手相には惑星や衛星名が付けられた「~環」と呼ばれるものがあります。「~環」は、掌の様々な場所に弧を描いて刻まれる線で、月丘なら月環、第一火星丘なら火星環、水星丘なら水星環、木星丘なら木星環、金星丘なら金星環、土星丘なら土星環、太陽丘なら太陽環というものになります。
この弧を描いている線には、見極めの難しいものや、似たような手相が何種類かあります。また解釈の仕方が、説によっては大幅に違うものがあります。
その代表的なものが「火星環」になります。火星環は謎の多い手相としても知られていますが、基本的には、トラブルを機に新たな展開になり運勢を切り開くことができるとされます。
それでは、この火星環の意味と見方について説明していきます。
手相占いの火星環とは?形と意味
火星環は、親指の付け根と生命線の始点の間の領域の第一火星丘から、中指の付け根の領域の土星丘に向かって、緩やかな弧を描いている線を指します。第一火星丘は闘争心、積極性、決断力、行動力を、土星丘は努力、勤勉などを司るとされています。
これらをつなぐ火星環が現れていると、混乱や災いの中から幸運をつかむとされています。自然災害や戦争などから這い上がって運勢を切り開くことが考えられます。時代の変革期に成功がつかめるはずです。ただ必ずしも災いや不遇の状態から逆転するばかりでなく、通常の成功者にも現れるとされます。
この線は太ければ太いほど意味合いを強調することになります。また火星環は、運命線の変形、災難線の変形、性愛線などと様々な解釈がされる線で、謎の多い線でもあります。
火星環と千金紋の違い
生命線の付け根辺りから土星丘に向かって線が弧を描いていることがあります。一見すると火星環のようですが、火星環に非常に似ている千金紋になります。
その一番の違いは始点で、線の始まりが生命線と同じ位置になります。
千金紋は「成り上がり線」とも呼ばれ、どん底から成り上がったり、極貧からお金持ちになるという強運をもたらします。先天的ではなく、後天的な努力によって得られる手相として知られています。努力を惜しまず、かなりの野心を持って財が築けるとも言われています。
また現状、掌に千金紋が現れていなくても、土星環寄りの運命線の変種でもあるので、努力を重ねていくうちに徐々にしっかりとした千金紋が現れるとこともあります。
1. 火星環が二重
火星環が二重になっていることがあります。この場合、最悪の状態から這い上がる力が人一倍強いことになります。何事も積極的に行動し、普通の人が音を上げる様な不遇から、幸運をつかみ取ることが考えられます。
未曽有の大災害に見舞われて財産をなくした状態から、血のにじむような努力を重ねて、財を築き大きな幸せを手にすることもあります。諦めない粘り強さがあります。世の中がマイナスのイメージを抱いているものをプラスに変えてしまう底力も持ちます。
一度高みに上り詰めて落とされても、必ず再起を果たし、再び頂点に立てるはずです。努力を積み重ねていくうちに、当初1本だった火星環が2本になり、努力が予想以上に大きく実を結ぶこともあります。
2. 火星環が複数ある
火星環が複数現れていることがあります。この場合、起死回生の力が非常に強いことになります。情熱的に物事に打ち込み、目的などを決めたら強い意思と行動力で必ず成し遂げることができるはずです。
かなり厳しい状況や局面にあっても、必ずそこから抜け出し、成功や幸せをつかむとされます。何事に対しても粘り強さやり抜く力が備わっています。1回や2回どころか、何回もの失敗にもめげず、強い信念で失敗を成功に導けるはずです。
むしろその方が大きな幸運がつかみやすいと言えます。何度蹴落とされても必ず再起を果たし、何回でも頂点に立てる底力を持ちます。また複数現れている線のうち、何本か薄れたり消えたりしても、起死回生力に違いはほとんどありません。
3. 火星環が切れ切れ
火星環が切れ切れになっていることがあります。この場合、混乱や災いから、ある程度這い上がることができるのですが、なかなか思うように幸運がつかめないとされます。一旦幸運をつかんでも、それが長続きせず、混乱などに巻き込まれてしまうことが考えられます。まだ成功への途中段階にあるか、現状大変な状態にあって頑張っていることを示していることもあります。運勢を切り開く力が不安定なので、慎重さが必要です。
このキレギレの線でも、きれいな弧を描いているのであれば、現在の方向性は間違っておらず、諦めずに頑張って進めば、大きな幸運が待っているととされます。また幸運を強く念じていると、キレギレの線がつながり、幸せがつかめるはずです。
4. 火星環が途中で切れて空白の部分がある
火星環が途中で切れて空白の部分があることがあります。この場合、ある一定の時期に、厳しい状況から抜け出そうとしている力が弱まることになります。不遇の状態から好転しかけても、一気に元に戻ってしまうことも考えられます。今自分が進んでいる道が正しいのか迷いが生じるかもしれませんが、その見極めが大切と言えます。
ただ、必ず起死回生力は戻って来るので、厳しい時期を耐え忍べば、最終的には、幸運がつかめるはずです。運勢を切り開く力や強運が途切れてしまうので、今までうまく行ったことが、うまく行かないことも考えられます。また再起や幸運を強く念じていると、途切れがなくなり一本の線としてつながり、望む幸せに包まれるはずです。
5. 火星環が薄い
火星環が薄く現れていることがあります。この場合、混乱や災いから這い上がったり、その機に乗じて時代を変革する力が弱まることになります。それでも、火星環が現れているので、通常の人よりは、這い上がる力はあります。
ただ、災いなどが大きい場合、それを跳ね除ける力は弱いので、状況が思うように好転しないことになります。
大きな幸運や成功がつかめなくても、小さな幸運などはつかめるはずです。地道にそれらを積み重ねれば、状況は少しずつ変えられます。運勢を切り開く力があるのですが、強運が弱まっている分、本来の力が発揮できていないことになります。また強運などを強く念じていると、線が濃くなり、不遇が解消されて幸せになれるはずです。
6. 火星環が濃い
火星環が濃く現れていることがあります。この場合、混乱や災いの中から幸運をつかむ力が非常に強いことになります。未曽有の自然災害、時には戦争などからでも、立派に這い上がって運勢を切り開くことが考えられます。
世間が暗い時代にあっても、明るく乗り切ってしまうバイタリティーがあるはずです。時代の変革期にこそ成功がつかめるとされています。厳しい業界を立て直す救世主として、活躍が大いに期待できます。何事にも諦めない粘り強さがあるので、人から信頼されて、財を着実に築くことも可能とされます。
ただ、自分の強運に過信して、努力などを怠っていると、いつの間にか線が薄くなり、厳しい不遇の状態に引き戻される可能性もあります。
7. 火星環が右手にある
火星環が右手に現れていることがあります。手相で右手は将来のことを表します。ここに現れているので、不遇の状態からは這い上がれることを示唆することになります。這い上がる努力をしている証でもあり、成功に向けた途中段階とも言えます。
火星環は、後天的に現れる線として知られ、利き手に現れるものとされています。右利きの人が多いので、たいていは右手に現れることになります。また右利きの場合でも、社会的に地位や経済力が認められると左手に現れることがあります。その場合は火星環とは限らず、成り上がり線のこともあるはずです。
8. 火星環上に島がある
火星環上にシマ(島)が現れていることがあります。シマは島状に囲まれた線を指します。これが火星環上にある場合、混乱や災いの中から幸運をつかむ力があるものの、思いように幸運がつかめないことになります。
何らかの形で、這い上がっていたとしても、途中で思わぬトラブルや障害がなどが発生して、つかみかけた幸せを逃すことも考えられます。自力で運勢を切り開いて行っても、どうしても誰かの助力を得なければならないことが起きるかもしれません。順調に不遇などから抜け出すことを念じていると、シマが薄くなったり、消えることもあります。
まとめ:起死回生力に影響する
火星環は一見すると千金紋と似ていますが、火星環は、第一火星丘に始点があり、千金紋は、始点が生命線と同じ位置にあります。火星環は見間違いやすい上に、災難線の変形や性愛線などと様々な解釈もあり、謎の多い線でもあります。
この火星環には、いろいろな現れ方があり、それぞれに異なった意味合いがあることがわかります。後天的に現れるものなので、利き手に現れるとされます。右利きが多いので、右手に現れることが多くなります。
二重になっていたり、複数現れたり、濃く現れている場合は、混乱や災いから這い上がる力が、より一層強くなります。薄く現れていたり、キレギレであったり、空白やシマがある場合、這い上がる力か、弱まることになります。どんな火星環が現れても、意味に応じた対処をしたいものです。