※ペットトレーナー、ペット食育士資格などを持つ業界経験20年以上のライターが書いています。
なぜかいつも動物に好かれる人がいます。
なかにはこれまでに動物を飼ったことがない方や、獣医師として注射や治療などいわゆる動物に嫌がられることをしているにもかかわらず、どんな動物にも好かれる方もいます。
こんな姿を目にするとなぜ?と思ったり、羨ましく感じることもあります。
今回は動物に好かれたいという気持ちを持つ方のために、動物に好かれる人の特徴について説明します。
動物に好かれるのはなぜ?いい人?
動物に好かれる人は、周囲からいい人と認められがちです。動物に好かれる人は子供にも好かれる傾向もあり、周囲からは「いい人」はもちろん「優しい人」など様々な好評価を得ることになります。
でも中には自分自身は動物が好きにもかかわらず、動物には好かれない、警戒されると気になっている方もいるのではないでしょうか。
実は獣医師やトリマーなど動物のプロとして働くスタッフの中にもなぜか動物に好かれないと気に病んでいる人もいます。
自分が思うように動物に好かれない時、心のどこかで性格に問題があると感じたり、自分は本当は動物好きではないのではとモヤモヤした気持ちに包まれてしまいますね。
動物は本能的に瞬時で人間を見分け、動物のことを好きな人とそうでない人を見分けるといわれています。これは決して根拠のない言い伝えではなく、動物に関する様々な研究からも証明されています。ただ見分けるときの基準は決していい人かどうかではありません。
動物に好かれる人の特徴にはどんなものがあるのか。性格・オーラ・匂いなどが原因で動物にモテるのか、診断チェックできるようにひとつずつ説明します。
動物に好かれる人の特徴12個で診断チェック
動物はただ無暗に近寄る人間を選んでいるわけではありません。実は動物と仲良くなるにはコツがあります。このコツを知っておくと、今よりもっと動物に好きになってもらうことができます。これからもっと動物に好かれるようにぜひ次の項目を意識してみてください。
■1. 動物を刺激しない仕草
動物に好かれるということは、動物が安心して接することができる人という意味でもあります。どんなに自分が動物好きであってもその気持ちがそのままストレートに動物に伝わるわけではありません。
動物に好かれるためにはまず動物を驚かせたり、緊張させたり、不安を感じさせたりといった刺激を与えないことが絶対条件です。
動物が好きという気持ちが先走ってしまい、つい大声を出したり、はしゃいでしまわないよう心がけておきましょう。
■2. 動物に警戒心を与えない表情
動物に接するときは決して相手に恐怖や不安を与えてはいけません。たとえ人間の側が笑顔で優しい口調で話しかけていても動物は瞬時に相手の状況を見極めます。
つまり動物の前では作り笑顔は通用しないということです。自分に余裕がない時、目の前の動物に少しでも恐怖や不快感を感じる時は無暗に近づかないことが得策です。
人間でもあらゆる人間から必ず好かれるということはあり得ないのですから、動物との関係性も同じことです。
犬が好きな方を分析してみると、実は小型犬だけが好きで大型犬は苦手という方もいるでしょう。動物と人間にも好みや相性がありますから自分が心から受け入れることのできる相手と距離を縮めてみてください。
■3. 他動物の不快な臭いがしない
動物の嗅覚は人間の数千倍も敏感です。嗅覚と聞くと真っ先に犬を思い浮かべますが、実は犬よりも猫の嗅覚の方が高機能です。犬も猫も相手を見極めるときは嗅覚に頼っています。
動物に好かれる人の中には自宅で動物を飼っている、動物の扱いに慣れている、もちろん衣服や手指からは他動物の臭いがしている方もいます。にもかかわらず動物に好かれる人もいれば、動物を警戒させてしまう人もいます。
どんな臭いを受け入れ、どんな臭いを警戒するのかはそれぞれの動物次第ですから、必ずしも他動物の臭いが敬遠されるわけではありませんが、動物はこのような点からも相手を見極めているということです。
ただ動物はストレスや緊張を抱えると特有のホルモンや臭いを発します。この臭いを他の動物が嗅ぐと、その臭いの付いた人間を危険な存在や警戒すべき相手と受け止めることがあります。人間の嗅覚では嗅ぎ分けることのできないわずかな臭いですが、このような臭いが原因で動物に敬遠されてしまうこともあります。
■4. 過度な興奮などのない落ち着いた感情
動物を前にするとついテンションが上がってしまいます。ハイテンションの時、人間は特有のホルモンが分泌され、動物はこのホルモンの臭いも敏感に察知します。
人間には明確な理由がありテンションが上がっているのですが、動物には理由が理解できません。初対面にもかからずハイテンションで興奮状態にある相手を動物は警戒します。
逆に、過度な興奮を見せない相手であれば動物は危険が無いと判断し距離を縮めたり、甘えようと考えます。動物に接するときは相手が安心できるよう平常心でいることが大切です。
■5. スローな動き
どんな動物も素早い動きを警戒します。これは条件反射であって、野生の環境で身を守るために欠かせない習性です。
動物に好かれる人の多くは、動物が近くにいるときに俊敏な動きや落ち着きの無い行動はしません。たとえば家族の中だと、いつも家事や育児で慌ただしい母親や、元気いっぱいに走り回る子供よりも、年配の方やのんびりソファーで過ごす時間が多い人ほど動物に好かれているのではないでしょうか。
これは落ち着きのある人の傍にいることが動物の安心感につながるからです。好かれるには動物を呼び寄せるのではなく、ゆったりとした行動を心がけて接してみてください。
■6. 落ち着いた声質
動物は甲高い声を警戒します。犬は痛みを感じた時、キャンという甲高い声で鳴きます。甲高い声を出すことで周囲の仲間や群れに危険があることを知らせるためです。
小さな子供や女性の甲高い声を、動物は本能的に危険を知らせるサインだと感じて警戒してしまうことがあります。逆に落ち着いたのんびりとした口調で話しかけられると、危険が無いと安心して寄り添うことができます。
動物に接するとき、嬉しさからつい声が高く大きくなってしまうこともありますが、あえて声のトーンを落とす方法をおすすめします。
■7. ペットの扱いに慣れている
動物に好かれる人は動物の扱い方に慣れています。初対面の犬や猫に触れる時、いきなり頭を撫でると動物は危険を察知して身を反らせたり、警戒心をむき出しにしたりします。
犬に触れる時は、まず相手の目線よりも低い位置に自分の手を差し出し、相手に臭いを嗅がせましょう。動物の方に緊張や警戒がなければ、初めて体に触れることができます。
この手順を省き、頭に触れたり、抱き上げたり、飼い主がするような接し方をすれば当然動物から嫌がられてしまいます。
動物に好かれる人の多くは、どのような行動が動物に不快感を与えるのかを知っているので、そのような行動はとりません。
■8. 動物の感情を行動から読み取ることができる
犬は嬉しいことがあると尻尾を振ることは誰でも知っているでしょう。でも犬は警戒心や攻撃心をむき出しにしている時や相手を威嚇するときにも尻尾を激しく振ります。
同様に初対面の相手を前に、犬が身をかがめてじっとしているからといって、相手を好意的に受け入れているとは限らず、本心では極限状態にあり相手の様子をうかがっていることもあります。
また唸っているように思えても実は遊びに夢中になってテンションが上がっているだけということもあります。
動物から好かれる人の多くは、動物の表情や行動から動物の本心を的確に解釈できている人です。つまりこれ以上動物に近づいてもいいのか、体にふれてもいいのか、それとも動物が警戒しているので少し離れた場所で様子を見たほうがいいのか、瞬時に判断ができているのです。
■9. 突発的な動きをしない
動物は小さな子供が苦手です。理由は小さな子供は予測不能な行動をするからです。動物は自分が安全と判断した場所ではリラックスした気持ちで無防備で過ごしていたいものです。
突発的な動きをしない人、何か行動を起こす時に動物に一声かけてくれる人、動物相手であっても密なコミュニケーションを図ってくれる人を好みます。動物に好かれるには日ごろから言葉に出した密なコミュニケーションを心掛けてみてください。
■10. 好きという感情が自然とあふれている
動物は相手から発せられる好意の感情を察知することができるからです。好きという感情やそこから生じる行動や仕草には様々なタイプがありますが、動物に好かれるのは受け身なタイプです。
つまり動物を前にあまりに積極的にふるまったり、自分のペースで触れるのではなく動物の方から寄ってきてくれるまで待ってくれるタイプです。
このような気持ちの余裕が動物にも伝わり、自分から近づいてみよう、甘えてみようという気持ちになってくれます。
■11. キラキラ光る服装やアクセサリーを身に着けていない
意外に思われる方も多いでしょうが、キラキラ光る服やアクセサリーを動物は警戒します。キラキラした光は動物の目を想起させ、実は他動物が隠れているのではなどとあり得ない想像をしてしまうのです。
動物を接するときはこのようなアクセサリーなどを外しておくと仲良くなれる確率も高くなります。
動物は色合いにはさほど関心はないので、カラフルな洋服は問題ありません。それよりもひらひら揺れる装飾や肌触りの悪い素材などを苦手に感じることもあります。
■12. 動物を前に緊張していない
人間は無意識ながらも緊張すると特有のホルモンが分泌されます。このホルモンには特有の臭いがあり、動物がこの臭いを感知すると相手が緊張状態にあることに気がつきます。
当然動物側も相手の緊張につられて緊張感を抱いてしまうので、お互いの関係性もぎくしゃくとします。
動物に好かれる人の多くはこの緊張感を抱かずに動物に対面したり、接したりできる人です。動物に接するときはぜひリラックスした気持ちでいてください。
動物に好かれる人と嫌われる人・好かれない人の違い
動物に好かれる人の特徴を挙げましたが、その内容を守っても好かれる人と好かれない人はどうしても出てきてしまいます。
例えば、トリミングショップでよく起きることとして、あるトリマーが犬を抱き上げた時は暴れて吠えていたものの、別のトリマーに担当が変わると、まるで別犬のように従順で甘えん坊な様子を見せてくれます。
これを何とかしたいと思っても、残念ながら100%正解といえる解決策はありません。
原因不明という結論が大多数です。このような時、「オーラ」や「相性」という言葉がよく用いられます。理屈だけでは説明できないこともあります。
初対面でも動物に好かれる人は?
動物が初対面の相手を前にまず考えることは、危険がないかどうかということです。つまり相手は自分はもちろん一緒にいる飼い主にも危害を与える可能性があるかどうかを動物はまず考えます。
この判断はほんの一瞬のことで、じっと動物が相手の姿を観察するわけではありません。動物と仲良くなるには、第一印象が何より大切です。一瞬でも悪い印象を与えてしまうと、動物は常に緊張を警戒を抱き続け、なかなか相手との距離を縮めてはくれません。
つまり動物に初対面で好かれる人は、動物に与える第一印象が良く、動物が危険が無いと判断した人のことです。
動物が好きな人は大好きな動物に会えると、ついテンションが上がってしまい甲高い声を出したり、積極的に触れようとすることもあります。
でも動物は人間よりも何倍も警戒心が強いので、初対面の他人にそのような行動をとられれば当然不快に感じます。動物にも初対面の挨拶や距離の取り方があることをぜひ知っておいてください。
まとめ
動物好きな方なら誰もが動物に好かれたい、仲良くなりたい、懐いて欲しいと思うものです。もし動物に嫌われていると感じてしまうことがあれば、ぜひ動物と接するときの行動を上記で見返してみてください。きっと関係が改善できるはずです。