新潟県長岡市西蔵王にある「金峯神社」へ取材に⾏ってきました。「ホームページの情報だけではよく分からない」「インターネット上の⼝コミや評判だけではよく分からない」という⽅は、ぜひ参考にしてください。
取材先の神社名:金峯神社(きんぷじんじゃ)
取材する方:権禰宜 増川克彌さん
どんな神社ですか?
金峯神社は、新潟県長岡市西蔵王にある中越総鎮守の神社です。近隣の方々には「蔵王(ざおう)さま」と呼ばれ、親しまれております。
長岡市北西部に欅(けやき)の大木が茂る一帯があり、その森の中に金峯神社がございます。境内は約6000坪に及び、蔵王堂城跡に隣接し、自然と伝統の豊かな地に鎮座しています。
和銅2年(709年)に元明天皇の勅願により、北方地方の平安を守るために創建されました。大和国吉野(現在の奈良県の中央部)の金峯山寺の本尊仏である蔵王権現の分霊を移してまつり、その名から金峯神社と崇敬されています。
仁治3年(1242年)当時、越後中越地方の中心として栄えていた「産土神 又倉神社」と合祀し、現在地へと遷座しました。その時から神様と仏様を合祀する、神仏習合の独特な文化が栄えていきます。
しかし、明治維新に入って神仏分離の指令を受け、神祇と決して金峯神社と定め、新潟県最初の県社に列しますが、その後に社格が廃止されました。明治40年(1907年)に火災により社殿が炎上し、大正2年(1913)に現在の社殿が建立されました。
平成16年には中越大震災により大被害を受けるも、平成17年に拝殿が竣工いたしました。創建以来1300年の歴史があり、中越地方で最も古い神社の1つです。
神社の見どころを教えてください。
金峯神社を見てもらうにあたり、まず目にしてほしいところは、本殿へと続く参道の始まりにある大鳥居です。こちらは両部鳥居と呼ばれる種類の造りで、遠くから見ても分かるような見応えのあるものとなっております。
次の見どころは手水舎です。参道を進み、本殿へと向かう途中にございます。こちらの手水舎では、1年を通して季節ごとの鮮やかな花を浮かべております。「花手水」と呼ばれ、大変人気なものとなっております。
再び参道を進むと、社殿前に2体の神馬像が置かれています。多くの神社では社殿の前に置かれているものとして狛犬が思い浮かぶと思いますが、当社では流鏑馬(やぶさめ)を夏の大祭で奉納することから、他に類を見ることのない馬の像が置かれております。
最後となりますが、神さまをお祀りしている本殿が瑞垣の奥に鎮座しております。普段はその中を拝見することはできませんが、年に2度ある春と夏の大祭でのみ開扉されます。また、本殿は拝むこともできますので、御祈祷を受ける際などにぜひ注視してみてください。
このほかに、蔵王堂城跡や蔵王の大欅(おおけやき)といった見どころもございます。大欅は樹齢800年といわれ、昭和38年に長岡市指定文化財の天然記念物に指定されました。四季折々を感じさせる姿を境内にて見せています。
ぜひ足を運んでご覧になってみてください。
ご利益(ご神徳)を教えてください。
金峯神社のご祭神であられます金山彦命は、鉱山守護の神として崇められてまいりました。製鉄、鍛冶のほか、金運・縁結びの御神徳の他に稲作・諸業繁栄のご利益があるとされております。
御朱印について教えてください。
御朱印は通常の御朱印と、月毎に替わる絵柄入り限定御朱印、兼務神社である高彦根神社の御朱印の3種類ございます。初穂料は各種300円になります。
御朱印帳付き御朱印も色鮮やかなものをご用意しております。「花手水」は金色の雲の隙間から四季折々の花、桜・朝顔・もみじ・椿を表裏に表現いたしました。黒背景と白背景の2色です。初穂料2,300円です。
当社の「流鏑馬」を表した御朱印帳もございます。萌黄色と薄紅色の2色です。こちらは初穂料1,500円です。
御朱印はどうやってもらえばいいですか?
社務所にてご記帳いたします。
お守りやお札はどんなものがありますか?
一般的なお守りのほかに、安産や縁結び、勝守りなど、さまざまなお守りをご用意しております。
なかでも若いかたに人気を集めているのが「リラックマ守」(初穂料 800円)ですね。
可愛らしい絵柄ですので、学生さんが通学カバンにつけたり、お子さまや女性が気軽に持ち歩くことができるようです。見た目は可愛いですが、しっかりとご利益もございます。
神社のお楽しみといえばおみくじですよね。金峯神社では趣向を凝らしたおみくじをご用意しているんですよ。
人気の花手水が浮かぶ手水舎の水面に浸すと文字が浮き出てくる「水みくじ」(初穂料 200円)です。4種類からお好きなものをお選びいただけます。暑い季節には涼を感じていただけるおみくじですね。
おすすめの行事やイベントはありますか?
金峯神社では、4月15日に「春季大祭」、7月15日に「例大祭」を斎行しております。こちらの祭りでは屋台が連なり、大変な賑わいを見せます。残念ながら令和4年度は感染防止のため中止となりましたが、例年ですと7月の「例大祭」では流鏑馬(やぶさめ)を神様に奉納しています。
流鏑馬とは、全力で走る馬にまたがった状態で矢を的に射る武術のことです。 古来より武士の嗜みとして盛んに行われてきました。金峯神社では安全のため先に矢を放ってから馬が走り抜けていきます。昭和46年、長岡市無形民俗文化財に指定されました。新潟県内では当神社と佐渡に残っているのみで、極めて貴重な神事となっております。
このほかに、6月30日、12月31日と年に2度の「大祓」や、11月に斎行される「王神祭」が大きな行事となっております。
5月下旬から8月半ば頃までは参道に風鈴を設置しています。たくさんの風鈴が並び、目と耳が癒やされるものとなっております。こちらの風鈴や花手水はとても写真映えのするものとなっております。実際に訪れて見聞きしてみてくださいね。
参拝時間と参拝料について教えてください。
参拝は終日可能の年中無休となっております。授与所は午前9時から夕方の5時までです。参拝に料金などはいただいておりません。
近くでおすすめの観光地や飲食店はありますか?
おすすめはなんといっても8月に行われる日本三大花火大会のひとつである「長岡まつり大花火大会」ですね。こちらの花火大会は2日間で計2万発の花火が打ち上げられる、大迫力のものとなっております。
神社の周辺ですと、和菓子処「 鹿の子」がおすすめです。どれをとってもハズれなしで、おいしく召し上がることができると思います。
これから参拝したい方へのメッセージをお願いします。
金峯神社では、月毎に替わる御朱印や、季節の花を定期的に生ける花手水などのほかにも、季節ごとに境内のさまざまなところに変化があります。
金峯神社に参拝していただく際には、必要なものなどはございません。ぜひ金峯神社まで足を運んでいただいて、神社と境内の自然を感じていただければと思います。
数多くの年中行事をご用意してお待ちしておりますが、残念ながらコロナ禍によって多くの変化を余儀なくされているのが現状です。少しずつでも制限緩和の方向にむかい、皆さまの笑顔があふれてくれることを心から祈念しております。
金峯神社の基本情報
神社名:金峯神社(きんぷじんじゃ)
住所:新潟県長岡市西蔵王2-6-19
電話番号:0258-32-2337
参拝時間:年中無休
URL:http://www.kinpu.jp/