狐憑きという言葉を聞いたことがあるという人も多いでしょう。昔からの迷信として狐に憑かれてしまう人がいるとされています。
狐憑きになるのは誰でも避けたいですよね。また、なぜそのようなことになってしまうのかということも知りたいものです。
そこでこの記事では、狐憑きにならないための対処法や狐憑きは病気なのかということについて解説していきます。
狐憑きの意味・定義は?
狐憑きの意味としては、狐の霊に取り憑かれてしまった人のことを指す言葉です。精神錯乱を起こしたり、まるで別人かのような言葉を発するようになってしまったりする人を見て、狐憑きに遭ってしまったと言います。
狐憑きは現代ではそれほどありませんが、古い時代ではよく存在し、狐の霊の存在が信じられていました。狐は古くから人を化かすものとされており、その動物霊が人に取り憑くこともあるとされていたのです。
狐憑きの定義としては、人間とは思えぬ言動を取るということです。古い時代の話ですので、その村で権力を持つ人がそうだと言えば、狐憑きとされていました。今では霊能力者が狐憑きかどうかを判断します。
狐憑きは本当の病気・精神疾患?てんかん?
狐憑きは古い時代に言われていた現象ですが、現代では様々な病気が原因だとされています。統合失調症などの精神疾患には、狐憑きになったときの症状と同じ部分があります。
また、狐憑きになった人が体を痙攣させることがあるとされていますが、これはてんかんの症状と同じです。てんかんになると、意識を失い痙攣を起こすことになるため、その症状を見て狐憑きだと昔はされていたのかもしれません。
実際の例でいくと、アメリカに留学していた日本人女性が、無意識の中で体を激しく動かしながら「死んじゃう」と叫ぶという症状を起こしました。現地では、狐憑きや悪魔に呪われたとも言われていたのですが、医師の診断により、抗NMDA受容体脳炎という脳炎の一種だということがわかりました。
このようにして現代医学によって、狐憑きの原因は解明されていっています。しかしなかにはまったく原因がわからず、霊能力者に狐を払ってもらった結果、症状がおさまったという話もあります。ただの迷信なのか、それとも本当に狐憑きがあるのか、意見は今でも分かれています。
狐憑きの起源や歴史
狐憑きの起源としては、はっきりとしたことはわかりませんが、日本人が農耕民族だったからではとされています。日本では弥生時代から稲作りがされてきました。稲の天敵といえば、ネズミなどですが、そのネズミを食べるのが狐です。
稲づくりを行う人々にとって狐は有難い存在ですよね。そのため、狐が神聖化されていき、様々な逸話を残すようになったとされているのです。
日本における歴史において、最古の記述としては、今昔物語に狐憑きの記述があります。最も狐憑きの記述が多い時代は江戸時代です。おそらくこの時代の狐憑きの考えが、今にも伝わっているのだろうとされています。
狐憑きの症状の特徴
狐憑きの症状の特徴としては、ヒステリーになるというものがあります。普通のヒステリーではなく、激しいヒステリーです。
突然感情的になり、普段では取らないような暴力的な行動を取ったり、汚い言葉を使ったりします。奇声をあげ、誰彼かまわず暴言を吐くということもあるでしょう。物を投げたり、刃物を持ち出したりすることもあるものです。
また、四つん這いで走り回ったり、まるで別の人格が入り込んだかのような言葉を発したりすることもあります。口調も変わり、「人間のくせに」というような、まるで自分が人間ではないかのような言葉を発することもあるものです。
そして欲望が抑えられなくなるというのも、大きな特徴です。冷蔵庫の中身を食べつくしたり、見境なくギャンブルを行ったりすることもあります。全てに共通するのは、まるで人格が変わったかのような状態になるということです。
狐憑きの顔や行動の特徴
狐憑きの顔の特徴としては、狐面のような顔になるというものがあります。狐の面といえば、目が吊り上がり、敵意を持ったような目になりますよね。
狐憑きになった人のそのような顔になってしまうとされており、それを見て狐憑きだと判断されることも多いです。
また行動として、暴力的になるという特徴があります。ひどい言葉を浴びせるようになったり、実際に暴力を振るったりすることもあるものです。
物を投げたり、四つん這いで動物を追いかけまわしたりすることもあるため、本当に狐のような行動を取ってしまうこともあるのです。
狐憑きにならないための対処方法5個
誰でも狐憑きにはなりたくないものですよね。そこでここからは、狐憑きにならないための対処法を紹介していきます。
■1. 稲荷神社に行かない
狐憑きにならないための対処法としては、稲荷神社に行かないようにするというものがあります。そもそも人間に憑く狐は、自分を神様だと勘違いしてしまった狐の霊です。そのため、稲荷神社の近くに集まる傾向があります。
稲荷神社自体はダメではないのですが、そこに行く道すがらで狐に取り憑かれてしまうかもしれません。そのため、狐憑きになりたくない人の中には、稲荷神社に行かないようにしているという人もいるほどです。
■2. 霊視してから引っ越す
霊視してから引っ越すというのも、狐憑きにならないための対処法です。狐はその土地にいるということも多いです。そのため、引っ越したり、家を購入したことがきっかけで狐憑きになってしまうという人もいます。
霊能力者であれば、実際に現地に行かなくても、次に住む家が大丈夫な家かどうか判断してくれることもあります。それ以外の部分も霊視してくれるため、引っ越す際には鑑定を受けてみると良いです。
■3. 嫌な感じがする場所に近づかない
嫌な感じがする場所に近づかないというのも、狐憑きにならないための対処法です。そのような場所には狐がいる可能性があります。神社の近くや古民家、森の中などにいることが多いため、注意しておきましょう。
■4. 部屋を整理整頓しておく
部屋を整理整頓しておくというのも、狐憑きにならないための対処法です。汚い部屋だと動物霊などを寄せ付けてしまうことになります。そのため、常に部屋を整理整頓しておくようにしてください。
■5. ストレスを解消する
ストレスを解消するというのも、狐憑きにならないために大切なことです。精神疾患により狐憑きのようになってしまうこともあれば、ストレスが溜まって体が弱っていると、狐に取り憑かれやすくなってしまいます。そのため、休日はしっかりストレス解消を行いましょう。
狐憑きの事件
狐憑きの事件として有名なのが、福島悪魔払い殺人事件です。これは自称祈祷師の男性が信者に暴行を加え、6人を死亡させた事件となっています。
彼は「狐が取り憑いている」と信者7人に言い、彼らに集団暴行を加えたのです。このようにして、狐憑きが絡んで誰かを死に追いやるという話は昔からあります。
実際に狐憑きだったのかどうかは定かではありませんが、それを信じる人間のほうが恐ろしいことを引き起こすという良い例ですね。
まとめ
狐憑きについて解説してきましたが、狐憑きは本当にあるのかどうかということはわかりません。
しかし実際に狐憑きとしか思えない現象も起きています。そのため、狐憑きになってしまわないように、注意しておくというのも大切なことです。