ベタはオスとメスで特徴に大きな違いが複数あります。成熟したベタになると判別することが簡単になりますが、稚魚のうちは特に判別が難しいです。判別を怠ってオスとメスを同じ水槽に入れておくと喧嘩したり、数が増えすぎたりして危険です。
今回はオスとメスを簡単に見分ける方法をご紹介します。ぜひ最後まで見てください。
ベタのメスの特徴
生後1か月未満の稚魚では差が見られませんが生後2か月以降のメスは、オスよりヒレが小さく体が太いということが一番の特徴です。
これはオスより攻撃性が低く卵を産むので、産卵管や卵巣を持っているためです。攻撃性が低いため、メス同士での混泳は可能ですが、色がオスより鮮やかではなくヒレが小さいため推奨されていません。
その他にもお見合いの際にメスはオスから追いかけられ求愛されます。求愛されるときはメスの方もヒレが傷つくことがあります(オスほどではありません)。
卵を産んだ後はオスに卵や稚魚の世話を任せるのでメスは泡巣の近くには近づきません。産後は自由気ままに泳ぐのがメスの特徴です。
ベタのメスとオスの見分け方9個
■1. ヒレの大きさを見る
オスとメスを見分ける際の基本となるのがヒレの大きさです。オスはヒレが体の2倍以上大きくなり垂れ下がっていることが多いのですが、メスに関してはヒレが体より小さいか同じくらいの大きさにしかなりません。
・ヒレが大きい→オス
・ヒレが小さい→メス
種類によってはオスでもヒレが小さくメスと見分けがつきにくい個体もいるので、そういう場合はこれから紹介する他の見分け方も確認する必要があります。
■2. 体色を見る
ヒレの色に関してはオスメス両方とも鮮やかですが体色は微妙に違って、オスの方が明るく鮮やかで、メスは少しくすんだ色をしています。
スーパーレッドなど単色の種類だと原色が濃く体色で見分けることが難しいので、ヒレの大きさなどと一緒に確認する必要があります。
ちなみにメスはストレスを与えると色が鮮やかになってきます。相手を威嚇して色を綺麗に見せようとするためです。体色が鮮やかなメスを飼っている方は飼育環境の改善をした方がいいです。
■3. 体型を見る
オスは細くスリムな体型をしていてメスは太いです。これはメスが卵巣を持っているからです。卵巣を持っている分太く見えます。
またオスの体長は長く、メスは短いです。オスは良くフレアリングなどで体を大きく見せようとしますが、そのためだといわれています。メスはフレアリングをあまりしないので泳ぎやすい短い体になっています。
・細長い→オス
・太い→メス
■4. 産卵管を見る
メスのお腹には産卵管を確認することが出来ます。産卵管は名前の通り卵を産む場所で見た目は白くて丸いです。
産卵管はヒレが邪魔で確認するのが比較的難しいです。ポイントは空気を吸う時や餌を食べる時に水面に上がってくる瞬間に確認することです。ベタが上を向くときが確認しやすいです。
また、産卵管は成熟した個体ではないと確認することが出来ない場合もあります。生後1か月を過ぎた個体で確認してみてください。
■5. 卵巣を確認する
先ほども紹介しましたが、メスは卵巣を持っているため体がオスに比べると太いです。卵巣の場所は、エラの横辺りで、産卵管も近くにあります。メスは卵巣があるので正面から見ると頬が膨らんでいるかのような見た目をしています。
気を付ける点は、太ったオスもお腹が膨らみ産卵管があるかのように見えることです。餌はほどほどにあげるようにすることが大切です。
■6. エラ下のヒレを確認する
オスメス両方ともエラの下にヒレを持っています。他のヒレは体色に近い色をしているのに比べ、エラの下のヒレは少し茶色がかった色をしています。
このヒレが大きいのがオスで小さかったりエラに隠れて確認できない個体はメスです。
メスの場合はこのヒレが小さすぎてエラを閉じていないと確認できない場合がありますが、オスはエラが開いていても確認することが出来ます。
■7. 鏡を使ってフレアリングさせる
ベタは攻撃的な魚で他の魚がいるとフレアリングというヒレを広げて体を大きく見せ威嚇する行動をしてきます。メスもたまにフレアリングしますが、オスは鏡を近づけると他のオスが来たと勘違いしすぐにフレアリングしてきます。
飼い主が近くに行くだけでもフレアリングをしてくるオスの個体もいるので、頻繁にフレアリングする個体はオスと判断できます。フレアリングはストレスを与える原因にもなるので気を付けましょう。
■8. 他のオスが入った水槽を隣に置いておく
こちらも鏡を使ってフレアリングさせる方法と似ていますが、他のオスが入った水槽を隣に置いておくことで確認したい個体がオスの場合はフレアリングをしてきます。
確認したい個体がメスの場合はオスを無視して泳ぎます。この方法の良いところはもし確認したい個体がメスの場合はペアリングさせるチャンスになるということです。
■9. 泡巣の確認をする
オスは卵や稚魚が生まれると世話をします。なので世話をするための泡巣を作る習性があります。泡巣とは大量の泡の塊で水面に浮かんでいるものです。この泡巣を作る姿が確認できた個体はオスということになります。
ベタのメスは泡巣は作る?
ベタのメスは泡巣を作ることはありません。泡巣は卵が流されないようにするためや稚魚の世話をするために作られるもので、卵や稚魚のお世話役のオスが作るものです。
ですのでメスとオスを見分ける際にも泡巣を作るかどうかが判断材料になったりします。
ベタが泡巣を作らずメスかオスか判断できない場合は、体力が不十分の可能性やメスとオスの相性が悪い可能性があるので、餌を与える頻度を上げるなど対策が必要です。
ベタのメスの性格
ベタは「闘魚」と呼ばれ喧嘩をよくする攻撃的な性格の魚です。メスとオスを比べるとメスの方がおとなしい性格をしています。ですので繁殖の際にオスと混泳させるとオスから追いかけ回される姿をよく見ることが出来ます。
しかしベタにも個体差がありますからオスより性格の強いメスがいることもあります。その場合メスがオスを追いかけることもあります。メスのヒレは小さいので傷つくことが少ないですがオスのヒレは大きいので傷つきやすいです。
また、種類によっても性格が違い、フレアリング時に大きくヒレを広げることが出来るフルムーンや原種に近いワイルド種などのメスは気性が荒い傾向にあります。
ベタのメスは強い?暴れる?
ベタのメスは体が小さい分、泳ぎがうまく暴れることがあります。ヒレも小さいので丈夫で体が強いです。オスから追いかけまわされてもヒレが傷つくのはオスの方です。子育てもオスが全部するので繁殖後の生存率はメスの方が圧倒的に高いです。
またよくベタを飼っていると「水槽から飛び出した」という話を聞きますが、ほとんどがメスです。オスから逃げようとして飛び出すこともありますし普通に泳いでいる勢いで飛び出すこともあります。
そのため、メスを飼う際は水槽に蓋をすることを忘れないようにします。稚魚の間はメスかオスか判断しづらいので注意する必要があります。
ベタのメス同士は喧嘩・威嚇する?
メス同士でも喧嘩や威嚇をします。繁殖の際や繁殖後にオスと隔離してメスだけの水槽を作ることがあると思いますが、メスだけで混泳させていてもフレアリングをしたり、弱いメスが強いメスから追いかけまわされているところを見ることが出来ます。
もちろん弱いほうのメスはヒレがボロボロになっていくのでその時は隔離して療養してあげる必要があります。
メスだけで飼うことは少ないと思いますが、もしメス同士で混泳させることがあるときは、まずは仕切りを作ったり水槽を分けて隣同士で置くなどして慣れさせてから混泳させるようにします。
まとめ
メスは泳ぎがうまくフレアリングもするのでヒレの大きなオスと違ったかわいさを見ることが出来ます。性格も比較的おとなしめなのでヒレが傷つくこともあまりなく長生きしてくれます。
今回ご紹介した内容を抑えて是非メスのベタの飼育にもチャレンジしてみてください。