自己肯定感という言葉を知っていますか?自己肯定感は、人の生きやすさを左右する大切な感情として、とても注目を集めています。
もしも、あなたが「自分は何をしてもダメだ」と生きづらさを感じているなら、自己肯定感が低いのかもしれません。
そこで今回は、自己肯定感の意味を解説。自己肯定感が低い人の特徴と、自己肯定感を高める方法も紹介します。
自己肯定感の意味・定義とは?類語は?
自己肯定感とは、自己を肯定する気持ちを意味します。わかりやすく解説すると、次のような感情が自己肯定感になります。
・無条件に自分は大切だと思える気持ち
・根拠がなくても自分は人に愛される存在だという実感
・自分ならできると思える前向きな気持ち
また、学術論文の中には、自己肯定感を以下のように定義する一文があります。
以下引用
良い面も悪い面もひっくるめて「それが自分だ」と受け止める気持ちが自己肯定感なのです。
自己肯定感の類義語には以下のような言葉があります。
・自己イメージ
・自己評価
・自己効力感
・自己尊重
・自己評価
・自尊心
・自己有能感
類義語からわかるように、自己肯定感に他人の評価は含まれません。自己肯定感の有無は、本人の感じ方によって決まるのです。
自己肯定感が低い人の原因は?生まれつきの病気?
自己肯定感は環境によって大きく左右されます。特に家庭環境は重要で、低年齢の時代に「親から愛された」という実感は、自己肯定感を高めるために不可欠な要素です。しかも、重要なのは「親が子供を愛しているか」ではなく、「子供が親から愛されている実感があるか」なのです。
そのため、幼少期に癇癪や多動、発達の遅れなど、生まれつきの特性があった場合は注意が必要です。親が我が子の特性に気づかず、普通の育児を強行しようとすると、どうしても叱ってばかりになり、子供の自己肯定感を下げる原因になってしまいます。
また、生まれつきの特性に関係なく、日本人は他国よりも自己肯定感が低い傾向があります。内閣府が公表した「子供・若者白書(令和元年版)」の調査では、日本人の若者は欧米など6か国と比較すると、自己肯定感が低いという結果が出ているのです。これは、日本人の謙虚な国民性と関係していると考えられます。
自己肯定感が低い人の特徴6個[心理・性格]
自己肯定感が低い人は、どんな心理状態なのでしょうか。性格的な特徴と一緒に解説します。
■1. 自分に自信が持てない
自分に自信が持てず、自己に対して否定的なのが、自己肯定感が低い人の特徴です。能力の有無に関係なく、自分に自信がありません。周囲から評価されても、「たまたま上手くいっただけ」「本当の自分はダメなんだ」と、自信につなげられないのです。
■2. 失敗を極度に恐れる
自己肯定感が低い人は、常に「低い評価を受けるのではないか」「嫌われるのではないか」とビクビクしています。そのため、失敗を極度に恐れます。「これ以上ダメな自分を見せたくない」という思いが強く、失敗するくらいならば、やらない選択肢を選ぶことも少なくありません。
■3. 物事を悲観的に考える
自己肯定感が低い人はネガティブなので、物事を悲観的に考えます。問題にもならないような小さなミスでも、「完璧にできなかった」と失敗感を持ちやすく、総合的に見ればプラスの事柄も、大きなマイナスとして悲観的に受け止めてしまいます。
■4. 認知がゆがみやすい
ネガティブで悲観的な思考は、認知をゆがませます。自己肯定感が低い人は、周囲にそんなつもりがなくても「責められた」「嫌われた」と誤解しやく、すぐ被害妄想にとらわれます。誉め言葉ですら、「社交辞令に決まっている」「嫌味を言われた」と、素直に受け止められません。
■5. 承認欲求が強くプライドが高い
承認欲求が強いのも、自己肯定感が低い人の特徴です。自分に自信がないからこそ、周囲から評価されたいという思いが強いのです。しかし、実はプライドが高いので、「認めてほしい」という気持ちを素直に表現できません。認知のゆがみも手伝って、「がんばってもどうせ評価されない」と、ますます自己肯定感を下げてしまいます。
■6. 自分が嫌いで価値を見出せない
自分を肯定できない人は、「こんな自分が嫌い…」という悩みを常に抱えています。自己肯定感が下がりすぎると、生きている価値を見出せなくなり、自殺を招いてしまう危険性もあります。生きる上で、自己肯定感はとても大切な感情なのです。
自己肯定感が低い人の特徴5個[態度・行動]
自己肯定感の低さは態度や行動に表れます。しかも、自己肯定感の低さが招く言動には、更に自分に自信が持てなくなってしまう困った特徴があるのです。
■1. 何事にも消極的で受動的
自分に自信が持てないため、自己肯定感が低い人は自己決定が苦手です。そのため、何事にも消極的で受動的になります。周囲からやるべきことを提供されたり、声をかけたりしてもらわなければ、行動を起こす気持ちになかなかなれません。
■2. 騙されやすい
自己肯定感が低い人は承認欲求が強いので、求められると必要にされたことがうれしくて、騙されていても気づかず「認められたい」と応じてしまいます。また、自分に自信がなく依存心も強いので、流されやすい特徴があります。誰かに乗っかっていれば、決断せずに済み楽なので、深く考えずに騙されてしまうのです。
■3. すぐにあきらめる
自分の可能性を信じられないので、結果がでなければすぐにあきらめてしまいます。自己肯定感が低い人は、「もっと頑張れば上手くいくかもしれない」という成功イメージが持てず、継続と努力が苦手なのです。
■4. 自暴自棄になりやすい
自己肯定感が低いと自分を大切に思えません。そのため、上手くいかないことがあると、自暴自棄になりやすい傾向があります。「がんばってもムダ」「自分なんか生きている価値がない」という思いが強く、壁にぶつかると引きこもりがちになったり、自傷行為に走ったりするリスクが高いです。
■5. 他罰的
自己肯定感の低さからくる絶望感が、自分以外に向けられるケースもあります。「周囲は自分を理解してくれない」という怒りに転じると、自己肯定感が低い人は他罰的になってしまうのです。
上手くいかない自分の人生を周囲のせいにして、「自分は悪くない。悪いのは環境だ」と、根本的な問題から目を背けてしまいます。怒りの感情がコントロール不能になると、他人を罵倒したり、時には暴力をふるったりするケースもあります。
自己肯定感が低い人の特徴3個[恋愛]
自己肯定感が低い人は、恋愛こじらせ体質です。具体的にどのような特徴があるのか、自己肯定感が低い人の恋愛について解説していきましょう。
■1. 好き避けする
「自分なんか好かれるはずがない」「自分の好意に気づいたらキモいと思われる」と、自己肯定感が低い人は恋愛に対して超ネガティブです。そのため、「好きな人から嫌われるくらいなら、自分から離れたほうがマシ」という結論に達し、好き避けする特徴があります。
■2. 恋愛に依存しやすい
自己肯定感が低い人は、恋愛から遠ざかるタイプと、恋愛に依存するタイプに分かれます。依存するタイプは恋人関係になることで、自分の価値をかみしめています。そのため、恋愛に依存しやすく、恋愛中は恋人が中心の生活になります。
■3. 常に「恋人に嫌われるんじゃないか」と不安
人から愛される自信がないので、自己肯定感が低い人は交際中「恋人に嫌われるのではないか」と常に不安です。不安を取り除くために、恋人を束縛したり、困らせて頻繁に愛情確認を行ったりします。そのため、恋人の負担はかなり大きくなり、それが原因で破局するケースもあります。
自己肯定感が低い人の特徴3個[仕事]
仕事でも自己肯定感の低さは悪影響を与えます。職場環境に恵まれないと辛い状況に追い込まれ、ミスやトラブルが起こりやすくなるのが特徴です。自己肯定感の低い人の仕事における姿勢を解説していきましょう。
■1. チームを頼れず仕事を抱え込む
仕事はチームで行うものですよね。しかし、自己肯定感が低い人は「無能と思われたくない」「迷惑に思われたくない」という思考なので、大変なときもチームを頼れず、自分だけでやり遂げようとしてしまいます。また、自分の仕事がなくなる恐怖心もあるため、仕事を抱え込む傾向も強いです。
自分だけで仕事を完結できれば大きな問題はありませんが、ミスやトラブルが発生すると大変です。1人で解決しようとして後手に回り、問題が大きなってしまうことも…。結局周囲に大迷惑をかける結果となり、益々自己肯定感を下げてしまいます。
■2. 過剰に保身に走る
過剰なまでに職場で保身に走るのも、自己肯定感が低い人の特徴です。会社が自分の居場所になると、何が何でもしがみつこうとします。自分の評価が下がらないよう、もっと上に行けるよう、次のような行動をして、仕事の成果よりも保身を優先させてしまいます。
・社内接待を最優先する
・必死に派閥情報を収集する
・コネづくりに奔走する
・保身のために仲間を落とし入れる
もはや、会社の利益など関係ありません。上の立場にはへりくだり、下の立場には横暴な態度をとって、自分を誇示することに必死です。
■3. 人間関係がうまくいかず転職を繰り返す
仕事はチームで行うため、人間関係はとても重要です。しかし、自己肯定感が低いと職場でも認知がゆがむため、人間関係をこじらせやすくなります。未来をポジティブに考えられないため、「がんばってもダメだ…」と、こじれた人間関係を修復する努力をせず、すぐにあきらめて転職を繰り返してしまいます。
自己肯定感が低い男性の特徴
自己肯定感が低い男性は、常に「男らしさ」に縛られるのが特徴です。男女平等社会といわれる現代でも、「男は強く頼りになる存在でなければならない」という価値観は根強く残っています。男性として生まれただけで、活動的、積極的な言動を求められ、「悩みも自分で解決しろ」と突き放される機会は未だ多いです。
そのため、内向的な性格の男性は、穏やかで優しい長所があっても、それを自分で認められません。勉強ができても、スポーツができても、イケメンでも「積極的になれない」という一点に強いコンプレックスを感じて、自己肯定感が下がってしまいます。周囲から見れば、恵まれた環境で高い能力を持っていたとしても、自分に全く自信が持てないのです。
自己肯定感が低い男性は、恋愛にも消極的です。根底に「自分は男としてダメだ」という気持ちがあるため、深い関係になった女性から低い評価をつけられるのが怖くて、なかなか恋愛に踏み出せません。
自己肯定感が低い女性の特徴
自己肯定感が低い女性の最たる特徴は、依存心の強さです。仕事、恋愛、プライベート、すべてにおいて何かに依存したがります。自分に自信がないため、どこかに属していないと安心できないのです。
自己肯定感が低い女性は、とにかく1人を恐れます。所属するため必死に行動するので、一見社交的で積極的です。しかし、自分に自信がないため、常に外される不安を感じており、「役に立たなければ」「皆に合わせなければ」と、浮かない努力を懸命にしています。嫌われたくない一心で、人の意見に同調したり、命令に従ったりしてしまいます。美人な方でも容姿に関係なく自己肯定感が低いとそうなりがちです。
そのため、自己肯定感の低い女性は悪い男に狙われやすく、そういった男性の彼女になりやすいです。ヒモやDV男にとって、自己肯定感が低く自分に依存しようと必死な女性は、格好のカモなのです。ダメな男ばかりを渡り歩くだめんずウォーカーが多く、結婚に失敗しやすいのも、自己肯定感が低い女性の特徴です。
自己肯定感が低い人と高い人の違い
自己肯定感が低い人は、自分に自信が持てないため、すべてにおいて消極的です。ほめられても「お世辞に違いない」と疑い、アドバイスは「自分を嫌いなだけに決まっている」と素直に受け入れられません。人間関係にトラブルが起こりやすく、ストレス値は高くなります。場合によっては、「自分なんか生きる価値もない」と、自殺を本気で考えてしまうほど生きづらさを感じます。
一方、自己肯定感が高い人は、前向きに人生を謳歌します。ほめられれば純粋に喜び、アドバイスは素直に受け取り成長の糧とします。「困ったら助けてもらえる」と人への信頼感も強いので、何事にも積極的にチャレンジできます。困難に直面しても、自分の弱点を自覚しながら改善案を考え、周囲からのフォローを受けて解決してしまいます。
これは、能力差ではなく、自己肯定感の差から起こる現象です。自己肯定感が低い人と高い人では、決定的に生きやすさが違うのです。
自己肯定感が高すぎるのは問題?勘違い?傲慢?
自己肯定感が高すぎる弊害はありません。自己肯定感が高い人は、根拠がなくても自分に自信を持てますが、決して勘違い人間でも傲慢でもないのです。自己肯定感が高い人は、自分の長所はもちろん、短所も素直に受け止めますので、失敗すれば反省し、「もっとより良い方法を考えよう」と謙虚な気持ちを持っています。
そもそも、自己肯定感の高い人は、自分で自分をしっかり認めているので、周囲からの評価を強要しません。「自分はすごいだろう?」と誇示する必要がないのです。傲慢な勘違い人間は、むしろ自己肯定感が低い人が周囲に承認欲求をぶつける姿です。
しかも、自分を肯定できる人は、他人も肯定するのが上手です。相手の良いところを認め、悪いところも否定せず、「それがあなたなんだね」と、そのまま受け入れます。人を信頼し、お互い様精神を持っているので、協調性も社会性も高く、人間関係は良好です。
自己肯定感を高める方法7個
生きづらさの正体は自己肯定感の低さです。自己肯定感を高めれば、今よりももっと楽に生きることができます。あなたが少しでも楽になれるように、自己肯定感を高めて自分を認める方法を紹介します。是非一度試してみてください。
■1. 自分の短所をポジティブワードに変換する
まずは、あなたの短所を書き出してみましょう。思いつくままに、箇条書きで構いません。自己肯定感が低いあなたは、自分の欠点ならすぐに気づけますよね。
自分の短所が出そろったら、今度は短所をポジティブワードに変換してみましょう。無理があっても構いません。多角的視点で見れば、短所を長所に転じることも可能です。いくつか例を紹介しましょう。
・消極的→慎重で失敗が少ない
・悲観的→リスク管理バッチリ
・卑屈→謙虚
・能力が低い→可能性は無限大
・暗い→穏やか
自己肯定感の低さは自己評価の低さでもあります。もしかしたら、あなたの欠点は他人から見れば長所に映っているかもしれません。あえて全く別の見方をすることで、多様な価値観があるのだと理解しましょう。認知のゆがみを自覚するのが、自己肯定感を高める第一歩となります。
■2. 自分の思い込みに気づく
前項で書き出した短所は、見方を変えれば長所になる可能性を秘めていることに気づきます。今度は、あなたが短所だと思っている部分が、本当に欠点なのかを改めて考えてみましょう。
・いつから自分の短所を自覚したのか
・自分が短所だと思っているのは、親など他者からの指摘がきっかけじゃないのか
・短所をくつがえす方法はないのか
自己肯定感が低い人は、「自分はダメな人間だ」という思いがあるため、すべてをネガティブにとらえがちですが、もしかしたら、あなたの短所は単なる思い込みかもしれません。思い込むあまり、自分の意志とは関係なく「ダメな自分」を自ら選んでしまっている可能性もあります。自分の欠点を客観的に見て、悪い思い込みがあれば排除していきましょう。
■3. アファメーションを行う
アファメーションとは、自ら宣言することで、なりたい自分になる方法です。言葉には力があり、断言することで脳に「その通りだ」と錯覚させ、自分への信頼感を高められます。
自己肯定感の低さは、悪い方向にアファメーション効果が出てしまっている状況といえるでしょう。思い込みパワーのベクトルをプラスに向けて、アファメーションで自己イメージをポジティブにしていきましょう。
アファメーションのやり方は簡単です。主語を入れて、断定もしくは過去形で高らかに宣言するだけです。自己肯定感を高めるアファメーションの例をいくつか紹介します。
・自分はスーパーポジティブだ!
・みんな自分が大好きだ!
・自分は天才。不可能はない!
・今日は良いことばかり起こるぞ!
・この計画は大成功だ!
毎日鏡の中の自分と向き合い、アファメーションを行いましょう。続けることで、不思議とパワーがみなぎってきます。
■4. 人の好意や善意にアンテナを張る
世の中は悪人ばかりではなく、むしろ常識的で善意のある人が多数派です。それなのに、「自分は嫌われている」「ウザいと思われている」と感じてしまうのは、自己肯定感の低い人が負の感情に敏感すぎて、好意や善意を向けられても気づけないからです。
だから、感情のセンサーを好意と善意に合わせなければなりません。負の感情を拾って溜めるのはやめて、人から受けた好意や善意を自ら見つけに行きましょう。「あれ?ちょっと気を遣ってもらったかな?」と思ったら、「面倒なやつと思われた」ではなく「優しさを向けられた」と考えるのです。
自己肯定感が低い人は、どうしても「ごめんなさい」の精神で人と接しがちです。だけど、あなたを迷惑に思う人などいないと信じてください。「ありがとう」の精神で人と接すれば、今よりもずっとたくさんの好意と善意に気づけるでしょう。
■5. 小さな成功体験を積み重ねる
自己肯定感の低さは、蓄積された失敗経験が大きな原因です。「失敗した…」という苦い経験が多いと、「どうせダメに違いない」「自分は能力が低い」と、自分を信用できなくなってしまうのです。この思いを払しょくするには、成功体験を積み重ねるのが一番です。
成功体験は目標の大きさよりも数が重要です。小さな目標を立てて、どんどん達成していきましょう。簡単にできる成功体験をいくつか紹介します。
・朝自分が決めた時間に起きる
・簡単な料理を作って食べる
・1日1分の筋トレを続ける
小さくてささやかな成功でも、「できた」という実感が持てれば良いのです。成功体験は多ければ多いほど、自己肯定感を高めてくれます。
■6. 自画自賛を習慣にする
ほめられると自己肯定感は高まります。しかも、自画自賛でも充分効果があります。当たり前のことでも、やるべきことをやったら「きちんとやってエライ」、小さな成功体験ができたら「なかなかやるじゃん」「楽勝なんてすごい」と、自画自賛してください。
自己肯定感が低い人は、自分の長所に目を向けるのが苦手です。「自画自賛なんてとんでもない」と思うでしょう。それでも、自画自賛してみましょう。棒読みでも良いので「自分はエライ」「がんばってる」と、言葉に出して自分をほめてあげるのです。
アファメーションと同じで、言葉には力があります。続けることで、自分を認める気持ちが徐々に育っていきます。
■7. 損切りして環境整備を行う
自己肯定感は環境に大きく左右されます。だから、環境整備はとても重要です。あなたの自己肯定感を下げる要因がわかっているなら、躊躇なく損切りしましょう。家族環境が悪いならば、1人暮らしを検討するのもよいでしょう。職場の人間関係が最悪ならば、異動や転職の道も考えてみましょう。
あなたの自己肯定感を下げる原因から物理的に距離をとるのが困難ならば、気持ちの中で損切りすると良いでしょう。あなたを罵倒したり、見下したりする相手の言葉を、律儀に受け取る必要はありません。「この人の存在は損」と自分から見限った相手の言葉は、聞いているフリをするだけで、右から左に受け流してしまえば良いのです。
自己肯定感が低い人との接し方・付き合い方3個
あなたがごく普通に接していても、自己肯定感が低い人は「避けられている」「嫌がられている」と感じているかもしれません。認知がゆがみやすいので、自己肯定感が低い人との付き合い方には少々気を遣う必要があります。どのような点に注意すべきなのか、自己肯定感が低い人との接し方について解説していきましょう。
■1. 笑顔で接する
自己肯定感が低い人は「人から好かれる」という自信が欠落しているので、簡単には心を開いてくれません。それどころか、ちょっとしたことで心を閉ざしてしまいます。上手く付き合うには、「私はあなたに好意的ですよ」という気持ちをわかりやすく表現しなければなりません。
そこでポイントになるのが笑顔です。自己肯定感が低い人には、笑顔で近づいてください。あなたから笑顔であいさつや雑談をして、コミュニケーションをとっていきましょう。誰がどう見ても「敵意ゼロ。好意100%」の態度が基本です。
■2. 相手の話を良く聞き共感する
自己表現が下手なのも、自己肯定感が低い人の特徴です。簡単に自分の気持ちを吐き出してくれません。しかも「自分の話なんかつまらない」「興味がないに違いない」という思い込みがあるため、口数が少ないうえにコミュ障です。これでは、意思疎通がうまくいきません。
だから、あなたが聞き上手質問上手になって、相手の話を良く聞くように心がけましょう。自己肯定感が低い人が自分の気持ちを伝えてくれたら、どんな内容でも決して否定せず、「あなたはそう思ったんだね」と受け止め、共感してください。「自分を理解してくれた」という思いがなければ、信頼を得られません。
■3. わかりやすい言葉で伝える
自己肯定感が低い人は、すべてをネガティブに捉えてしまいます。だから、言葉選びはとても重要です。あいまいな表現を使うと、あなたが思わぬ方向に解釈されてしまうかもしれません。わかりやすく明確で、しかもポジティブな言葉を選んで伝えるように心がけましょう。
また、会話で否定的なこと、例えば都合がつかず誘いを断ったり、ミスを見つけて修正を依頼したりが必要な場合は、必ずフォローの言葉をセットにするのが肝心です。例をいくつか挙げましょう。
・「ごめんね。その日は都合が悪いから行けないんだ。誘ってくれてうれしかったのにすごく残念。別の日だったら絶対行くよ」
・「丁寧にやってくれてありがとう。ここだけちょっと直せるかな?あなたに頼むと、ほとんど修正がないからとても助かるよ」
自己肯定感が低い人は、周囲が接し方を工夫するだけで、ぐっと精神状態が良くなります。小さな手間を惜しまず丁寧に接して、良好な関係を築いていきましょう。
自己肯定感の診断チェックリスト
自己肯定感の低さをチェックできるリストを作成しました。下記の質問に「はい」か「いいえ」でお答えください。「はい」が多いほど自己肯定感は低い傾向になります。
・自分に自信が持てない
・つい人と比べてしまう
・自分は人並み以下だと思う
・自分から話しかけるのが苦手だ
・誘われると断れない
・自分は人から好かれないタイプだと思う
・人気のある人がうらやましい
・言い訳してしまうタイプだ
・ほめられると居心地が悪い
・我ながらネガティブだと思う
・人を信用できない
・人間関係が苦手だ
・すぐ自己嫌悪してしまう
・自分の価値がわからない
・失敗するのが怖い
・落ち込むとなかなか立ち直れない
・常に人の目を気にしてしまう
・外見にコンプレックスがある
・恋愛に積極的になれない
・毎日が生きづらくて苦しい
自己肯定感を高めるためのおすすめ本
自己肯定感の低さからくる認知のゆがみは、正しい情報を多く取り入れることで改善していきます。自己肯定感に関する本を読んで知識を深め、あなたが生きやすくなる方法を探してみましょう。おすすめの本を、いくつか紹介します。
・何があっても「大丈夫。」と思えるようになる 自己肯定感の教科書(著者:中島輝)
・根拠なき自信があふれ出す!「自己肯定感」が上がる100の言葉(著者:千田琢哉)
・「自己肯定感」が低いあなたが、すぐ変わる方法(著者:大嶋信頼)
・自分を愛せなくなってしまった人へ-自らに光をともす29の方法(著者:ティール・スワン、奥野節子)
・人生がうまくいく人の自己肯定感: 努力より、環境より、才能より大事なもの(著者:川野泰周)
・離れたくても離れられないあの人からの「攻撃」がなくなる本(著者:Joe)
・敏感すぎるあなたが7日間で自己肯定感をあげる方法(著者:根本裕幸)
・マインドフルネスと7つの言葉だけで自己肯定感が高い人になる本(著者:藤井英雄)
まとめ
自己肯定感の高さはあなたが決めるものです。周囲の評価は関係ありません。だからこそ、問題は根深く、自己肯定感を高めるには時間が必要です。今は生きづらさを感じているかもしれませんが、これからハッピーな人生を送るためにも、小さな努力を積み重ねていきましょう。自分をたくさん甘えさせて、いっぱいほめてあげてくださいね。