※動物看護師20年以上のライターが書いています。
犬が大好きでお散歩中の犬や、近所の犬に近づいて触ろうとするとなぜか吠えられてしまう・・・。逆に、特に何もしていないのにその場にその人がいるだけで、犬のほうから近づいていくような何ともうらやましい人もいます。
犬はそのような人に何か特別なものを感じ取っているのでしょうか?
犬が好きで獣医になったのにほとんどの犬に嫌われるというケースも多々あります。獣医さんはどちらかと言えば嫌われる傾向にあるようですが、これは仕方のないことかもしれませんね。
犬好きならどんな犬とも仲良くなりたい!と思うものです。ここでは犬に好かれる人の特徴や、その理由について説明していきます。
犬に好かれる人の特徴・共通点10個
■1. 穏やかで落ち着いた声で話す
犬はキンキン声や大きな声がとても苦手な傾向にあります。その理由は犬は人の何千倍も聴覚が優れているからです。大きな声や威勢の良すぎる声は犬が「怒られている」と感じて恐怖を覚えるようです。
犬にとっては落ち着きのある穏やかな声が心地よく感じます。犬を飼っている人達に聞いた話では、ついイライラして大きな声を出してしまったときなどは犬がその場からハウスなどへ非難するそうです。
大きな声を出してしまったことを反省してその場で犬に謝っても、飼い主さんが本当に落ち着くまではそばに寄ってこない犬がほとんどでした。犬にはその場を取り繕うことは出来ないのでしょう。飼い主さんの声のトーンで判断し、心を読み取っているのかもしれません。
■2. 落ち着いた態度や振る舞い
声は落ち着いていてもそれとは裏腹に振る舞いがハイテンションの人がいます。犬が好きなあまりオーバーリアクションになってしまうようです。
散歩中にそんな人に出会ったことがあります。最初は座り込んで犬に落ち着いた声で話しかけていたのですが、いきなり立ち上がり一緒にいたお友達と、嬉しさのあまりでしょうか騒ぎ出しました。その時の犬は一瞬ビクっとして私の後ろに隠れてしまいました。
犬にとって初対面の人は「この人、どんな人?」「何もしない?」「そばに行って大丈夫?」と考えています。そんな時に犬をビックリさせるような態度はNGです。「コイツは恐いぞ!」と思ってしまいます。
犬は落ち着いた振る舞いの人を好みます。
■3. 犬と同じ目線の高さになる
大型犬であっても犬が立ち上がらない限り大人の場合、目線は犬を見下ろす感じになります。人もそうだと思いますが、大人でも上から見下ろされることは相手から威圧感を感じてしまいますよね。
小型犬ならなおさらのこと、恐怖感さえ与えてしまうのではないでしょうか?「この人、恐い」と感じてしまいます。
人間の子供に接するときは自然にしゃがんで子供の目線に合わせていませんか?この何気ない動作が子供に安心感を与えています。
これは犬にも同じことが言えます。犬に好かれる人は自分では無意識にこの行動をとっているようです。こんな人は子供にも犬にも人気者でしょう。
■4. 適度な距離を保っている
いくらその人が犬好きであっても犬は初対面の人には緊張感をもっています。人も初対面の人にはある程度の緊張感を持ちますよね?
走って犬に近づいてきたり、むやみに触ろうとする人には犬はビックリして「何、この人?!」といった感情が先に立ってしまうことになります。
犬に好かれる人の多くは犬のほうから近づいてくれるのを待っています。犬がそばに来てくれた時にやたらと犬を触ったりせずに、犬のしたいようにさせています。
犬がフンフンと匂いを確かめている間もむやみに声をかけたりしません。犬が落ち着くまで何もせずに待っています。犬の「調査」が終わったら優しく声をかけています。その行動が犬を安心させます。
■5. 犬社会のルールを知っている
人には人の社会でのルールがありますよね?同じように犬には犬の社会でのルールがあります。いきなり犬の体を触ることは犬社会のルール、マナーに反することです。
犬達を見ているとまず、おしりの匂いを嗅ぎあうことをしていませんか?昔から犬は群れで生きてきた動物です。そのためにとても社会的です。犬社会でのルールを重んじています。
犬は、たとえ顔見知りの人であってもいきなり体を触られることは好きではありません。そして触ってほしくないときには「カーミングシグナル」という犬からの警告を送っています。犬社会のルールをわかっている人には、犬は自然と近づいてきます。
■6. 犬の目線を適度に受け止める
私達人間は話をするときは「相手の目を見て」話しなさいと教わってきました。犬に対しても犬が好きすぎるあまり犬の目を凝視している人を見かけます。
犬の社会では相手を見つめ続けることは「ケンカ」勃発の危険が潜んでいます。犬同士の争いを防ぎたいときには犬は相手の犬の視線をそらします。これは人に対しても同じことが言えるのです。
愛犬の目を凝視したことはありませんか?飼い主さんとの信頼関係ができていれば犬は、すぐに目をそらすはずです。これは飼い主さんとは「ケンカ」したくないとの合図です。
犬の目線を真正面から凝視せず、適度な感覚で受け止めている人は犬に安心感を与えるようですね。
■7. 嫌な匂いがしない
犬はとても嗅覚の優れた生き物です。そのために人がいい匂いだと思っていても犬にとっては迷惑な匂いが多いのです。香水の匂いや柔軟剤の匂いは強い香りが多いので、犬は嫌がることが多いです。
柑橘系の匂いを嫌がる犬も多いのではないでしょうか?ミカンやレモンを鼻の先に持っていったことはありますか?ほとんどの犬が顔をしかめ、その場を離れてしまいます。
また、アロマやハーブ系の匂いも嫌う犬が多いです。以前、ハーブの香りで体調を崩してしまった犬もいました。また、たばこの匂いも嫌いです。
犬は自然な匂いの人を好みます。嫌な匂いが付いていないか確認しましょう。
■8. 心が優しい
性別や年齢を問わず、優しい人は犬だけではなく多くの人達からも好ましく映っています。犬も含めて動物には不思議な力があります。私達が見た目で「この人は優しい人」だなと思っていても犬は全然懐かなかったり、逆に「この人なんだか恐いな」と思うような人にすごく懐いたりすることもあります。
動物病院には強面の飼い主さんが多くいましたが、診察に来ていた他の犬達にすごくモテていました。その飼い主さんは犬と触れ合うときにはとても優しい口調で話しかけていました。
犬達は本当の優しさというものを読み取る力を持っているのでしょう。人間は見た目では分かりません。
■9. いつもポジティブでリーダーシップがある
いつもポジティブで笑顔を絶やさない人がいます。見ているだけでこちらも元気になりませんか?常にポジティブに物事を考える人は強い生命力さえも感じますよね?
犬は生命力が強い人を好む傾向があります。群れで生活をしてきた犬は生命力にあふれたリーダーがいれば、自分が生きていける可能性が高いからです。
犬の世界は上下関係がしっかりしています。弱いものは強いものに従いながら生きていくことを本能で心得ているのです。
しっかりとリーダーシップを発揮できる人は周りのことにもよく気配りもできて相手の気持ちを汲み取ってくれます。そんな人は犬にとってもたくましい存在なのです。
■10. 犬が好き
当然のことですが、そもそも犬が好きであるということです。犬は相手が自分を嫌っているなという感情をすぐに読み取ります。そのため、自分からもその人に近づかないし、興味も持ちません。無理に好きになってもらおうなんて思わないのです。
相手が犬好きであれば自然と声や表情、態度などに表われます。犬もそれを感じて警戒心も緊張も和らぐのです。
飼い主さんの中には自分の家の犬はかわいいけれど、他の犬はイヤという人もいます。そのような人の近くには他の犬は近寄ろうとはしないものです。
犬に好かれる理由は?孤独・オーラ・匂い?
犬は孤独な人を見つけると寄ってくるという話を聞きますが、本当なのでしょうか?結論から言えばはっきりとはわかっていません。
しかし、最近の研究により、犬に飼い主のストレスがうつってしまう、人間の感情を匂いで読み取れるとわかりました。
また、こんな報告もあります。鼻歌を歌っている人と泣いている人に対して犬がどんな行動をとるか?この結果は泣いている人に積極的に寄って行ったそうです。この行動は犬の「同情行動」ではないかと言われているようです。
またスピリチュアルな話をすれば、犬は人間よりも霊的エネルギーに敏感だと言えます。ただ、オーラの色ではなく雰囲気を読み取っていると言われています。優しく寛大な雰囲気のオーラを発している人には警戒心を持たずに近寄っていくのです。
そして「犬は臭いものが好き」と言われます。靴下を脱いだときなどに持っていって匂いをかいでいませんか?臭いけれど実は飼い主さんの匂いが大好きなのです。
初対面で犬に好かれる人・モテる人の特徴は?
犬と触れ合うときに大事なことは犬を「怖がらせない」ことです。
初対面から犬が近寄っていく人にはすべて共通点があります。
まずは必ず飼い主さんに犬を触っていいか許可を取っています。そのうえで、犬の目線までしゃがみこむのですが、決して正面ではなく犬と横並びになるようにしています。
犬の目の前に立つと犬が警戒し、恐怖を覚えることを理解しているので自然とこの動きができるのです。その時には優しく「こんにちは~」などと声をかけています。
触り方にも特徴があります。いきなり頭を撫でることはしません。知らない人の手が迫ってくると犬にとっては恐怖でしかありません。また、腰や尻尾も触りません。背後から触られることも犬は嫌がるのです。
まずは手の甲で匂いをかがせます。犬も許しを得たら顎下からゆっくりさするように触っています。犬が嫌がるようなら、無理強いはしません。犬の意思を尊重できる人がモテます。
犬に好かれてるサイン3個
■1. しっぽをブンブン回している
尻尾の振り方で犬の気持ちは違います。ブンブンとふりまわしていたら、あなたのことが大好きで一緒にいると楽しい嬉しい!という感情の表われです。顔の表情も嬉しそうに笑っているはずです。
■2. 犬と目が合ったときに耳が後ろに寄っている
ふと犬と目が合ったときに犬の耳が後ろに寄って、頭にくっつきそうな感じになっているのを見たことありませんか?
そんな時の犬はその人を気にしていて何か話しかけてくれないかな?と待っています。
■3. 笑顔になる
犬も笑います。犬は群れで生活していた動物です。群れの仲間とコミュニケーションを取り合う必要性があります。そのため、表情筋が発達しているのです。
笑顔が得意です。あなたを見て笑顔になっていたらそれは、「あなたが大好き」と言っています。
まとめ
犬に好かれる人は犬の気持ちを理解し、犬の嫌がることはしないものです。また犬と心で会話も出来たりします。相手を思いやる事ができる人を犬はよくわかっているようです。
犬はその人をよく観察し、自分に敵意がないか、信用できる人かを見抜く力をもっています。私達人間には計り知れない神秘的な能力があります。犬に好かれる人は犬と何かが共感しているのかもしれませんね。