鮮やかな花に明るい気持ちになったり、緑の木々に心が癒されたりした経験はありませんか?
‟色” は、人のからだや心にさまざまな影響を与えます。
この記事では、色を使って心を癒す「カラーセラピー」について見ていきます。
カラーセラピーとは?
カラーセラピーとは、色の持つ効果を利用し、心を癒す心理療法のひとつです。
カラーセラピーを受けることで、心の奥深くに秘められた希望や欲求に気づき、‟本当の自分” と向きあうことができます。
日本でも近年人気が高まり、カラーセラピーを専門的に学んで、「カラーセラピスト」の資格をとる人も少なくありません。
カラーセラピーの歴史
カラーセラピーの由来は、古代ギリシャにさかのぼります。
古代ギリシャ(紀元前5~4世紀頃)では、植物や鉱物の色を使って病気の治療をおこなっていました。植物や鉱物から色のついた軟膏を作り、身体に塗って治療をしていたのです。
また、インドのチャクラ(エネルギ―の出入り口)の考えにも、色の要素が取り入れられています。
その後、1900年代後半になると、色の持つ効果がメンタルケアの側面からも注目されるようになりました。
色を使ったカウンセリングや、ヒーリングが行われるようになったのです。このながれは現代につながり、今日でも、さまざまな「カラーセラピー」が実践されています。
カラーセラピーの種類
カラーセラピーにはいくつかの種類があります。ここでは、よく知られている4つの流派をご紹介します。
■① オーラソーマ
カラーセラピーの中で、最も有名な流派です。1983年にイギリスの薬剤師・セラピストであるヴィッキー・ウォール女史により確立されたといわれています。
色の異なる2層のオイルが入ったボトルの中から、4本を選んで心理状態を読み解きます。
ボトルの上層は顕在意識を、下層は潜在意識をあらわすと考えられています。
■② オーラライト
オーラソーマから派生したのが「オーラライト」です。
色彩心理学に基づき、よりロジカルに答えを導き出します。
オーラライトで使うのは、ユニコーンが描かれた2層のボトルを使用します。80本のボトルから気になる4本を選びます。
※パワーストーンにもオーラライトという名前の石がありますが、カラーセラピーとは関連はありません。
■③ センセーションカラーセラピー
1995年にカナダで生まれたカラーセラピーです。
オーラソーマ、オーラライトと違うのは、オイルが2層に分かれていないところです。
単色のオイルが入った10本のボトルから3本、または6本を選び、過去・現在・未来をリーディングします。
また、センセーションで特徴的なのは、アロマオイルを使っているところ。色と香りのダブルの癒し効果を実感できます。
■④ TCカラーセラピー
日本でもっともポピュラーなカラーセラピーの流派です。
TCとは「True Communication(トゥルー コミュニケーション)」の略で、‟真実の心の交流” を意味します。
14本のボトルを使ってセッションをおこないます。ボトルの中のオイルは1層の単色です。
TCカラーセラピストの資格を取得可能です。短期間、そして手軽な料金で取得できるので、人気があります。
カラーセラピーはどこで受けられる?
カラーセラピーをおこなうには、資格が必須というわけではありません。このため、カラーセラピーを学んだ友人の自宅などで、気軽にセッションを受けることもできます。
一方で、より専門的なセッションやカウンセリングを希望する場合は、有資格者がいるサロンに行くといいでしょう。
前述のとおり、カラーセラピーの流派はいくつかあるので、公式サイトなどを見て気になるサロンを見つけてください。
カラーセラピーの効果
カラーセラピーには何ができて、どんな効果があるのでしょうか?
■自分の内なる感情に気づく
カラーセラピーは、色の効果を利用して人の心を癒す、心理療法のひとつです。
心理学では、抽象的な対象に対しての反応には、その人の潜在意識が反映されるといわれています。
「色」もまた、抽象的な対象です。なにげなく選んだ色から、ふだん意識していない自分の内面=潜在意識 を知ることができます。
潜在意識には、抑圧された感情が眠っています。選んだ色についてセラピストに話し、カウンセリングを受けることで、 ‟本当の自分” に気づけるでしょう。その過程で、自然と心が癒されていきます。
■生活を豊かにする
カラーセラピーにおいて、「色」はそれぞれ固有の意味をもっています。それを理解することで、日常生活をより豊かにできるでしょう。
たとえば、ふと手に取ったハンカチの色が「青」なら、心のどこかに不安があり、心を落ち着かせたいと思っているのかもしれません。
また、今日がデートの日で、相手に明るく快活な自分を見せたいなら、ビビッドな黄色の洋服を着る、といった具合いです。
カラーセラピーのやり方
カラーセラピーの方法は多彩ですが、最も知られているのは、ボトルを使ったやり方です。セッションは以下のながれですすみます。
■1. 気になる色のボトルを選ぶ
並べられているボトルから、気になる色を選びます。ポイントは、直感で選ぶこと。あれこれ考えずに選んだ色に、まっさらな潜在意識が反映されます。
■2. 選んだ色についてセラピストに話す
セラピストに話すことはなんでもよいです。リラックスして、思うままに話をしましょう。
大切なのは、「話をすること」それ自体。その過程で、自然と気持ちがほぐれ、心が開放されていきます。
■3. カウンセリングを受ける
話した内容から、セラピストがカウンセリングをしてくれます。自分が今どんな状態にあるのか、本当はどんなことを望んでいるのか、‟本当の自分” を見つけるヒントを提示してくれます。
有資格者であるカラーセラピストは、「色」のプロです。疑問や不安を感じた場合は、素直に伝えてみましょう。
まとめ
最近人気を集めているカラーセラピーについて、種類や方法、受けられる場所などをご紹介しました。日常には色が溢れています。心がもやもやする時は、色から自分の本音を知ってみましょう。カラーセラピーは難しいものではありません。色と自分自身を照らし合わせれば、隠された気持ちを知るきっかけになるはずです。