邪気を払うための対策の一つに、盛り塩があります。玄関先などに盛り塩がされているのを、実際に見たことがある人は多いのではないでしょうか。
しかし実際のところ盛り塩にはさまざまな説があるため、場合によってはやめたほうがいいと言われることもあります。では、盛り塩はするべきなのでしょうか、それとも控えた方が良いのでしょうか。
今回は、そんな盛り塩の効果ややり方について解説していきたいと思います。
盛り塩とは?
盛り塩といえば、昔から伝わる邪気を払うための習わしの一つです。家の中で良い運気を保ち、そのうえで家に邪気・悪い気が入ってこないようにする…そんな効果があると考えられています。
盛り塩をする場合、その名の通り、小皿などに塩を盛った状態で主に玄関にその皿を置いておきます。なお、玄関に置かれることが多いことで知られていますが、部屋やお風呂場などに置くことも実は珍しくありません。
日本において古来より伝わる慣習なので、幼い頃から、実家や祖父母の家などで盛り塩がされているのを見たことがある人は多いでしょう。ちなみに発祥は中国とされており、それがのちに日本に伝わったのだと考えられています。
盛り塩の効果
盛り塩には具体的にどのような効果が期待できるのか、詳細を知らない人は意外と多いかもしれません。盛り塩の効果は、主に邪気・悪い気・悪運・災厄・悪霊などを取り除くことです。昔から盛り塩をしておけば、家の中や部屋の中に悪い気を取り込まずに済むと、日本では考えられてきました。
なお、この効果の由来は海水です。海水には塩が含まれていますが、この海水には穢れを払う効果があると考えられてきたのです。
また、平安時代まで時をさかのぼると、盛り塩は高貴な人を家に招くことができる効果があると当時は期待されていたようです。その言い伝えがさまざまなかたちで変化し、盛り塩は邪気を払うもの、縁起が良いものと考えられるようになったのでしょう。
盛り塩はやめたほうがいい・怖い?
場合によっては、盛り塩はやめるべき・怖い・危ないという考え方もあります。邪気を払うとされている盛り塩ですが、やめたほうがいいと言われるのはなぜなのでしょうか。
それは、天然の塩以外は効果が見込めないという説があるためです。一般的にスーパーなどで販売されている塩は、おいしく食べられるように成分が調整されていることがあります。このように天然のものではない塩を置いておくと、結果として意味をなさず、不運が続いてしまう恐れがあるのです。
また、浄化の力を保つには、盛り塩は定期的に交換する必要があります。この交換を忘れてしまうと、悪霊に家に入り込む隙を与えてしまうかもしれません。盛り塩が怖いもの・危険なものとされているのは、正しいやり方を知らずに実践してしまうことも多いからなのです。
盛り塩の正しいやり方
ここで盛り塩の適切なやり方・実践方法を整理しておきましょう。
(1)天然の塩を用意する
盛り塩は、別の成分が加えられたものでは効果が薄い可能性があるため、材料としてはできるだけ天然に近い塩を用意するようにしてください。
(2)塩を容器で固めて形を作る
最初に塩を固め器の3分の1ほどを目安にして入れてから、指で軽く押さえましょう。続いて固め器の上部分まで塩をきれいに入れて、ヘラでしっかり押さえます。
(3)小皿に乗せる
その後は小皿に乗せるために、固め器の上にかぶせるようにして小皿を乗せます。そしてひっくり返して盛り塩を小皿に移しましょう。この工程だけなので、基本的にやり方は難しくありません。
(4)設置する
あとは得たい効果について考えたうえで、それに合った場所に設置しましょう。
盛り塩の置く場所
盛り塩といえば玄関先のイメージが強いかもしれませんが、実際には玄関以外でも、キッチンや洗面所、トイレ、お風呂場などさまざまな置き場所の選択肢があります。
まず定番の玄関は、邪気や悪霊が家の中に入ってくることを防ぎます。一方で良い気は家の中から出ていかないように、強力なバリアを張ってくれるのが特徴です。
キッチンやお風呂場は火も水も頻繁に使う場所なので、2つの対になるエネルギーが作用しあう場所として、運気が安定しないと考えられています。しかしそんなキッチンに盛り塩をしておくとエネルギーを安定させる傾向があるとされ、良い気を保つきっかけになるといいます。
また、洗面所、トイレは邪気が停滞しやすい場所と昔から考えられています。そのため盛り塩をしておくとたまった邪気を浄化できると可能性があります。
盛り塩のやってはいけない間違い10個
盛り塩について、よくある間違い・誤りをまとめてみました。以下のことはしないようにしてください。
(1)粗塩(天然の塩)を使わない
(2)ずっと同じ塩を使ったまま(交換しない)
(3)手軽な盛り塩キットを使う
(4)置く場所をあらかじめ掃除しない
(5)塩を盛りすぎる
(6)枕元に置く
(7)使った盛り塩を庭にまいて捨てる
(8)使った盛り塩を川に捨てる
(9)再利用して料理などに使う
(10)丑三つ時に盛り塩を作る
盛り塩を作る際は、できるだけ手軽なキットは使わないようにしましょう。天然塩ではないかもしれませんし、どういった存在の人が販売している盛り塩キットなのかわからないことも多いです。
枕元に盛り塩を置くのが危険なのは、悪夢を見たり悪霊にとりつかれたりする可能性があるためです。枕元は霊を呼びやすいため、霊を閉じ込める役割も持つ盛り塩を置いておくと、寝ている間にとりつかれてしまうリスクが高まります。
また、上の間違いをチェックしたうえで盛り塩の処分方法にも気をつけてください。昔は川に捨てる慣習もあったようですが、環境汚染の原因にもなるため、基本的には生ごみとして捨てるのが望ましいでしょう。
盛り塩がドロドロに溶けるのは幽霊?
盛り塩をしていると、ときに塩がドロドロに溶けた状態になることがあります。盛り塩には魔除け・厄除けの意味があるため、ドロドロに溶けているのは悪霊などの霊の仕業?と感じる人も多いでしょう。
この溶ける現象について幽霊がかかわっているのかどうかは諸説ありますが、悪い気が浄化されたことを示している可能性は高いといえます。
体調が優れないとき、悪運や災難が続いているときなどは、特に早い段階で盛り塩は溶けるとも言われています。特にあまり水気のない場所で溶けるようなことがあれば、邪気を吸ってくれている可能性は高いといえるでしょう。そのため、ドロドロに溶けた後は、新しい盛り塩を作って浄化を引き続き行っていきましょう。
盛り塩が崩れる意味
盛り塩をしていると、気づいたときには盛り塩の形が崩れていることもあります。せっかくきれいに形を作って盛り塩をしたのに崩れてしまうのでは、縁起が悪い印象を持つ人も多いでしょう。
盛り塩が崩れるのには、基本的には浄化した邪気が関係していると考えられます。そのため縁起が悪い印象を持つ人も多いかもしれませんが、そこにあった邪気がはらわれた証拠なので、今後は状況が良くなると予想されます。
そのため盛り塩が崩れたときは、新たに邪気を払っていけるよう、新しいものと交換するようにしてください。そのまま放置したり、交換せずに形だけ作り直すようなことをしたりすると、邪気が残ったままで危険につながる可能性が考えられます。
盛り塩が黒くなる意味
盛り塩が黒くなるのにも、邪気を浄化したことが関係しているといえるでしょう。いつの間にか盛り塩が黒くなっていたときは、盛り塩が悪霊や悪い気を吸収した証拠と考えられます。
そのため、黒い状態の盛り塩も、長い期間放置するのはやめましょう。黒くなっているのを発見した段階で新しいものを作り、早めに交換することをおすすめします。そのまま放置すると、家の中に悪い気を停滞させるきっかけになります。
盛り塩が水浸し・水が溜まる意味
盛り塩はときに水が溜まって水浸しの状態になってしまうことがあります。これは単純に水場に近いことが原因と考えられますが、水浸し状態の盛り塩をそのままにしておくのは危険です。
それは盛り塩に水分という余計な成分が加わることで、浄化の力が弱まるためです。盛り塩は、成分が調節されている塩を使って作ると、ほとんど効果が見込めないといいます。この理屈から、水浸し状態の盛り塩もあまり厄除けの意味がないと考えられています。
そのため、水浸しになった盛り塩は、できるだけ早いうちに新しいものと交換するようにしましょう。
トイレの盛り塩は湿気で溶ける?
トイレなどの湿気の強い場所に盛り塩をしておくと、湿気によって溶けてしまうことも少なくありません。この状態は潮解(ちょうかい)と呼ばれる状態です。特に梅雨など雨の多い季節は湿度も上がりやすいため、盛り塩は溶けやすくなります。
この溶ける現象には邪気や悪霊が関係しているという見方もありますし、特に関係ないという見方もあり、諸説あるのが実情です。
ただ、邪気を吸収したから溶けているという見方もあるため、気になる場合は、定期的なスパンで交換しておくのが一番でしょう。
まとめ
盛り塩は日本において古くから伝わる魔除けの風習です。邪気は払えるに越したことはないですし、盛り塩は簡単にできるため、できるだけやっておきたいという人は多いでしょう。
ただ、やり方を間違えてしまうと、かえって邪気をため込むきっかけを作る場合もあります。正しいやり方はしっかりチェックしたうえで、盛り塩で開運を目指してみましょう。