普段何気なく座っていますが、実は座り方にはさまざまなパターンがあり、名称もついています。しかも、座り方は人の心理状態の影響を大きく受けるんですよ。
そこで今回は、座り方の種類を徹底解説!座り方による性格や心理状態もお話しします。
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床の座り方の種類15個
まずは、床に直接座る場合の種類について、詳しく解説していきましょう。
■1. 正座(せいざ)
姿勢を正し、膝を折り曲げ足を崩さない座り方。最も礼儀正しい床の座り方です。しかし、座り方の歴史はさほど古くなく、江戸時代初期から始まったと言われています。正座から立ち上がるまで時間がかかるため、相手に攻撃の意志がないことを示すための座り方という説があります。
床に座って食事をする際のスタンダードな座り方でもありますが、圧がかかり、少なからず負担になります。プライベートなのに正座を長時間する人は、やや硬い性格で、「礼儀正しく誠実に見られたい」「ビシッと座ってしっかりした人に見られたい」という心理があります。
■2. 跪座(きざ)
正座の状態でつま先だけ立て、かかとにお尻を乗せる座り方。正座よりも座ったり立ったり、方向を買えたりなど動作をスムーズにできます。また、正座よりも背筋がスッと伸びやすく、姿勢やスタイルを良く見せてくれます。
■3. 片膝立て(かたひざたて)
片方の足だけ前に出し、膝を曲げて足の甲を床に付けた座り方。「エジプト座り」とも言います。現在は行儀が悪い座り方とされていますが、日本ではもともと片膝立てや胡坐がスタンダードでした。特に立膝立ては立ち上がりの動作がスムーズで、武士が好む座り方だったと言われています。
男性が片膝立てをしていた場合、実は相手に対して少なからず緊張状態です。と言っても敵視しているのではなく、「格好良く見せたい」「下手な態度をとって嫌われたくない」という好意のケースが多くなります。
■4. 歌膝(うたひざ)
歌膝は、片膝立てと似ていますが、胡座を崩したような形で、リラックスした状態の座り方です。歌人が紙を持ち、歌を考えるときのような座り方ということで、「歌膝」という名前が付けられています。
■5. 横座り(よこすわり)
重心が左右どちらかに偏った正座。女座りとも言います。座り方に「女」が入っているのは、実は男性は筋肉量や体の固さの関係で、横座りできない人が多いからです。そのため、男性は横座りの女性をとりわけ「女性らしい」と感じる心理があります。
しかし、女性が横座りをするのは、同じ姿勢をキープするのに疲れたときがほとんどです。中には確信的にあざとく男性にアプローチする目的の女性もいますが、少数派になります。
■6. 割座(わりざ)
正座の両端を外側に外し、お尻を床に付けて足がMのような形になった座り方。体重場広く分散されるので、正座よりも足への圧迫が少なく楽です。
女の子座りぺたん座り、あひる座り、鳶座り(とんびすわり)とも言います。横座りと同じく、男性にとっては難しい姿勢です。
■7. 胡坐(あぐら)
足を前で組んだ座り方。行儀の悪いイメージがありますが、江戸時代より前の日本ではスタンダードな座り方でした。安座(あんざ)とも言います。
男性の胡坐はかしこまった場ではない限り、今でも最も自然な座り方です。リラックスした心理状態と言えるでしょう。一方、女性の胡坐は「はしたない」というイメージで、余程気心の知れた相手の前ではない限り、別の座り方をします。
■8. 半安座(はんあんざ)
足を組まない胡坐のこと。ヨガで良く見られる座り方です。
■9. 体育座り(たいいくすわり)
日本人なら誰もが知っている、学校で床に座る際の定番姿勢。お尻を付けて膝を三角にして腕で抱えた座り方。体操座り(たいそうすわり)三角座り(さんかくすわり)とも言います。
昭和40年に当時の文部省学習指導要領の補足で「腰をおろして休む姿勢」として記載。その後全国の学校で広まりました。しかし、膝を抱えて座ると内臓が圧迫され、しかも腰や座骨へも負担がかかります。「お尻が痛い…」と思った人も多いでしょう。特に体の大きな人にはしんどい座り方です。
大人になってから体育座りする人は、不安や緊張の心理があります。体育座りで体をキュッと縮ませ、外敵から心身を守ろうとしているのです。
■10. ヤンキー座り(やんきーすわり)
かかとを床に付けて、お尻は浮かせた状態でしゃがむ座り方。膝は開いた状態で、和式便座で用を足すときのポーズと同じです。うんこ座り、抱え膝(かかえひざ)とも言います。
屋外でちょっと疲れてしゃがみたいけど、お尻を付けると汚れてしまうような場所では、必然的にヤンキー座りになりがちです。
■11. 蹲踞(そんきょ)
つま先だけで体重を支えているヤンキー座り。しかし、武道では礼儀正しい座り方でもあります。相撲や剣道では、試合前に相手と蹲踞の姿勢をとって向かい合うのが作法です。
■12. 長坐位(ちょうざい)
足を前に伸ばした座り方。お尻と腿からかかとまでが床にぺたんとついた状態です。投げ足(なげあし)とも言います。
リラックスしたときの座り方ですが、背中に何も寄りかからず投げ足の姿勢をキープするのは、実は背筋と腹筋が必要です。
■13. 半坐位(はんざい)
長坐位で上半身を45度程度の角度でリクライニング等に寄りかかった座り方。「ファーラー位」とも言います。
主に医療や福祉の場で使われる座り方で、腹部の臓器の肺への圧迫を軽減する効果があり、呼吸機能の改善や、食事の逆流、誤嚥防止を目的として用いられます。
■14. 結跏趺坐(けっかふざ)
胡坐のような姿勢で、両足を腿(もも)に乗せた座り方。仏教の座禅やヨガの瞑想の際に使われる座法です。
重心をとるために自然と背筋が伸びます。両足を深く組むので、体の固い人には辛い座り方でしょう。
■15. 合蹠座(がっせきざ)
胡坐のような姿勢で、両足の裏をピッタリ合わせた座り方。ヨガでは「靴職人のポーズ」と呼ばれています。
ストレッチ効果が高く、続けることで柔軟性が高まり骨盤のゆがみが改善されたり、血行が良くなったりする効果が期待できます。
椅子の座り方の種類5個
椅子の座り方について解説します。
■1. 端座位(たんざい)
上半身を垂直に起こして座り、膝を曲げて足は床にしっかりついている状態。椅子に座るときの基本的な姿勢です。姿勢を正した端坐位は、体への負担もなく、行儀の良い座り方になります。
■2. 仙骨座り(せんこつすわり)
端坐位で背中を背もたれに預けている状態。椅子に対して座り方が浅く、ずり落ちそうにも見えます。
背もたれに体を預けているので楽に感じますが、姿勢が悪く腰への負担も大きく、健康のためには好ましくない座り方です。また、周囲に対してだらしない印象を与えてしまいます。
■3. 膝をピッタリつけて足を揃えた端坐位
端坐位の中でも特に礼儀正しく見える座り方です。女性の場合、ビジネスシーンでは膝を付けて足を揃えた端坐位は、当たり前のマナーになります。
女性のプライベートでの足を揃えた端坐位は、相手を敬う気持ち、あるいは自分を綺麗に見せたい心理があります。
一方、男性の場合、足をぴったり閉じる姿勢はとても辛く、かしこまった場で足を閉じても、膝には少し隙間があるのが一般的です。男性が膝をピッタリつけて座っている場合、強い緊張や不安を感じています。
■4. 足を開いた端坐位
力を緩めて端坐位をすると、足が開くのが自然ですよね。男女ともに、周囲の目を特に気にせず、リラックスしているときに良く見られる座り方です。
ただし、男性が不自然な程大きく足を開いた端坐位をしている場合は、自分を大きく見せて誇示したい心理があります。相手に対して「自分の方が上」というアピールの姿勢です。
■5. 足を組んだ端坐位
足を開いて座ると姿が悪く見える…という場面で、良く使われる座り方です。足を組めば姿勢が固定できるので、足を閉じた端坐位よりキープが楽になります。
落ち着いた雰囲気で足を組んでいるなら、リラックス状態です。相手に心を許しているのでしょう。一方、そわそわと落ち着きがなく、何度も足を組み替えるようなら、何かに緊張しています。場合によっては、一緒にいる相手への不信感の表れかもしれません。
まとめ
改めて座り方を調べると、意外な歴史があったり、体への効果や負担があったりするのがわかります。日常的に座っているからこそ、少しだけ座り方を意識すると、心も体もより一層健康的になれるでしょう。