環境、そして宇宙からの影響が複合的に作用して生まれるものです。

心身に不要なものが溜まっている状態は、例えるなら「曇ったメガネで景色を見ている」ようなもの。視界がぼやけていると、物事もネガティブに捉えがちになり、行動も鈍ってしまいます。せっかくのチャンスや素敵な出会いが目の前にあっても、それに気づき、活かすことが難しくなってしまうかもしれません。

大祓によって心身が清められると、内側のエネルギーが研ぎ澄まされ、波動がクリアになります。 このクリアな状態こそが、運気を良い方向へ転換させたり、良い状態を維持したりする力を高める土台となるのです。

夏越の大祓を体験する上で、特に重要な役割を果たすのが「形代（かたしろ）」と「茅の輪（ちのわ）」です。これらは、浄化の力を最大限に引き出すための、昔からの知恵が詰まったツールといえるでしょう。

形代は、人の形に模して作られた紙や麻の切れ端です。

多くの神社で授与され、これに自分の名前や年齢を書き、息を吹きかけ、体の不調な部分や気になる箇所を撫でることで、自身の穢れや厄災を形代に移します。

その後、神社でまとめて水に流されたり、お焚き上げされたりすることで、穢れが祓い清められます。これは、私たちが意識的に「もういらないもの」を手放し、新たなスタートを切るための、具体的なアクションとなります。

茅の輪は、チガヤという草を編んで作られた大きな輪です。境内に設置されたこの輪をくぐることで、心身が清められ、災厄を免れると信じられています。

茅の輪をくぐる際の作法は、一般的に「左回り、右回り、左回り」と数字の「八」の字を描くように三度くぐるのが習わしです（具体的な作法は神社によって異なる場合もあるので、境内の案内を確認してみてくださいね）。

この輪をくぐることは、これまでの不要なものを後ろに置く行為であり、新鮮なエネルギーを取り入れ、新しい自分へと生まれ変わるための象徴的なゲートを通過するという意味合いがあります。

夏越の大祓は住んでいる地域の氏神様や、普段から馴染みのある神社を選ぶのがおすすめです。また、茅の輪くぐりの由来に関わる須佐之男命（スサノオノミコト）を祀る神社を訪れるのも良い選択肢です。

事前に神社のウェブサイトなどで大祓の詳しい情報（形代の頒布期間や茅の輪の設置期間など）を確認しておくとスムーズです。

ではここから、夏越の大祓で有名な神社を10選ご紹介します。

東京都千代田区富士見にある東京大神宮は、「縁結びの神様」として広く知られる若いカップルからの人気も高い神社です。境内は美しく手入れされており、伝統的な建築様式が特徴です。結婚式やお宮参りといった人生儀礼も執り行われています。

厄除けなどのご祈祷では、巫女による舞が奉納されることもあり、厳かで心温まる体験ができます。都心にありながら、清らかな雰囲気の中で神聖な時を過ごせる場所です。

田無神社は、「五龍神」を祀ることで知られる歴史ある神社です。境内には、中心の金龍神を筆頭に、東西南北をそれぞれ守護する青龍神、赤龍神、白龍神、黒龍神が鎮座しており、それぞれ異なる御神徳があります。

御朱印は種類が豊富で、通常の手書き御朱印のほか、月詣りや季節限定の絵入り、切り絵御朱印などがあり、龍の印の数や文字の色が異なるのも特徴です。平日でも参拝者が多く賑わいを見せ、2025年に行くべき神社としても注目されています。

氷川神社は、朱色の社殿と豊かな緑が印象的な、関東屈指のパワースポットです。長い参道は森林浴にも最適で、訪れる人々に癒しと浄化の感覚を与えます。

御朱印は通常のもののほか、期間限定の美しいデザインが頒布されることもあり、人気を集めています。おみくじは吉凶よりも内容を重視しており、現状に深く響くメッセージに出会えるかもしれません。都心から少し足を延ばしてでも訪れる価値のある、神聖で落ち着いた雰囲気の神社です。

日枝神社は都会にありながら広大な敷地を誇る神社です。入り口が複数あり、連なる鳥居が印象的な稲荷参道や、珍しいエスカレーターを備えた山王橋からのアクセスも可能です。

特に出世運、仕事運、商売繁盛にご利益があることで有名で、現在も多くの経営者や政治家が参拝に訪れるパワースポットです。厄除け、安産、縁結びなど多様なご利益も授かるとされ、人生の節目に訪れる人も少なくありません。

東京都千代田区に鎮座する神田明神は、約1,300年の歴史を持つ古社です。神田、日本橋、秋葉原、大手町・丸の内など108町会の氏神様として信仰を集めています。縁結び、商売繁盛、健康、開運招福、除災厄除けなど、多岐にわたるご利益で知られ、多くの経営者も初詣に訪れます。

御茶ノ水駅から徒歩約5分とアクセスも良く、青銅の大鳥居をくぐると朱塗りの随神門が迎えます。境内は都心にありながらも神聖な雰囲気に包まれ、歴史を感じさせる鉄筋コンクリート造りの社殿が印象的です。

東京都品川区にある蛇窪神社は、鎌倉時代からの歴史を持つ古社で、特に「巳年」の今年は多くの参拝者が訪れる人気スポットです。主祭神は天照大御神ですが、境内には金運や開運にご利益があるとされる白蛇や全長8メートルの白龍が祀られ、神様の使いである白蛇が八匹目で白龍になるという言い伝えが表現されています。

アルビノのアオダイショウ「ミーちゃん」にも会えることも。また、楽しいアトラクションが盛りだくさんで、巳年でなくても年間を通して楽しめる魅力があります。

大阪府豊中市に位置する服部天神宮は、「足の神様」として広く信仰を集める神社です。境内には足病平癒を願う絵馬が多数奉納され、大きな下駄の看板や足踏み石など、足にまつわる見どころが点在します。

阪急服部天神駅のすぐ近くに位置し、駅のホームに御神木が突き抜けているなど、阪急電鉄との深い縁も感じられます。早朝から多くの参拝者が訪れる、地域に愛される古社です。

大阪メトロ御堂筋線本町駅からすぐの場所に位置する坐摩神社（いかすりじんじゃ）は、地元では「ざまさん」の愛称で親しまれています

土地や居住地を守る神とされています。御神紋である優美な白鷺は、かつて多くの白鷺が集まった場所に神が祀られた故事に由来し、そのアート性の高いデザインも印象的です。境内には陶器製の灯籠やタイル張りの賽銭箱が特徴的な火防陶器神社もあり、見どころの一つです。

京都市北区に鎮座する賀茂別雷神社（かもわけいかづちじんじゃ）、通称「上賀茂神社」は、京都で最も古い神社のひとつであり、ユネスコ世界文化遺産に登録されています。広々とした境内には清らかな小川が流れ、心地よい癒しの空間が広がります。

下鴨神社とは深い繋がりがあり、京都三大祭りの一つ「葵祭」は両社合同で行われます。通常入れない本殿前まで進む「特別参拝（500円）」では、国宝の権殿（仮殿）など、貴重な文化財を間近で見ながら神職による詳しい説明を受けることができます。出町柳方面から賀茂川沿いを散策しながら訪れるのもおすすめです。

静岡浅間神社（しずおかせんげんじんじゃ）の歴史は非常に古く、神部神社、浅間神社、大歳御祖神社の三社を総称する古社で、通称「おせんげんさま」として親しまれています。縁結び、安産、延命長寿、除災招福など、多様なご利益があります。社殿群は、漆塗りの極彩色が施され「東海の日光」と称されるほどの壮麗さで、24棟が国の重要文化財に指定されています。

境内は広大で、美しい彫刻が施された社殿や、七不思議の一つ「鳴きうずら」など見どころが満載です。毎年4月に行われる例祭「廿日会祭（はつかえさい）」では、稚児舞楽や山車屋台の引き回しが行われ、街中が賑わいます。

夏越の大祓には、古くから食べられてきた特別な和菓子があります。それが「水無月（みなづき）」です。

水無月は、白い外郎（ういろう）生地の上に、氷に見立てた三角形の小豆が散りばめられた和菓子で、特に京都では欠かせない存在です。三角形の形は夏の暑さを乗り切るための氷を象徴し、小豆には古くから邪気を払う力があると信じられてきました。

この時期になると、和菓子店に並ぶ水無月を味わうことで、心身の清めとともに、日本の豊かな季節感を深く感じることができるでしょう。

「変革の年」とも言われる2025年。その後半をあなたにとって充実した時間にするために、夏越の大祓で得られる浄化のエネルギーをさらに活用し、運気を磨くための実践的な習慣をご紹介します。

まずは、神社での正式な儀式に参加することです。6月30日には、ぜひお近くの神社へ足を運んでみましょう。形代に穢れを移し、茅の輪をくぐるという体験は、目に見えないエネルギーを肌で感じ、心と体をデトックスする、非常にパワフルな機会となります。

デジタルデトックスで思考をクリアにするのはもちろん、断捨離などをして、居住空間を整えるのもおすすめ。自然との触れ合いでリフレッシュしたり、香りやクリスタルでエネルギーを調和させるのも良い方法です。

また、一年の後半期の後半期に達成したい目標、出会いたい人々、手に入れたいライフスタイルなどを、写真や言葉で表現した「ビジョン・ボード」を作ってみましょう。視覚的に目標を共有することで、潜在意識に強く働きかけ、実現への道筋を具体的に描く手助けとなります。
穢れを払い、クリアになった心と体に、 どのような未来のエネルギーを招き入れたいかをイメージすることが、非常に重要です。

一年の前半期を締めくくる神社の行事、夏越の大祓。

部屋と同じように、エネルギーも掃除をしてスッキリした状態にすることで、新しいエネルギーを呼び込むことができます。

このイベントを活用して、心身ともにクリアになり、運気を呼び込みましょう。