滋賀県米原市にある「青岸寺」へ取材に行ってきました。「ホームページの情報だけではよく分からない」「インターネット上の⼝コミや評判だけではよく分からない」という⽅は、ぜひ参考にしてください。
取材先の寺名:青岸寺(せいがんじ)
取材する方:住職 永島匡宏さん
どんなお寺ですか?
青岸寺は滋賀県米原市の太尾山西麓にある曹洞宗のお寺です。
南北朝時代の延文期(1356年〜1361年)、バサラ大名として有名な佐々木京極道誉氏が戦に赴く前に立ち寄る祈願寺として創建した「米泉寺」が前身です。戦にて何度か消失と再興を繰り返し、1500年頃には完全に戦禍で焼失しております。
しかしご本尊様の「聖観世音菩薩坐像」だけは近くの民家にてお守りされ、1650年に彦根藩主の井伊直澄から援助を受けた曹洞宗大雲寺(現彦根市)の三世要津守三(ようしんしゅさん)和尚が入山し、再興されました。
1656年に寺号を新たに「青岸寺」と改め、今日に至っております。
なかでも青岸寺庭園は、1678年に青岸寺三世住持興欣和尚が彦根藩士の香取氏に依頼して作庭され、1934年に国指定名勝庭園に登録されております。
また、青岸寺堂内には茶寮「喫茶去」があり、参拝者に珈琲や抹茶、ケーキや季節の甘味などを提供しています。名勝庭園を眺めながら珈琲を味わえるという、全国でも珍しい寺院です。
日々の喧騒から離れ、庭園とともに心安らぐひとときを満喫していただけるかと思いますよ。
お寺の見どころを教えてください。
国指定名勝庭園の「青岸寺庭園」です。1687年に作庭された庭園で、様式は回遊式枯山水庭園です。
通常枯山水庭園では白砂などが用いられるのが一般的ですが、青岸寺では杉苔を使用して水の流れを表現し、深い緑が柔らかな雰囲気を生み出しているのが特徴ですね。
太尾山を借景とした造りとなっているので、春夏秋冬、四季折々の風景が楽しめます。とくに6月初旬のさつきや秋の紅葉、冬の雪景色などはいっそう美しく鑑賞いただけますよ。
また、和洋折衷の寄せ燈籠や降り井戸形式の蹲、そして、あの伊藤博文とも交遊があった禅僧森田悟由禅師ゆかりの書院「六湛庵」も見どころの一つです。
梅雨時期や多量の雨が降った後には、伏流水が染み出すことにより、枯山水庭園が池泉庭園に姿を変えます。江戸時代作庭の庭園では、全国でも極めて珍しい二面性持った庭園です。水底に青々とした苔が沈み、水面に反射する風景は、まさに格別の美しさです。
春夏秋冬、どの季節にいらしていただいても楽しめる庭園になっております。庭園情報はホームページ内の「お知らせ」でも紹介しておりますので、ぜひご参照ください。
https://www.seiganji.org/category/お知らせ/
本尊の「聖観世音菩薩坐像」は県指定文化財に登録されており、聖観世音菩薩坐像の胎内には八寸ばかりの観音像が秘仏として納められています。
近年はInstagramなどのSNSでフォトロケーションの場所として人気がありますね。
滋賀の穴場紅葉スポットとして取り上げられたり、最近では結婚式前撮りや成人式撮影などでもご利用していただいております。
ご利益を教えてください。
青岸寺の本尊様は他ではなかなかお目にかかれない「腹籠り観音様」として有名です。
お腹の中に八寸ばかりの観音様が胎嚢されており、「安産祈願」「子宝成就」「必勝祈願」などの祈願に非常にご利益のある観音様です。これから結婚される方や新婚さん、妊活中のご夫婦にもそのパワーを感じていただければと思います。
そのお顔は見る方のその時その時の心を映す鏡のようでもあり、見る方によって、もしくは見る方のタイミングによってお顔つきが変わって見えるようです。
微笑んで見える方、少し怒っているように見える方とさまざまです。しっかりとした眼で人の心を見つめていらっしゃるようですね。どのように映りますか、ぜひ直接ご覧になってください。
また、祈願寺でありますので、その他のご利益も全般的にあります。
御朱印について教えてください。
ご本尊様の「聖観世音菩薩」
青岸寺のご本尊様である「聖観世音菩薩」の御朱印です。密教系の観音像ですので、さまざまなご利益があると伝えられております(300円)。
近江七福神巡りの「福禄寿」
滋賀県湖北地方を中心に巡る七福神の御朱印です。場所は青岸寺・長寿院・天寧寺・金剛輪寺・興福寺・市神神社・長命寺。福禄寿は子孫繁栄・健康長寿・財運招福・延命長寿にご利益があります(300円)。
「びわ湖108霊場」の御朱印
滋賀県にある名刹を中心に108か所からなる御朱印巡りです。バインダー式の御朱印になります。御朱印は青岸寺本尊「聖観世音菩薩」です(300円)。
日本画家とのコラボであるオリジナル御朱印
青岸寺とご縁のある米原出身の日本画家、西川礼華氏が1枚1枚心を込めて青岸寺本尊「聖観世音菩薩坐像」を描いてくださいました(1200円)。
御朱印はどうやってもらえばいいですか?
玄関にて拝観受付時に御朱印手帳を係の者に渡してください。書き置きもありますので、係の者に伝えてくだください。
尚、ご朱印は配送・予約は受け付けておりませんので、ご了承ください。青岸寺に参拝された方のみの提供になります。
お守りやお札はどんなものがありますか?
青岸寺では「お守り作り体験」を実施しています。ご縁や心をつなぐ結い守り。お寺でひとつひとつ想いを込めて手作りし、住職による祈願法要であなたの願いが結ばれるよう応援させていただきます。
祈願内容を用紙に書いていただき、色とりどりのデザインの中からお好きなお守りをひとつ選びます。祈願成就の札を入れ、想いを込めてお守り袋の紐を結びます。
その後、本堂にて本尊にご祈願の法要をいたします。祈願法要が終わったら、お守りと祈願札を住職よりお渡しいたします。
最後に好きな喫茶をいただきながら庭園を観賞し、のんびり一服をしてください。体験料はおひとり様2500円(拝観料・喫茶代含む、要予約)です。
おすすめの行事やイベントはありますか?
月に1度、「坐禅会」を開催しております。
坐禅というと難しい、敷居が高い…といったイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。瞑想に耽る、所作を美しくしたい…などなど、坐る目的は何でも構いません。まずは気軽に坐ってみてください。
日々の喧騒から離れ、ゆったりした時間に身を置くだけでもいいのです。体と心を調えるためにも、坐禅はとても良いと思いますよ。
毎月第2土曜日16時〜17時、参加費用は無料です。
12月31日の大晦日には「除夜の鐘の一般開放」をいたします。参拝者の方どなたでも除夜の鐘をつく事ができます。
除夜の鐘をつくチャンスはなかなかないと思いますので、良い経験にしていただければと思いますね。
明けて1月1日には、ご希望の方に新春の「御祈願法要」を無料で実施いたします。5分ほど執り行い、お札なども無料で配布しております。
※積雪の時期ですので、参拝の際には十分お気を付けください。
コロナの影響で残念ながら2021年は中止となりましたが、年に1回、期間限定ライトアップを不定期で行っています。
ライトアップ期間中はさまざまなアーティストの方たちとコラボ企画を展開しておりました。
拝観時間と拝観料について教えてください。
火曜日・第4月曜日は休園日です。拝観時間は9時~17時(冬期16時まで)。拝観料は300円になります。
近くでおすすめの観光地や飲食店はありますか?
米原市は非常に自然豊な場所です。ご家族や友人、カップルなどにもおすすめの場所はたくさんあります。
「ローザンベリー多和田」「醒ヶ井養鱒場」「伊吹山」「グランスノー奥伊吹」「徳源院」など、春夏秋冬どの季節でも楽しむことができます。ぜひ立ち寄ってみてください。
※要予約や季節柄体験を休まれている施設などもございますので、事前にご確認ください。
これから拝観したい方へのメッセージをお願いします。
青岸寺では庭園を観賞していただきながら、ゆっくりと喫茶などを堪能していただけます。また、寺院ならではの歴史や自然、伝統などを肌で感じることができます。そして、癒やしの空間にて、ご家族や夫婦、カップルなどでもゆっくり愉しむことができます。
どうぞ、青岸寺にてお待ちしております。
青岸寺の基本情報
寺名:青岸寺(せいがんじ)
住所:滋賀県米原市米原669
電話番号:0749-52-0463
拝観時間:9時~17時まで(冬期16時まで)
URL:http://www.seiganji.org/