Q. どんな施設ですか?
平塚市美術館は今から30年前の平成3年3月に開館しました。
湘南地方一帯の中心的な芸術文化の拠点として、市民の皆様はもちろん湘南地域全体のお客様に来館してもらえるようにということで作られました。
収集している作品は近代の洋画・日本画・彫刻などです。
平塚市は博物館もございますので、古いものは博物館に収蔵してあり、平塚市美術館では近現代の美術品を主に収集しています。
Q. どんな展示物がありますか?
黒田清輝
収蔵品は近代洋画であれば黒田清輝や岸田劉生、萬鉄五郎、昭和時代に活躍した平塚市出身の画家・鳥海青児などの作品を集めています。
日本画でしたら横山大観、今村紫紅、近代美術としては大磯に住んでいた安田靫彦を中心とした作品が多いです。
また現代の作品にも力を入れていて、平塚市美術館で開催した展覧会を機として作家から作品を寄贈いただき、コレクションが増えています。
平塚市美術館には700㎡の展示室が2つあります。常設の展示室はありません。一方の展示室で企画展を開催し、もう一方の展示室では当館の所蔵品の中からテーマに沿った作品を展示する特集展を開催しています。
Q. 見どころを教えて下さい。
現在行われているのは、studio COOCAという平塚市内の障害福祉サービス事業所に所属する作家の作品を展示する展覧会です。
studio COOCAは2009年に設立されたサービス事業所で、アート制作を特徴としています。通所者が描いた作品を展示しているほか、アートパフォーマンスをする作家さんもいらっしゃるので、会期中はパフォーマンスなどのイベントもいくつか企画していましたが、残念なことに中止となりました。
作品は小さいものから大きいものまで、あわせて158点の作品を展示しています。
Q. 人気の企画やイベントについて教えて下さい。
これまでの展示会では、樹脂にアクリル絵の具で金魚を立体的に描いた作品を作る深堀隆介の展覧会を2018年の夏に行ったところ、6万人以上の来場があり歴代最高の来館者数を記録しました。
このほか、2009年に開催した絵本作家のいわさきちひろの原画展も大変好評でした。
平塚市美術館は年に3本程企画展を開催して、これに合わせて所蔵品展を年間3〜4本開催しています。夏の企画展は親子で楽しめるようなものを考えています。
今後も夏には絵本展を開催するなど、親子で楽しめる企画を行っていく予定です。
Q. 併設施設について教えて下さい。
併設施設としてはレストランがあります。パスタやピザ、カレーなど様々なメニューがあります。
また展示室とは別にアトリエがありまして、年間を通してたくさんのワークショップを行っています。
ワークショップは、展覧会の関連事業として開催するもののほか、様々な技法講座、夏休み中のお子様向けのワークショップや、0歳から楽しめるような赤ちゃんとその保護者向けのワークショップなども開催しています。
親子向けのワークショップでは、例えば「赤ちゃんアート」というタイトルで、1歳〜2歳3ヶ月までのお子様とその保護者を対象として、絵の具を使ってお絵描や工作、展覧会を鑑賞したりと、合計3回の連続講座として実施しています。
お子様が楽しく取り組んでくれることはもちろんですが、保護者の子育て支援として、育児中のお母さんが孤独にならないよう、息抜きできる場を提供したいという思いを込めてワークショップを行っています。
美術館の広い前庭で開催しているこの「赤ちゃんアート」は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、残念ながら現在開催を見送っています。
Q. どんな利用者が多いですか?
展覧会の内容によって様々ですが、日本画の展覧会の場合は特に年配の方が多い傾向です。
2009年に日産自動車のデザイン展を行った際はかつてないほど若い男性の方が多くご来館されました。
また、2015年の『ペコちゃん展』では、夏の開催ということもあり親子連れのお客様が大変多かったです。
今後も多くの方ににお越しいただけるような企画を開催したいと考えています。
Q. 料金を教えて下さい。
企画展は内容によって一般が700~800円と価格が変わりますが、現在開催中の「studio COOCA展」は一般が700円、高校生・大学生が500円、中学生以下は無料です。
また平塚市内の65歳以上の方は無料で、平塚市外の65歳以上の方は割引があります。
所蔵品の展覧会は、一般が200円、高校生・大学生が100円、中学生以下は無料です。同時に開催している企画展のチケットを御購入頂いた場合は、所蔵品の展覧会も追加料金なしでご覧いただけます。
また、市民アートギャラリーで開催される市内外の美術愛好家等の展示は無料でご覧いただけます。
そして現在は閉鎖していますが図書コーナー・情報コーナーも無料でご利用できます。
このように展示室にで開催する展覧会は有料ですが、館内には自由に出入りできます。
Q. 付近のおすすめ観光スポットを教えて下さい。
美術館から北側に歩いて10分くらいの場所に、ロケなどでも使われる総合公園という大きな公園があります。
大きな遊具があったり、うさぎやモルモットが触れるような小さなふれあい動物園や日本庭園もあって、色々な物がそろったかなり大きな公園です。
平塚市にいらっしゃる方は車でお越しになる方が多いと思いますが、車ですと湘南の海まで大体4キロ程ですので、10分〜15分程で海へ行くことができます。
あとは、車で20分ほどかかりますが、湘南平という山がありまして、そこの展望スペースにカップルが南京錠をかけて愛を誓うモニュメントがあります。またこちらは海を見渡せる絶景スポットにもなっています。
歩いていくにはどこも少し距離がありますが、車でお越しになる場合は周辺にいろいろな観光スポットがありますので、のんびり楽しんでいただけると思います。
Q. これから利用したい方へメッセージをお願いします。
美術館に来ることでリフレッシュできたり、癒しの場になったらいいなと思っています。
お友達と来ても楽しめると思いますし、カップルで来ても、親子でも楽しめると思いますので、美術館と合わせて平塚市観光を楽しんでいただければいいなと思っています。
また現在は新型コロナの感染症対策として、館内ではマスクの着用をお願いしております。
展示室が混み合ってきた場合はお待ちいただくこともございますが、基本的にはゆったりご覧いただけると思います。
(学芸員 安部 沙耶香さん)
平塚市美術館の基本情報
事業者名:平塚市美術館
住所 :平塚市西八幡1-3-3
電話番号:0463-35-2111
営業時間:9時半から17時
定休日 :毎週月曜日、月曜日が祝日の場合は翌火曜日休館、年末年始
URL :http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/index.html