最近ベタが有名になってきています。熱帯魚を飼いたいという方も、ベタがきっかけではないでしょうか。大きくてきれいな見た目をしていて魅力的ですよね。それに人に慣れるので他の魚に比べて愛着がわき、最後までしっかり飼うことが出来ます。
そんな可愛いベタの飼い方と注意点を、今回は紹介していきます。ぜひ参考にしてベタを元気に長生きさせてください。
熱帯魚ベタの生態と特徴は?
ベタの原産はタイで、きれいな見た目とは裏腹に、自然界では水田などで昆虫を餌にして生活しています。
ラビリンス器官というエラ呼吸の補助をしてくれる器官があって、そこで空気呼吸ができ、低温にも強いので、水田などでも生活が出来ます。飼っていると水面に頭を出し空気呼吸しているところを見られます。
またオスとメスで見た目が全然違い、オスはヒレが大きく喧嘩の際にその大きなヒレを広げて喧嘩します。メスはヒレが小さいですが、オスに比べて性格が荒く、オスを襲ったり自分の子供を食べたりします。このようにオスもメスも喧嘩ばかりするので闘魚とも呼ばれています。
単体飼いをする場合はヒレが大きなオスを飼う方が多いです。また、色が鮮やかなところが特徴的で個体により色の種類が多くどれもきれいな色です。見た目と性格のギャップも魅力の一つです。
さらに人に慣れやすい魚です。餌の時間には人に反応して近寄ってくるので愛着がわきます。
ベタの寿命
寿命は、3~5年と言われています。ベタはボトルアクアリウムでも飼うことが出来るほど飼育環境が幅広く、水質や温度調整をしっかりすることで寿命を延ばすことが出来ます。
ベタを飼うのは初心者でも簡単?難しい?
ベタを飼うことは初心者でも簡単です。理由は低温に強く、ラビリンス器官があり水中の酸素濃度の管理が簡単で、飼育環境の広さに制限がないからです。
熱帯魚は名前の通り低温に弱いイメージがありますが、ベタは野生では水田で生活しているくらい低温に強い種類です。なのでヒーターを準備する必要がありません。冬は日光の当たる暖かい場所に水槽を置きましょう。
酸素濃度については薄くなると水面に頭を出して酸素呼吸をするのでエアーポンプを準備する必要がありません。飼育環境の広さについてはビンで飼うボトルアクアリウムが可能で小さい環境から大きな水槽まで幅広く飼うことが出来ます。
大きな水槽を準備する必要がなく初期費用を抑えられる点でも初心者に優しいです。
ただ他の種類の熱帯魚との混泳はベタが襲ったり喧嘩したりするので、混泳する魚種の選別が難しいです。生活する水位の違いなどを考えて混泳させる必要があるので気を付けないといけません。
ベタを飼うときの水槽・フィルターは?
ベタ1匹に対して45cm水槽で飼うことをおすすめします。ビンなどの小さい入れ物で飼うことも出来ますが、長生きさせるためには水槽を用意してあげましょう。
またベタ同士で喧嘩をするため基本的には1匹飼いをします。繁殖を考えて2匹飼う方は60cmほどの大きな水槽を用意してあげると良いです。
フィルターに関しては静かなものを選ぶと良いでしょう。というのもベタは水流が苦手です。フィルターの流れが原因でオスのヒレがボロボロになったり、吸い込まれたりして病気やケガの原因になる可能性があるからです。
ベタの飼育に必要なもの
最低限必要なものは、水替え用のポンプとバケツ、餌、水温計です。
水質を保つためにも水替えはこまめに行うと良いです。餌や水温系はペットショップに売られています。ベタ用の餌もありますのでそれを選びましょう。
あるといいものは冬の時期に水温を調整するためのヒーターです。ある程度の低温に耐えますが準備していると便利です。
オスとメスを混泳させる場合はメスがオスを攻撃するのを防ぐために最初は仕切りをして様子を見る必要があり、その仕切りが必要です。繁殖に成功した場合はメスが卵や稚魚を襲わないようにするための別水槽や仕切りが必要になります。
ベタの水温は?冬はヒーター必要?
ベタは低温に強い熱帯魚なので、18度~28度までの範囲で飼育が可能です。そのうち、24度~26度が最もベタが生活しやすい水温です。ちなみに一般的な熱帯魚の適正温度が、22度~28度なので低温に強いことが分かります。
ヒーターをつけていないと冬場は水温が下がりますので温度計をつけて18度を下回りそうなときにはヒーターを準備する必要があります。
ヒーターを使うときの注意点として熱を発する部分が露出しているヒーターを使うとベタは泳ぎが下手なのでヒーターの上で休憩しようとしてやけどをする恐れがあります。露出部分が少ないヒーターを使うか露出面を隠すようにして使うと良いでしょう。
ヒーターの準備が出来ないときは飼育場所を日光の当たる場所や暖房を入れた部屋にして水温が下がりすぎないようにします。特にボトルアクアリウムをしている方は水温管理が難しいので気を付けないといけません。
ベタにおすすめのエサ
ベタのエサはペットショップや100円ショップに売っているベタ専用のエサを与えます。ベタに適した栄養素が含まれているので専用のエサが一番いいでしょう。
沈むエサは食べないので良く浮き、溶けづらく水が汚れないようなエサを与えるのが良いです。野生では昆虫などを食べているのでたまに赤虫をあげると、栄養が高まります。ただ、赤虫は食いつきが良いのですが、与えすぎると「糞詰まり」や「消化不良」を起こしてしまうので適量を与えましょう。
ベタのエサで人気の商品は「ヒカリベタアドバンス」という商品で食いつきもよく栄養素もばっちりです。また、1か月に一回、生餌としてブラインシュリンプという甲殻類をあげるのも元気に育てるのに効果的です。骨や顎を丈夫にすることが出来ます。あげすぎるとブラインシュリンプが増殖するので少しずつ与えます。
ベタの水換え方法
ベタの水槽は他の熱帯魚と同じ方法で水替えをします。まず、スポイトを使って底に落ちている糞や餌の残りを吸い取ります。次に水槽の3分の1ほどの水を用意しカルキ抜きをします。
次に水槽の水を、3分の1捨てます。この時ベタを流さないように慎重に行います。最後に新しい水を少しずつ水槽に入れて水替えが完了になります。
なぜ3分の1ずつ水を換えるのかというと、全部の水を換えるとベタが生活している水質を一気に変えることになり最悪の場合、死なせてしまうかもしれないからです。
水替えの頻度は水槽によって違いますが底に糞や食べ残しが目立ちはじめたり、水の色が黄ばみ始める前に行うのがベストです。黄ばみ始めてからでは遅いです。今回紹介した水替えの方法は有名で一番いい方法とされているので覚えると良いでしょう。
ベタを飼う時の注意点7個
■1. メスがオスを攻撃するときがある
繁殖を考えメスとオスを混泳させるときは、メスがオスを攻撃するときがあるので要注意です。最初は水槽に仕切りを作り、2匹が慣れるようにしてから仕切りを外すことで、オスが攻撃される確率を下げることが出来ます。
オスのヒレがボロボロになっていたりオスがメスから追いかけまわされているのを見かけたら、メスから攻撃されている可能性があるので、また仕切りを作り距離を空けるようにすると良いでしょう。
また、狭すぎる水槽にメスとオスを入れておくのは喧嘩をするきっかけを作っているようなものなので、なるべく広い水槽に入れてあげて隠れ家となる水草を入れると効果的です。水草はベタの休憩場所としても使われます。
■2. 混泳が不向き
ベタは闘魚なので、すぐに他の魚を攻撃します。グラミーなど同じ水位で生活する魚との混泳は喧嘩の元なのでおすすめできません。混泳させるときはコリドラスなど底を生活水位とする魚やレッドシュリンプにすると喧嘩が起きずに平和な水槽が出来上がります。
ベタが休憩する用の大きな水草や流木を入れておくと、コリドラス達の隠れ場になるので一石二鳥です。
ベタのメスがオスを攻撃すると説明しましたがオス同士、メス同士でも喧嘩をするのでオス、メス関係なくベタ同士の混泳も注意が必要です。
オス同士で喧嘩するときは、ヒレを広げてきれいですが、それを見たい方は仕切りをしましょう。ちなみに威嚇している様子を「フレアリング」といいます。
■3. 流れを作らない
ベタは泳ぐのが他の魚に比べると下手です。なのでエアーポンプやフィルターを設置すると流れが出来てあまり好ましくない環境になってしまいます。
フィルターを使用する場合はあまり流れが出来ない静かなものを使います。フィルターの給水口に吸いこまれる事故が起きる時もあり危険です。
水質が気になりフィルターを付けたい方は給水口に仕切りをつけ、吸い込み事故が起きないようにすると良いでしょう。
エアーポンプに関しても水槽内に流れが出来やすいので準備しなくても大丈夫です。ベタは酸素呼吸が出来るのでエアーポンプで酸素濃度を上げる必要がないのです。どうしても気になる方は酸素供給をしてくれる底石が売られているので試してみてください。
■4. 水深を深くしすぎない
泳ぎ疲れたベタが底に落ちて休憩したとき、水深が深すぎると酸素の補給で海面まで上がるのに体力を使いすぎてベタが疲れてしまいます。
無駄な体力を使わせないためにも水深は深すぎないようにしましょう。一番深くしても20cmほどにとどめると良いです。そうすることで元気に長生きしてくれます。
またベタが底まで落ちないように止まることが出来る水草や流木を用意してあげるとベタにとっても安心できる場所となり、鑑賞としてもきれいな水槽が出来上がります。縦長より横長の水槽が適正です。おすすめの水槽は、以下のような商品です。参考にしてください。
■5. ヒレやお腹の様子でこまめに健康診断する
オスはヒレが大きく、病気にかかったりストレスを感じると、ヒレがボロボロになります。ヒレがボロボロになったのを確認した場合はメスから攻撃を受けたのか、それとも何かの病気にかかったのかを判断して対策を打つ必要があります。
ボトルアクアリウムをしていてヒレがボロボロになったことを確認した場合は、生活環境が狭すぎてストレスで暴れている可能性があるので少し大きめのビンを用意してあげると改善できるかもしれません。
またオスとメスに関して共通の着目点としてあるのは、お腹が不自然に大きくなったり白い糸が体についている場合です。この場合、水質が悪くなっているという証拠なのでベタの治療をして水質の改善に努めないといけません。
■6. 稚魚を育てる用の道具を用意する
メスのベタは卵を水面の角や水草の周りに隠します。卵が孵化するまでは大事に育てるのですが、孵化し稚魚が生まれるとその稚魚を食べてしまいます。
ですので卵を確認したら同じ水槽内で仕切りを作り、大人のベタと隔離する必要があります。稚魚用に隔離する道具はペットショップに売られているので探してみてください。
また、ベタは泳ぎが下手で、エアーポンプやフィルターを付けている水槽では、稚魚が吸い込まれやすいです。それを防ぐためにも隔離用の道具は必須になります。
隔離用の道具を使うと水槽が狭くなるので小さい水槽だと、飼育が不可能になる可能性があります。少し大きめの水槽か別水槽を準備しておくことをおすすめします。
■7. 水槽から飛び出ないようにする
これはベタだけに限った話ではないのですがmベタも勢いが余って水槽の外に飛び出る可能性があります。ベタは泳ぎが下手ですがジャンプ力があります。
水面から水槽の上までの距離を7cmほど空けることで飛び出る事故を減らすことが出来ます。7cmも空けると水深が浅くなるという水槽には、飛び出し防止の蓋をつけることをおすすめします。
仕切りをしていたり、ボトルアクアリウムをしていると飼育環境が狭くなるため、ベタの飛び出る事故が多くなります。朝起きたらベタが床で死んでいたということがないようにしましょう。
ベタの値段・価格
店頭で並んでいるベタは「ショーベタ」という種類で、1,000~1,500円前後で飼うことが出来ます。
意外と安いですが、ベタの種類やブリーダー、野生種によっては10,000円を超えるものもいます。また、ベタのコンテストも行われており優勝魚になるとさらに高額で取引されている個体もいます。
ペアで売られていることもありペアだと2,500円前後の値段がつけられています。
最初はショーベタを飼ってみて他の種類のベタやブリードに興味を持ったら値段の高い種類のベタを飼ってみるのもおすすめです。
ベタの複数・多頭飼いはできる?
ベタの複数・多頭飼いは出来ます。ただメスはオスを攻撃し、オス同士やメス同士でも喧嘩をするので仕切りを作ったり、大きな水槽を準備する必要があります。
特にメスは卵を産むときに狂暴になりオスを攻撃するようになるので、多頭飼いを始める時と繁殖時期には水槽を分けるなどして対策しなくてはいけません。
一番良いのがペットショップでペアとして売られているベタを飼うことです。このベタたちは長い時間近くにいて、お互いに慣れているので喧嘩をする確率が低くなっているからです。繁殖確立も高いので複数・多頭飼いを考えている方はペアとして売れらているベタを飼うと良いです。
ベタの屋外飼育は?
ベタの屋外飼育はおすすめできません。理由は水温の調整が難しいからです。夏場は直射日光により水温が上がり冬場は水温が下がります。
また1日の間でも昼間と夜では水温の差があるのでベタの体調が悪くなり餌を食べないようになり衰弱して死んでしまいます。
人間も気温の差で風邪をひきますがそれと同じです。水草の成長にも影響があり、それが原因で水質悪化が起き病気にかかります。
その他にも目立つ見た目をしているのでカラスやスズメ、猫から狙われやすいです。よって、ベタの屋外飼育はおすすめしません。
まとめ
ベタ飼育は注意点も沢山ありますが、準備しないといけない飼育設備が少なく、飼育環境は狭くても飼うことが出来るので、初心者の方でも簡単に飼うことが出来る熱帯魚です。
闘魚なので多頭飼いだけは注意してください。ぜひ本記事を参考にベタ飼育を始めてみてください。