吉祥文様の意味は、縁起が良い図柄が描かれているもののことです。
和柄の中でも、吉祥文様(きっしょうもんよう)は、格式が高く豪華な和柄です。モチーフとなっているものは、縁起が良いとされる動物や植物、または宝物などです。
婚礼衣装の色打掛、引き振袖などには、必ず吉祥文様の「鶴」、「亀」、「松竹梅」、「鳳凰」やその他の吉祥文様が用いられています。
最近は、着物の柄だけでなく、東京スカイツリーなどでも使われています。最先端の技術と伝統的な吉祥文様は、とてもよく調和しています。
本記事では、たくさんある吉祥文様の中で、主なものをご紹介致します。
吉祥文様35種類の意味
■1. 麻の葉(あさのは)
麻の葉は、植物の吉祥文様です。形は六角形を連続してつなげていく幾何学的な文様です。菱形を六角に組み合わせて連続する文様です。目の錯覚で立体的に見えます。
麻の葉の文様の種類としては、「麻の葉つなぎ」、「麻の葉くずし」などがあります。麻の葉は成長が早いので、子どもの健やかな成長の願いを込めて産着などに使用されます。
■2. 入子菱(いりこびし、いれこびし)
入子菱は、菱形の中にさらにいくつかの菱形を入れた吉祥文様です。菱形は、厄除けや健康を願う意味があると言われています。
菱形の由来は、菱(ひし)は、池や沼に生息するアカバナ科の水草ですが、菱の果実が四角形をしていることから、菱形(ひしがた)と呼ばれるようになりました。平安時代の貴族の衣装(束帯、十二単)などに用いられています。
入子菱の種類には、菱形に花を入れた唐花菱(からはなびし)、花菱をいくつも入れた幸菱(さいわいびし)、その他に繁菱(しげびし)、遠菱(とおびし)などがあります。
■3. 鱗文(うろこもん)
鱗文様は、動物の吉祥文様です。文様の形が、魚や蛇の鱗(うろこ)に似ているところから鱗文(うろこもん)と呼ばれるようになりました。「入れ替わり文様」と言い、三角形を交互に入れ替えて文様を形づくっています。
厄除けや魔除けの力を持つ文様として尊ばれ吉祥文様のひとつです。そのため、昔から武家の陣羽織(じんばおり)や家紋としても使われています。
■4. 扇文(おうぎもん)
扇文様は末広がりという形から、拡大、発展、繁栄を意味し、縁起の良い吉祥文様とされています。扇の形から、末広(すえひろ)とも呼ばれています。扇文様は高貴な優美さを表し、古くから貴族の衣装の文様として用いられました。
扇の中に美しい草花を描き、飾り紐などを付けた扇文様はとても華やかな図柄となります。扇を水に流した様子を文様化したものは、「扇流し文(おうぎながしもん)」と言います。
■5. 鴛鴦(おしどり)
鴛鴦(おしどり)の文様は、動物の吉祥文様です。中国から伝わった吉祥文様で、正倉院の宝物の中に鴛鴦の文様が見られます。
鴛鴦の雄は橙(だいだい)色や緑色の羽根を持ち、翼に銀杏羽(いちょうば)があり、頭には飾り羽を持つ美しい姿をしています。
いつも雄雌いっしょにいることから、仲の良い夫婦を「おしどり夫婦」と言います。羽根の色が美しく鮮やかなことから、着物や帯などの文様として用いられています。
■6. 籠目(かごめ)
籠目文様は日本古来の文様です。籠目(かごめ)とは、竹で編んだ籠(かご)の格子状の網目のことを言います。
網目の形は、六つ目編み、四つ目編み、麻の葉編み、波網代、松葉編みなどがあります。星の形の六芒星(ろくぼうせい)の文様は、邪気を払い魔除けの印として、神聖な力を持っていると信じられています。
格式が高い吉祥文様で、室町時代、能の衣装にも使われました。
■7. 唐草文様(からくさもんよう)
唐草文様は、植物の吉祥文様です。植物の蔓(つる)を図案化し、蔓(つる)の間に花や葉、実などを加えているものもあります。
種類として、「忍冬唐草(にんどうからくさ)」、「葡萄唐草」、「牡丹唐草」、「蓮華唐草」などがあります。
生命力が強く、途切れることがなく、繁栄や長寿を意味することから、縁起の良い吉祥文様とされています。
■8. 亀甲文様(きっこうもんよう)
亀甲文様は、動物の吉祥文様です。中国から伝わった格式の高い吉祥文様で、平安時代の貴族の衣装に用いられました。
形は亀の甲羅(こうら)の文様を模した正六角形をしています。亀は万年という長寿を意味しています。
種類としては、「亀甲繋ぎ(きっこうつなぎ)」、「亀甲花菱(きっこうはなびし)」、「毘沙門亀甲(びしゃもんきっこう)」などがあります。
■9. 雲取り文様(くもとりもんよう)
雲取り文様は、絶え間なく湧く雲の姿を文様にしたものです。中国では、雲の無限の生命力から、不老長寿を願う吉祥文様とされました。
縁起の良い桜、松、牡丹、萩、菊、竹、貝桶(かいおけ)、打ち出の小槌(こづち)、丁子(ちょうじ)、分銅(ふんどう)、金嚢(きんのう)、巾着(きんちゃく)、宝巻(ほうかん)、巻軸(まきじく)などの宝物などといっしょに描かれ、それらを引き立たせる背景として立体感や変化をつける効果があります。
■10. 紗綾形(さやがた)
紗綾形とは、桃山時代に中国の明から紗綾(さや)という絹織物が輸入され、その文様を紗綾形(さやがた)と呼ぶようになりました。
慶事礼装用として、白襟には必ず紗綾形が使われていました。形は、卍(まんじ)という字を斜めにくずして連続させた文様です。
そのため「卍崩し(まんじくずし)」、「卍繋ぎ(まんじつなぎ)」、「雷文繋ぎ(らいもんつなぎ)」、「菱万字(ひしまんじ)」とも言います。不断長久(絶えることが無く長く続く)という意味があり、家の繁栄や長寿を願う吉祥文様です。
■11. 七宝つなぎ(しっぽうつなぎ)
七宝つなぎは、ひとつの円の円周を4分割して、他の4つの円で等しく4つの部分で重なるように配置します。連続して重ねていくと、七宝つなぎの文様になります。「輪違いつなぎ文」とも言います。
四方に連続して広がることから、子孫繁栄や延命長寿、永遠を表す吉祥文様とされています。四方(しほう)が変化して、「しっぽう」と呼ばれたことから、七宝になったと言われています。
七宝の意味は、金、銀、瑠璃(るり)、めのう、さんご、水晶、真珠の七つの宝を意味しています。
■12. 松竹梅文(しょうちくばいもん)
松竹梅文は、松、竹、梅の縁起の良い文様を組み合わせた吉祥文様です。松は冬の寒さに耐える常緑樹です。竹は成長が早く、まっすぐに伸び丈夫で折れることがありません。
梅は他の花に先駆けて、初春の正月を祝う目出度い時期に咲く花として尊ばれています。松竹梅の文様が使われ始めたのは室町時代と言われています。
庶民が松竹梅の文様を使い始めたのは江戸時代になってからです。婚礼の衣装や、風呂敷、婚礼布団、陶磁器、漆器や家具などにも用いられます。
■13. 青海波(せいがいは)
扇型の波をかたどった文様です。波の文様の由来は古代ペルシャで生まれ、中国を経由して日本に伝わりました。
青海波の名前の由来としては、日本古来の芸能としての舞楽(ぶがく)の演目で「青海波」の装束の文様として使われたことから、この文様の名前として呼ばれるようになりました。
種類としては、「菊青海波」、「松青海波」、ひし形になった「菱青海波」などがあります。青海波は、大きな海に永遠に広がる波を表わし、延命長寿や未来永劫(みらいえいごう)などを意味する吉祥文様です。
■14. 宝尽くし(たからづくし)
宝尽くしは、とてもお目出度い文様として、晴れ着などの文様に多く使われています。仏教の八宝(8つの宝物)や雑八宝(ざつはっぽう)に由来しています。
八宝とは、法輪(ほうりん)、法螺貝(ほらがい)や宝傘(ほうさん)、白蓋(はくがい)、蓮華(れんげ)、宝瓶(ほうびん)、金魚(きんぎょ)、盤長(ばんちょう)などです。
雑八宝とは、珊瑚(さんご)、丁子(ちょうじ)、方勝(ほうしょう)、繍球(しゅうきゅう)、角杯(かくはい)、火焔宝珠(かえんほうじゅ)、厭勝銭(えんしょうせん)、銀錠(ぎんじょう)などです。願いを叶える縁起の良い吉祥文様とされています。
■15. 橘文様(たちばなもんよう)
橘文様は、植物の吉祥文様です。橘はみかんなどの木の総称です。常緑樹で永遠を意味し、葉や花に良い香りがします。
橘の葉は冬でも元気よく生い茂ることから、長寿や子孫繁栄の願いを意味する吉祥文様として愛好されています。最近では、文化勲章のデザインに使用されています。
橘を使った家紋の種類としては、「橘紋」、「丸に橘」、「井桁に橘」、「三つ葉橘」、「三つ組み合わせ陰橘」、「五つ寄せ橘」などがあります。
■16. 鶴文様(つるもんよう)
鶴文様は、「鶴は千年、亀は万年」という諺にも言われるように、鶴は長寿の象徴として吉祥文様のひとつとなっています。
鶴の文様としては、「折り鶴」、「千羽鶴」、「飛鶴」、「雲鶴」などの種類があり、家紋や紋綸子の地紋などに使われています。
鶴の文様は、成人式、結婚式などに着る振袖やお宮参り、七五三などの着物の柄には欠かせない吉祥文様です。
■17. 菱文(ひしもん)
※上記は菱文の中でも花菱です。
菱文は、植物の吉祥文様です。水草の一種である「ひし(菱)」の葉に形が似ていることから名付けられたものです。平安時代は、貴族の装束の文様として用いられました。現在は留袖や礼装用の帯などにも使われています。
菱形は横長が基本ですが、縦長の菱形の場合は、立菱(たてびし)と呼びます。
菱文の種類としては、「繁菱(しげびし)」、「遠菱(とおびし)」、「入子菱(いれこびし)」、「唐花菱(からはなびし)」などがあります。4つの花菱をまとめて菱形にしたものは、幸菱(さいわいびし)と呼ばれています。
■18. 宝相華(ほうそうげ)
宝相華は、花の吉祥文様です。唐草文様のひとつです。華麗な5つの花弁花の植物を組み合わせた文様です。実際に宝相華という花はなく、想像上の花文様です。
宝相華の発祥地はペルシャと言われ、その後中国を経由して日本に伝わりました。
薬師寺東塔や唐招提寺の金堂の装飾や法隆寺の弥勒菩薩(みろくぼさつ)の光背(こうはい)などに宝相華の文様が見られます。現代では、格調の高い着物や帯の文様に用いられています。
■19. 鳳凰文(ほうおうもん)
鳳凰文は、中国で尊ばれた空想上の鳥です。麒麟(きりん)、龍(りゅう)、亀と合わせて四瑞と呼ばれています。
鳳凰の形は、お祭りで担ぐ御神輿(おみこし)の屋根の上で大きく翼を広げた立派な鳳凰の姿を見ることができます。
鳳凰文は、延命長寿や夫婦円満の象徴として尊ばれている吉祥文様です。現代ではおめでたい文様として、黒留袖や帯の文様に用いられています。
■20. 牡丹(ぼたん)
牡丹の文様は、花の吉祥文様です。牡丹は花の中でも豪華で派手な花です。百花の王とされ、幸福や高貴さを表しています。
牡丹の「丹」は不老不死の仙薬を意味することから長寿を願う柄として、昔から親しまれています。室町時代には、牡丹と唐草文様を合わせて、「牡丹唐草文様」が生まれました。
着物の柄としては、大変派手な文様ですので、若い女性向きと言えます。結婚式で使う色打掛や振袖、留袖の柄として用いられます。
■21. 市松文様
市松文様は、現代風に言えばチェック柄。つまり、2色の正方形を交互に並べた文様です。同じ柄が永遠に続くイメージから、「子孫繁栄」や「事業拡大」といった意味を持っています。
市松文様と言われ始めたのは江戸時代で、歌舞伎役者がこの柄の袴を身につけており、役者の名が「佐野市松」だったことに由来しています。
■22. 流水文様
流水文様は、読んで字のごとく水が流れる様子を表した文様です。「厄を流す」といったイメージから魔除けや「流れる水は腐らない」ことから清らかさを表し、その他「火難除け」の意味があります。
一般的に、他の模様と合わせて使われることも多く、中でも水流と渦を表した「観世水(かんぜすい)」はとても有名でしょう。
■23. 工事繋ぎ文様
工事繋ぎは紗綾形に似ている模様です。しかし、工事繋ぎの場合は「卍」ではなく「工」を斜めに崩して繋げた模様となっています。
意味もとてもよく似ており、紗綾形文様が持つ「不断長久」の意味に加えて、「延命」といった意味もあります。紗綾形文様も工事繋ぎ文様も、着物の地紋として多く取り入れられる模様です。
■24. 矢絣(やがすり)文様
矢絣は矢羽の形がデザインされた模様です。そして、織物の技法である「絣(かすり)」を取り入れ、模様の輪郭がかすれたように見える模様となっています。
一度射た矢は戻ってこないことから、嫁入り道具として矢絣の着物を持たせたと言います。また、矢はまっすぐ進み、的を得るため、縁起物としても重宝されています。
■25. 束ね熨斗(たばねのし)文様
束の熨斗とは、帯状に細長くした熨斗をいくつも束ねた模様となっています。そもそも熨斗とは「熨斗鮑(のしあわび)」と呼ばれ、薄く削いだ鮑を伸ばし、乾燥したものを贈り物に添えたもの。
華やかで高級感あふれる熨斗をいくつも束ねた様子は、祝福や絆を意味します。また、熨斗の長さは長寿を表し、非常にめでたい模様です。
■26. 立涌(たてわく・たちわき)文様
立涌文様は、蒸気が立ち上る様子を二本の曲線で表したものです。平安時代以降に用いられた、「有職(ゆうそく)文様」という格式の高い模様でもあります。
公家階級の装飾や調度にも使われていました。曲線と曲線の間の膨らんだ部分に描く模様によって、「雲立涌」や「菊立涌」など様々な種類があるのが特徴です。
■27. 雪輪(ゆきわ)・雪華(せっか)文様
雪輪・雪華文様は、雪の結晶がデザインされた模様です。豪雪の年は、豊作となることから雪は「五穀の精」と言われていました。
そのことから、雪輪文様や雪華文様は豊作の象徴となっています。雪の結晶を顕微鏡で観察し、六角形であるとわかったのは江戸時代。しかし、雪輪文様はすでに平安時代から使用されていたと言われています。
■28. 松文様
※老松文様
松文様はその名の通り、松が施された模様です。一年を通して葉を落とすことがない松は、どんな環境でも生きる力を持っています。そのため、松文様の持つ意味は、「長寿」や「威厳」「不老不死」。
また、新芽が出ている若い松をモチーフにしたものは「若松」と称し、長い年月を生き、枝葉も立派に描かれたものを「老い松」と呼んでいます。
■29. 竹・笹文様
竹・笹文様は、名前の通りや竹や笹の葉を描いたものです。竹はまっすぐに伸び、茎の中が空洞であることから、裏表のない「潔白さ」を表しています。
また、竹は冬も枯れないことから「長寿」や「不老不死」に加えて、「力強さ」といった意味も。さらに、鳳凰が竹の実を食べるという中国の故事から、吉祥の象徴灯されています。
■30. 梅文様
梅文様も、名前が表しているように梅を描いたものです。中国の故事にある「学問を励むと梅が咲く」という言われから、貴族に愛された花でした。中でも、菅原道真が梅を愛したと言われ、天神信仰に伴って庶民にも広まった模様です。
梅の字にある「毎」は母親を表しており、厳しい寒さの中で花を咲かせる姿は母親のようだと言われています。
■31. 菊文様
菊を施したデザインを菊文様と言います。そもそも、菊は薬草として奈良時代に中国から伝わった植物。
現代でも、9月9日の「重陽の節句」には菊酒を飲み不老不死を願う習慣があります。薬草ということから、健康面の願いが込められた模様です。また、菊の花弁は放射状に整っていることから太陽に見立てられ、邪気払いの力もあるとされます。
■32. 四君子(しくんし)文様
四君子文様は、竹・梅・菊・蘭の図柄を合わせたものを指します。
中国で学識高く人徳もあり、さらに清らかで高潔な人を君子と呼び、この4つの植物は君子の特徴を持つとされているため、日本でも吉祥文様と扱われています。
中でも、蘭は控えめな花でありながら、香りがいいため「善人蘭の如し」と言われ、尊ばれた花です。
■33. 桜文様
※小桜文様
桜のモチーフが施された桜文様。春を告げる花として日本人に愛され「物事の始まり」を象徴する模様でもあります。また、一度に花を咲かせる姿から「繁栄」を表すことも。
桜文様には、花びらをちりばめた模様の「小桜」や垂れ下がる枝に花を添えた「枝垂桜」、流水文様と合わせた「花筏(はないかだ)」などバリエーションが豊富にあります。
■34. 鹿の子(かのこ)文様
鹿の子文様は、小鹿の背中の模様に似たデザインが施された模様です。
鹿の子文様を表現するためには、生地を染料で染める際に少しだけつまみ糸で縛り、染め終えたら再び糸を解くといった手間のかかる技法が使われるため、贅沢品でもあります。可愛らしい中にも高級感があるため、子供用の着物に重宝される柄です。
■35. 鮫小紋
鮫小紋は、細かい点を円状に重ねたもので、鮫の肌に似た模様です。八代将軍の生家「紀州徳川家」が好んで用いた模様でもあります。
江戸小紋の内、藩が定め格式が高い「定め小紋」の中でも「鮫」「角通し」「行儀」の3つは「小紋三役」と呼ばれ別格です。鮫肌は硬いため、鎧のようであることから「魔除け」の意味があります。
中国の吉祥文様は?
※上記は、雷文(らいもん)です。
中国の吉祥文様は、中華料理のお皿の柄にもなっている龍(りゅう)、鳳凰(ほうおう)などの架空の動物や、四角い渦巻き状の「雷文(らいもん)」などは親しみがあります。
その他に「鱗文(うろこもん)」、「蝙蝠文(こうもりもん)」などがあります。蝙蝠文は、日本ではあまり用いられませんが、中国語では、蝠と福が同じ意味なので、吉祥文様です。
「唐草文(からくさもん)」、「青海波(せいがいは)」、「宝相華(ほうそうげ)」なども中国の吉祥文様です。これらの文様には、裕福、長寿、成功、子孫繁栄などの願いが込められています。
ちなみに中華料理店で良く見る「福」という字が逆さまになっている壁飾りを見ますが、これは、「倒福(とうふく)」と言って、福が天から降りて来るという縁起を担いだものです。
結婚式におすすめの吉祥文様は?
結婚式の衣装には、豪華な吉祥文様が用いられています。花や植物の文様がお好みであれば、「松竹梅」、「宝相華」、「牡丹」、「唐草文様」などがおすすめです。唐草文様には、「葡萄唐草」、「蓮華唐草」、「牡丹唐草」などの組み合わせもあります。
「雲取り文様」も桜、松、牡丹、萩、菊、竹、貝桶(かいおけ)、打ち出の小槌(こづち)、宝巻(ほうかん)、巻軸(まきじく)などの宝物などといっしょに描かれ、大変豪華になります。
動物の文様がお好きであれば、「鶴(つる)」、「鳳凰(ほうおう)」、「鴛鴦(おしどり)」などがおすすめです。鶴や鴛鴦は、夫婦円満の願いを象徴しています。「亀甲文様」、「扇文」、「宝尽くし」も豪華な文様としておすすめです。
婚礼の衣装の場合、吉祥文様は単体ではなく、全てに縁起が良いように、数種類の組み合わせになっています。その場合は、メインの柄で気に入ったものを選ぶことになります。
まとめ
吉祥文様は、ここでご紹介したものは代表的なもので、それ以外にもたくさんあります。吉祥文様は、招福開運、夫婦和合、子孫繁栄、延命長寿、商売繁盛、家運繁栄などの願いが込められています。結婚式や成人式、お祝いの席に着る着物の文様にふさわしい文様です。
ご自分で着物を購入される場合や貸衣装で借りる場合でも、上記にご紹介した吉祥文様の基礎知識を参考にして、自分に合った柄を選んでみてください。きっと良い思い出になるはずです。