神棚を設置しようと思った時、設置するうえで知っておかなくてはいけないことが沢山あります。たとえば、神棚の設置場所はどこに設置してもよいわけではなく、どの位置に設置して、神棚をどの方角に向けるなど多岐に渡り知っておいた方がよい情報があります。
ほかにも、会社に祀る神棚と、一般家庭の神棚が違う場合があります。お札にも神棚によって種類があるのです。
そこで、神棚の設置場所や、向きの方角と設置ポイントをまとめたので、ご紹介します。
神棚の設置場所・位置の基本的な考え方とルール
神棚は、空いているスペースに適当に設置するものではありません。方角が決まっており、設置する位置についてもルールがあります。
基本的に、神様は人の目線より高い位置に設置するのが一般的です。そのため、神棚を設置した部屋の上に人が歩き回るのも、人の目線より下になるのも良くありません。
1階に神棚を設置した場合、天井に「天」か「空」「雲」などと、紙に書いて貼ることも必要となってきます。
また、神棚を取り付ける方角についても、東向きか南向きに神棚を向けることも基本的なことです。
さらに、設置する際、神棚の下を人が通るような場所は、神棚を設置するうえで避けなくてはいけません。なぜなら、神様の下を人が行き来することで、神様が落ち着かないという理由からです。
他にも、綺麗な場所、掃除してある場所に神棚を設置することも大事なことです。神棚を設置するのに、方角はもちろんですが、基本的にお客様をお出迎えする空間に設置するとよいとされています。大抵は、リビングなどに神棚を設置しているといわれています。
神棚の向きの方角はどれがいい?8方角別に解説
神棚を設置するのに、方角が重要であるといわれています。何となく空いている空間に神棚を設置するのではなく、決められた方角と方法を押さえておきたいですよね。
そこで、方角といえば風水ですが、風水にある8方角と神棚を設置するのに適している方角についてご紹介します。
■北向きの神棚
北向きは、太陽のエネルギーの影響のない方角です。部屋を選ぶ時にも北向きは、日が当たらず湿気が溜まりやすく、なんとなく、ジメジメしたイメージを持たれる方もいると思います。さらに、水回りが北向きになるとカビに悩まされる方角です。
風水で北の方角は、水が常に流れていれば、悪いものを流す方角だと言われていますが、神棚に水は流すものではありません。風水では、北の方角に流れない水があると、悪い気が溜まるといわれています。水の他にも、榊や酒をお供えするので、水モノを停滞させることになります。
このことから、北の方角に神棚を設置すると、水を停滞させてしまうので、悪い気が溜まってしまうということになり、神棚を設置するには適していません。
■北東向き(鬼門)の神棚
風水では、表鬼門といわれる位置で、神棚を設置するのはおすすめできません。表鬼門と裏鬼門は、いずれも負のエネルギーを溜め込む場所とされています。裏鬼門においては、そもそも位の高い神聖な方角とされていますが、常に綺麗にしておかないと負のエネルギーになるといわれています。つまり、神棚を設置するのにおすすめしない方角だということです。
■東向きの神棚
太陽が東から昇り、西に沈みます。太陽が昇る方角に向けて、神棚を設置するのが一番良い方角だとされています。また、風水的にも東向きは、勢いのある方角で、エネルギーを吸収しやすい方角ともいわれています。
元気と活力を与える方角という観点からも、神棚を設置するのに一番おすすめしたい方角です。暑すぎず、適度の光が入ってくる空間なので、神棚を設置するのに良いでしょう。
■東南向きの神棚
神棚は、東向きか南向きがよいとされているので、東南の方角も悪くありません。風水的に東南の方角は、人付き合いを円滑にする方角とされています。
縁を結ぶので東南の方角も良い場所でしょう。もちろん、恋愛、結婚だけでなく、仕事においても良い方角とされています。太陽の光のあたる位置に神棚を設置することはおすすめです。
■南向きの神棚
神棚を設置するのは、東向きか南向きがよいとされています。南は、太陽が移動する方角でもあり、自然のエネルギーを受ける場所となります。南は常に太陽の光を受ける場所でもあり、神棚を設置するのは良いとされています。
明るくて、風の流れが起きる場所でもある南向きも良いでしょう。ほかにも南向きがよいとされる理由ですが、昔から南の方角に偉い人が座るとされていたからです。つまり、敬う存在は南向きの方角が良いということです。
■南西向き(裏鬼門)の神棚
風水的に裏鬼門とされる方角です。裏鬼門は表鬼門と同様に負のエネルギーが溜まる場所です。とくにその家の男性に悪影響をもたらす方角とされているので、西南に運気をあげる色などを配置することがおすすめされています。
西南の方角に神棚を設置するのは、負のエネルギーの影響があるので設置することはおすすめしない方角です。さらに、表鬼門や裏鬼門に神棚を設置されている場合、神様は守ってくれないという説もあります。
■西向きの神棚
西向きは風水的にいうと、和室や寝室に適している方角とされています。ところが、神棚を寝室など人が出入りしない場所に設置すること避けた方がよいとされています。西は太陽が沈む方角でもあり、エネルギーが強まる方角が東なら西はその逆です。
ですから、西向きに神棚を設置するのはおすすめではありません。神棚を設置するのは、適度に光が差し込む部屋です。西日は強すぎて不要な暑さでもあります。ですから、西向きの神棚をおすすめしません。
■北西向きの神棚
北西は、男性の社会的立場に影響をもたらす方角といわれています。ただ、北西には水回りを持ってこない方がよいとされていますが、神棚には、水をお供えしなくてはいけません。このことからも、北西に向けて神棚を設置することはおすすめできせん。
また、北の方角はジメジメした空間になりやすいこともあり、湿っぽい影響があるのもおすすめできない理由のひとつです。つまり、北西の位置は神棚を設置するのに適した方角ではないということなのです。
神棚を設置するときの高さ
神棚を設置する時は、方角や設置場所以外にも高さが重要になってきます。高すぎて見上げるような場所に設置するよりは、大人が直立したとき、少し見上げるような場所に設置するとよいです。
高い位置に神棚を設置するのは、よいとされていますが、高い方が良いからと言って、高すぎる位置に神棚を設置するとお参りや掃除、お供えなどがしにくくなってしまうので、適度な高さが大切です。
人の目線より下に神棚を祀ると、神様を見下す形になってしまので、低い位置に神棚を設置するのは避けたほうがよいです。
アパートなどで、吹き抜けのロフトの部屋の場合、神棚を設置する場所を悩まれる方も多いでしょう。ロフトを寝室にする場合、神棚より高い位置に寝ることになります。ロフトに神棚を設置するのは寝室の空間となるので、下の空間に神棚を設置したら、神棚の上に板を設けて、板に天、空、雲などを書いて上から見下ろさないようにしましょう。
神棚を設置するときの日取り
神棚を設置する時期は、引っ越しや何かおめでたいことがあった時など、何か節目があった時にするわけではありません。神棚が欲しいと思ったタイミングで揃えましょう。
神棚を設置する日は、できれば大安がよいとされています。
ただ、お札が年初めでないと揃えることができない場合もあります。たとえば、地元の小さな神社などは常に神主がいるわけではありません。そのような小さな神社は、初詣の時にお札を販売します。
新しいお札をお出迎えする準備として、年末の28日くらいを目安に神棚を掃除して神棚に神様をお出迎えする準備をするとよいです。ただし、29日は二重の苦しみという語呂合わせがよくない日となり、31日も一夜飾りということになってしまうので、それ以外の年末の大安日を狙うのもよいでしょう。
神棚の設置するときのポイント10個
神棚の設置について注意すべきことを分かりやすくするためにポイントでまとめました。神棚を設置しようと考えている方には、ぜひ参考にしてください。
■1. 水回りに接する場所に設置してはいけない
神棚は、神様が宿る場所です。水は流したり、流す、流れるものです。つまり、良い気も悪い気も流してしまうことになります。そこで、水回りに接した場所に神棚を設置することは基本的にお勧めできません。
水回りは、とくに汚れが目立つ場所にもなるので、頻繁に掃除をする必要も出てきます。方角によっては、水回りは、カビの繁殖が多い場所ということもあります。神社などでおまいりする際、手を洗いますが、本殿とは離れたところに水があります。神社でも水回りと神様のいる場所は離れているので、神棚を設置するとき、水回りの近くに設置するのは止めましょう。
■2. 人が行き来する頭上に設置しない
神棚を設置する場所ですが、人の行き来が激しい扉の上や玄関、通路の上などに神棚を設置するのはタブーだといわれています。神様が、落ち着かないということがあるので、基本的には人が通る場所の頭上に神棚を設置するのは、やめましょう。
また、階段付近も人が行き来する場所となるので、神棚を設置するのにふさわしくないといわれています。感謝の気持ちを込めて手を合わせたり、1日の始まりに手を合わせるために神棚を設置するので、落ちついて参拝できないような場所に設置しないことです。
■3. 設置する高さがポイント
神様が宿る場所だから高いほうが良いと思われますが、高すぎてお供えをするのも一苦労になるような場所より、大人が立ったときの目線より少し高い位置、神棚に手が届く高さに神棚を設置するのが、好ましいです。
なぜなら、お供え物を交換しにくいだけでなく、神棚のほこりや汚れなどに気づきにくい死角の部分を作ってしまうことになるからです。
神棚は常に清浄でなければなりません。置き型の神棚にしたとき、タンスなどの高いものの上に置くこともあるでしょう。しかし、仏壇の上に置くようなことは絶対にやめてください。
■4. お供え物のルールを押さえる
神棚にお供えするものは決まっています。榊(さかき)、水、お米、塩、酒、です。
毎日、お供えを必要とするのが、お米とお水と塩です。お酒と榊は1日と15日に行うものですが、榊の水は毎日交換すると長持ちします。
これらのお供え物ができるスペースが神棚にあるか、もしくは神棚の下か前などにお供え物を置くことができるのかを確認して、神棚を購入するようにしましょう。
お供えものをするときだけ、引き出しを開けられるタイプの神棚もあります。お供えを終えると引き出しを収納しておくこともできるので、スッキリしておきたい人は、このような事も考えて設置するようにしましょう。
■5. 神棚を設置する方角は◯◯
神棚を設置する方角は重要です。良いとされているのは、東向きか南向きです。これを無視した場所に神棚を設置するのは、やめましょう。
神棚を設置する方角は関係ないという考えを持つ人もいますが、神棚は明るくて清浄な場所に祀るのがよいとされています。東向きにすることで太陽の日差しでエネルギーを吸収できますし、南向きは明るくて必要な光を与えてくれます。
家を選ぶポイントでも南向きの家を選ぶ人が多いですが、それは明るくてちょうどよい光を得られるからです。神棚を設置するときは、方角に注意しましょう。
■6. 来客者と家族が集まるところへ置く
神棚を設置するポイントで、一番重要なのが、人が集まる空間に設置することです。たとえば、寝室や子供部屋、書斎などの人が集まるわけではない場所に、神棚を設置するのではなく、明るくて家族・来客者が集まる空間に神棚を設置するとよいです。
さらに、神棚を設置するのは、和室が良いとされていますが、近年、和室を設ける家が少なくなったので、リビングなどでも大丈夫です。
■7. 掃除を徹底する
神棚を設置したら、当然ですが管理をすることが必要になってきます。とくに神様は汚い空間を嫌う傾向にあります。掃除が行き届いていない部屋や、神棚の周辺が汚い環境を作るのはよくありません。
掃除が苦手な人であっても、神棚を設置する機会に、掃除を徹底するようにして気の流れをよくして、さまざまなことから守ってもらえるようにしましょう。
現代人は、物が多く管理できない人が増えている傾向にあります。本当に必要かどうかを含めて、物の整理と掃除を徹底し、綺麗な環境を作るようにするのも神棚を設置するうえで大きなポイントです。
■8. サイズとバランスが取れた神棚を選ぶ
神棚を設置しようと思ったら、神棚選びから始まりますが、神棚と聞くと木製で金の装飾がされたものをイメージされると思います。ところが、近年おしゃれでモダンな作りのものも増えており、日本家屋にしか合わないような神棚ばかりではなくなりました。
洋風の神棚や、一人暮らし用のサイズがコンパクトなもの、取り付けが簡単なものまであります。そのため、神棚を設置するうえでのハードルが下がって、自分の家に合ったスタイルの神棚や、サイズなどを選ぶことができるようになりました。
また、神棚の大きさはこうでなくてはいけないという決まりはないので、取り付ける場所に適したサイズの神棚を選ぶことをおすすめします。
■9. 神棚の種類を知る
神棚の種類ですが、一般的に3社宮と1社宮の種類の神棚があります。
3社宮は、お札を3枚並べることができ、氏神様、信仰神社、天照大神の神棚を祀ることができます。それに対して、1社宮は、3枚のお札を重ねて祀る方式の神棚です。これは伊勢神宮の一般的な種類ですが、近年は1社のみのお札を祀るものや2社のお札のみ祀る神棚もあります。
さらに、伊勢神宮の神棚の材質も基本的には、木材でヒノキやケヤキを使用し、白木造りとなっています。
また、屋根に桧皮葺(ひわだぶき)や茅葺(かやぶき)などが用いられる神棚もあります。近年は、インテリアに合いやすい神棚も多数販売されています。神棚の種類で押さえておきたいのは、3社を祀るか、1社のみ祀るかです。3社祀る場合、重ねるか一列にするかも押さえておくとよいでしょう。
■10. 神棚の上と場所をチェックする
家の玄関は、神社でいうと鳥居の部分です。神社では鳥居に入って手水舎があり、参道がありお賽銭を入れて、奥の本殿に神様がいます。
これを家に当てはめると、玄関を入って、廊下があり、リビングがある空間に神棚を設置するのが良いでしょう。つまり、お客様がきたときや、家族団欒ができる場所、つまり人が集まる空間に神様を設置するのがよいのです。
そこで、戸建てや集合住宅の場合、リビングの上の階があると思うので、神棚の上には「天」「空」「雲」という文字を書いて、天井に貼るようにしましょう。基本的に神様の上を人が行き来することはタブーなので、3文字のいずれかの文字を貼るようにしましょう。
神棚を玄関に設置するのはOK?NG?
玄関は、基本的に人の出入りが激しい空間です。良いエネルギーだけでなく、悪いエネルギーも入ってくるのが玄関です。
つまり、神棚を玄関に設置するのはNGです。神様は不浄なエネルギーを非常に嫌います。玄関だけでなく廊下や、扉の近くなども、NGです。
なぜなら、神様は人通りの多い出入り口だと落ち着かないとされているからです。神社なども、お参りする際、本殿が奥にあるのですが、神様という存在を前に出さずに、奥に祀ります。
神棚を寝室に設置するのはOK?NG?
基本的にNGです。神棚は人の出入りがしない寝室に設置するのは避けましょう。神棚は、多くの人が集まる場所で、お客様を通すような場所に設置することが推奨とされています。
つまり、プライベートな空間となる寝室や2階など、来客を通さない部屋に神棚を設置することはおすすめできません。
神棚は人が集まる場所、お客様を通す場所に設置するようにしましょう。さらに、一人暮らしなどで、ロフトなどがある部屋においても、同様です。高い位置に神棚を設置しようとしても、ロフトを寝室にしている場合は、ロフトに神棚を設置するのは、やめましょう。いくつも部屋がない一人暮らしなどのアパートやマンションでは、置き場所に困るところがありますが、基本的に寝室に設置するのは避けた方がよいです。
会社・事務所に神棚を設置するときの場所・方角
会社や、職場の事務所などに神棚を設置する場合、一般家庭と同じような神棚にするか、お稲荷様にするかで、お供えするものも異なります。
稲荷様の神棚にする場合は、赤色の社で1社タイプにすることもできますし、お稲荷様と一般家庭と同じ神棚の両方を設置しても可能です。その場合、お札はそれぞれに祀ることになります。それぞれのお札も全く違うものになるので、祀る神棚を間違わないように注意が必要となってきます。
また、会社や店舗の神棚は、大きいものほど良いと言われていますが、会社や店舗の年商規模から大きさを考えることになります。会社の場合は、今より成長して伸びることを希望して、大きめの神棚にすることがあります。そして、会社が成長すれば、また大きめに買い換えることがあります。方角においては、北に祀り南に向けるか西に祀り、東に向けることになります。
ただし、神棚を背面にすることは避けた方がよいです。また、神棚の頭上や左右にトイレや階段がないようにしましょう。2階以上でもトイレなどがないかを確認しましょう。それから、お稲荷様と神社のお札は異なります。
マンション・アパートに神棚を設置するときの場所・方角
マンションやアパートに神棚を設置する方角は、東向きか南向きにして神棚を設置しましょう。これは、戸建てであろうとマンションやアパートも同様です。また、集合住宅は、上の階層があるケースもあります。神棚を設置した天井部分には、「天」や「空」「雲」などと紙に書いて貼るようにしましょう。
マンションやアパートなどでも、寝室などに神棚を設置するのはよくないとされています。しかし、ワンルームなどでは止む負えないケースもあります。神棚の下を人が通るような場所に神棚を設置しないようにしましょう。そして、水回りの近くを避けて設置するようにしましょう。
また、賃貸の場合は壁に穴を開けられないという取り決めがあるケースもあります。その場合、置き型の神棚もあるので、できるだけ目線より高い位置に置くようにしましょう。神棚の下がタンスなどになっても大丈夫なので、なるべく低い位置に設置しないことを意識しましょう。
神棚と仏壇は同じ部屋でも大丈夫?
神棚と仏壇は、基本的に同じ部屋に設置しても大丈夫です。しかし、設置する場合の注意点があり、仏壇と神棚を抱き合わせに設置しないとことが条件となってきます。
これは、どちらか一方に手を合わせている時、おしりを向けてしまうことになるからです。仏壇にも神棚にも、背中やお尻を向ける行為はとても失礼な行為となります。仏壇も神棚もどちらも大事にしなくてはいけないので、横一列に神棚と仏壇を設置するようにしましょう。
まとめ
神棚については、守らないとダメだとか、正解はないという考えの神社もありますが、ここでは基本的なルールなどを知りたい方のために、神棚の設置方法や種類、方角、ポイントなどをまとめました。これから、神棚の設置を考えている方は、少しでも参考にしてください。