四柱推命などの運命学では、「生まれた瞬間に、その人の性格と人生で起きることが決定する」としています。同じ東洋で生まれた算命学(さんめいがく)、宿曜占星術(しゅくようせんせいじゅつ)なども同じような考え方に基づいています。
四柱推命では「生年月日」からさまざまな情報を読み取り、一生の中で起きることを予測することができます。
これらを活かせば、自分という人間に、どのような影響が起こるかということが予測できるようになります。これが四柱推命占いの基本となる考え方です。
四柱推命ってどんなもの?
この世界には、さまざまなエネルギーが満ちています。そして、一瞬も休むことなく、絶え間なく、一定の法則にのっとって流転しています。このエネルギーが「気」と呼ばれるものです。四柱推命は「気」をベースに、人生や運気というものを科学的に知るために発達した学問です。
人のはじまりは誕生です。お母さんのお腹の中で芽生えた命が成長し、「オギャア」といってこの世に生まれ、肺の中から羊水を吐き出して肺呼吸をしはじめるときがその人の人生のスタート。この瞬間から、その人は自然の摂理とかかわり合いながら人生を歩きはじめることになります。
人間は自然の一部である以上、身体の特徴や感情、運命などは、生活習慣や社会などの外的環境による影響もありますが、基本的には天の運行や自然の摂理の影響を受けることになります。
生年月日には情報が詰まっている
このことから、四柱推命では生まれた瞬間、つまり生年月日を重要視します。生まれた瞬間にどのような大気のエネルギーだったか、という情報から、その人が天地自然の摂理の中でどのように生きるか、生きるべきかがわかります。
これは単なる迷信や俗信の域にとどまりません。人の将来に起きることをおおまかに予知できるという意味で“当たる占い”としては群を抜いています。
四柱推命を活かしたプチ占いのすすめ
「四柱推命は占いの帝王」といわれるように、占い理論を体系的に、本格的に勉強して習得するには何年、何十年もかかります。プロの占い師であっても新しい理論や、別の流派の考え方も研究しながら、日々研鑽を欠かさないといいます。
ただ、よく当たるけど難解な四柱推命の占い方法の「一部分だけ」取り出しておみくじ感覚で毎日の吉凶を占う方法があります。たとえば人気の「動物占い」は、四柱推命のほんの一部の理論を抜き出したメソッドです。シンプルな方法で、かわいらしい動物にたとえた楽しい占いですが、意外と当たるのは、歴史に裏打ちされた四柱推命占いをベースにしているからです。
このコーナーでも、四柱推命占いをベースにした簡単な占い方法をお教えしますので、ぜひやってみてください。
占いの流れは以下の通りです。
1. 自然、宇宙から見て自分はどのような存在かを知る
2. その日ごとの自然、宇宙からのエネルギーの種類を知る
3. 1と2の関係からその日に起こることを予知する
という3ステップとなります。
具体的に見ていきましょう。
■1.自然、宇宙から見て自分はどのような存在かを知る
四柱推命などの東洋の運命学では、この世のすべての物質や森羅万象を「木(もく)・火(か)・土(ど)・金(こん)・水(すい)」の5要素に分類して考えます。自分という存在も、5種のうちどれに当てはまるかを知るのが占いに入る大前提となる情報です。これは一生変わらないあなたの性質なので覚えておきましょう。
■このサイトであなたがどの五行に属しているのかを調べてください。次のサイトが簡潔にまとまっているのでおすすめです。
→薬日本堂漢方スクール http://www.kampo-school.com/table.html
■どの五行に属しているかだけに注目して占うので、陰か陽かはここではおいておきましょう。
■2.その日ごとの自然、宇宙からのエネルギーの種類を知る
これを知るのに必要なのは「暦」です。それも、四柱推命が発明されたときの暦なので現代のカレンダーではなく「旧暦」となります。旧暦は、以前は分厚い本の旧暦カレンダーなどでしかわかりませんでしたが、現在は無料で旧暦がわかるWEBサイトやスマホアプリがあるので、こうしたものを利用・導入するのもいいでしょう。
占いたい日の干支(甲子、乙丑……などです。1文字目の漢字に注目)を調べてください。
■3.1と2の関係からその日に起こることを予知する
■たとえば、1で自分は「水」の人だとわかったとします。そして、2で今日は「甲申」日だとします(1文字目の漢字に注目)。
甲は「木の陽」なので、「木の日」です。つまり、今日は木のエネルギーが降り注ぐ日となります。
<干支の五行・おさらい>
・甲(きのえ) 木のエネルギーの日
・乙(きのと) 木のエネルギーの日
・丙(ひのえ) 火のエネルギーの日
・丁(ひのと) 火のエネルギーの日
・戊(つちのえ) 土のエネルギーの日
・己(つちのと) 土のエネルギーの日
・庚(かのえ) 金のエネルギーの日
・辛(かのと) 金のエネルギーの日
・壬(みずのえ) 水のエネルギーの日
・癸(みずのと) 水のエネルギーの日
「水」の人にとって、「木」のエネルギーは、
「水生木」(すいしょうもく)となります。本当は、自分が今日の五行エネルギーに「生じられたい」ところですが、自分が「生じる」側となります。
つまり、自分はエネルギーを出すばかりで疲れてしまう日となります。ですが、私心を持たず世のため人のために尽くすことは吉となります。
<干支の五行の相互関係・おさらい>
■生じる関係
・木生火(もくしょうか)……木が摩擦により火が生じて燃えます。
・火生土(かしょうど)……火が燃え尽きると灰を生じて土に返ります。
・土生金(どしょうきん)……土はかたまって金属を生じます。
・金生水(きんしょうすい)……冷えた金属の表面に水が生じます。
・水生木(すいしょうもく)……水は木を育てます。
■剋す関係
・木剋土(もっこくど)……木が根を張り、土から養分を吸い上げる。
・土剋水(どこくすい)……土が水を吸い取る。流れる水を土がせき止める。
・水剋火(すいこくか)……水は火を消す。
・火剋金(かこくきん)……火は金属を溶かす。
・金剋木(ごんこくもく)……金属の刃物で木を切り倒す。
■比和(ひわ)の関係
・木と木、火と火、土と土、金と金、水と水は同じ五行同士となり、このことを比和と呼びます。
<占い結果から運勢判定>
自分の五行エネルギーとその日の五行エネルギーの関係性から、その日の運気がおおまかにわかります。ここで紹介する判定方法はざっくりとしたものです。何日か連続で占ってみて、自分なりに「比和の日はこういうことをすると楽しく過ごせる」など、事象の現れ方を分析して傾向がわかってくると、当たる精度が上がっていきます。自分なりの占い方を研究してみてください。
■日の五行エネルギーから自分が生じられるのは大吉となります。日の五行エネルギーが、自分を生じてくれるというのは「天からの応援がある」ということです。どんなことをやっても比較的うまくいきます。具体的にはギャンブルなどの賭け事にもよく、金運や人間関係も良好となりやすいです。ただし、調子に乗りすぎたり、人への思いやりを忘れたりすると吉作用が半減してしまいます。
■日の五行エネルギーを自分が生じるのは小吉。やる気が空回りする、エネルギーを出すばかりで疲れてしまうなどといったことが起きがちです。ただし、そこまでひどいことは起きず、運気は小康状態といったところです。金運もイマイチですが、私利私欲を捨てて人のために使う、感謝されることをするなどは運勢を好転させるアクションです。
■日の五行エネルギーから自分が剋されるのも、剋すのも凶です。何をやってもイマイチうまくいかない、応援してくれう人が少ない、孤立した感じがあるなどという不調を感じやすいかもしれません。ただし、人生の中にはこういう低調な日もあります。じっとだまって、目立たぬようにおとなしく過ごしているうちに好調の波をつかまえることができます。全体的には衰運ですが、女性の場合は恋愛運・結婚運がよくなることがあります。たとえば運命の出会いがある、意中の人と恋愛関係になるチャンスがある、などです。
■日の五行エネルギーと自分五行エネルギーが同じになるのは、吉凶半々です。自分の五行エネルギーと同じものがやってくるということは、自分と同レベルの仲間やきょうだい、同僚など横並びのものとの縁がある日です。友だちやきょうだい、同僚と楽しく過ごすのにはいい日です。また、物事に決着がつく、何かが終わって何かがはじまるなどの事象が起きることもあります。ケジメをつけるためなら、積極的に動いて状況を打開するのはいいことです。
まとめ
パソコンやスマホなどの便利なものに囲まれ、交通手段も物流も発達した現代。私たちを生かしてくれる自然のありがたさや、地上に満ちる「気」、無意識のうちにいつも感じる「運」など、目には見えないのにたしかにある大切なものを忘れがちです。
普段の生活の中で、特別に「気」を意識することはあまりないかもしれませんが、人間を含む宇宙の森羅万象は、すべてその大きな「天の気」の影響を受けて存在しているのです。幸せに生きるには、この世や宇宙に満ちる気を正しく読み取って行動の指針とすることです。
そのために発達したのが四柱推命などの占いです。これらの占いの視点は、天気予報のようなもの。「今日は寒くなりそうだから上着を持って出かけよう」と対策を立てるように、「今日は自分にとってよくないエネルギーの日だからおとなしく過ごそう」などと、不測の事態を予知して備えるのです。いい運気の日は大胆に動くことで幸運を倍にします。
ここでお伝えした「自分の五行とその日の五行のエネルギーの関係で吉凶を判断する方法」は、一度覚えれば一生使えます。そして、当たります。ぜひ、生活に取り入れて、よりよい人生を送ってください。