働き方改革の名の元、「働き過ぎは良くない」という認識が広がっていますが、それに反発を覚えるようなら、あなたは社畜になっているのかもしれません。
一生懸命働くのはとても素晴らしいですが、何より仕事を優先し、同じ価値観を人に強要したくなるなら要注意です。
今回は、社畜の意味と特徴を徹底的に解説!社畜状態から抜け出す方法も伝授します。
社畜の意味とは?英語は?
社畜の意味とは、「会社」と「家畜」を語源とする俗語で、家畜のような社員のことです。
簡単にわかりやすく解説すると、自分の意思を持たずに、会社から言われるまま長時間労働を受け入れる人のこと。
プライベートを犠牲にして一生懸命働いているのに、何の反発もせず、改善しようとする姿勢が見られないことから、「まるで飼い慣らされた家畜のようだ」と、周囲から白い目で見られてしまいます。
社畜は日本の俗語ですが、英語ならば「Workaholic(仕事中毒)」が挙げられます。会社に心身を支配されているという意味合いを強くするなら、次のような表現方法もあります。
・wage slavery(賃金奴隷)
・corporate slave(法人奴隷)
「奴隷」というキーワードがでるのは、なかなか過激ですが、的を得ていると言えます。
社畜の対義語・反対語
社畜の真逆にいるのが、会社を自分の好きなように利用するタイプです。定時退社で有休は全て使い、嫌な仕事は引き受けません。反対語、対義語は「賃金泥棒」が妥当でしょう。
社畜の使い方・例文
社畜という言葉は、主にダメな見本として使われます。社畜と言われる人の本心は全く関係ありません。社畜は他者の評価であり、自分が好きで仕事に没頭している場合でも、軽蔑を込めて「社畜」と言われるケースもあるのです。
よって、社畜は以下の例文のような使い方になります。
・上司の仕事を絶対断らないあの人って、社畜同然だよね。
・仕事は真剣に取り組むけど、社畜にはなりたくない。
・忙しすぎて、ここ最近まるで社畜のような生活で苦しい。
・先輩が社畜で、自分を巻き込もうとするから本気で迷惑だ。
・社畜になりたくないから転職を決めた。
決して真似したくない姿が、社畜なのです。高度成長期は仕事にプライドと命を懸け働くサラリーマンを「企業戦士」と呼んでいました。仕事に打ち込む姿は美徳だったのです。しかし、今の時代仕事だけでは足りません。仕事とプライベートを両方充実させてこそ、憧れの対象となるのです。
日本の社畜はなぜ?原因は?海外は違う?
日本に社畜が生まれる原因は、日本独自の価値観によるところが大きいです。個より集団を大切に思い、足並み揃えた行動が評価されます。これは、義務教育から植え付けられた価値観です。「出る杭は打たれる」ということわざがあるように、日本人は際立ってできる、もしくはできない対象を排除したがる気質があります。
それに加えて、高度成長期の企業戦士たちが現在の上司にあたる年代なのも要因になっています。彼らは「会社のために自分を犠牲にするのは当たり前」と思っていた世代で、同じことを部下に求めます。新卒で社会人として真っ白な彼らを「会社に従うのが当然」と教育してしまうのです。
真面目で受動的なタイプは、これによってまんまと洗脳されてしまいます。「早く帰るには?」という思考を停止し、ひたすら会社に尽くす社畜となってしまうのです。海外に社畜がいないのは、日本と教育方針が根本的に違うからでしょう。
社畜の特徴まとめ13個[心理/考え方]
社畜になってしまうのは、独特な心理や考え方が大きな原因です。まずは、社畜の心理、考え方の特徴について解説します。
■1. 残業は美徳である
社畜にとって、残業は美徳です。労働時間が長ければ長いほど、会社に忠誠を誓い貢献しているのだと考えます。残業することで「自分を会社に捧げます!」とアピールしているのです。そこに「生産性を上げて短時間で効率良く高い成果を出す」という発想はありません。
■2. 定時で帰る人を軽蔑している
「残業は美徳である」という考え方を人に押し付け、定時で帰る人を密かに軽蔑しているのも社畜の特徴的な心理です。その日の仕事はきちんと終了し、成果を上げていたとしても、「よくも堂々と帰れるものだ」と、白い目を向けます。そんな自分に向けられる白い目には、全く気付きません。
■3. 仕事のためなら喜んで徹夜する
社畜は仕事のためなら喜んでその身を捧げます。終わらなければ、喜んで徹夜をします。何なら、求められなくても率先して徹夜をします。眠気と戦いながら会社で徹夜をするのは、社畜にとって「会社に必要とされている!」と喜びを感じることなのです。
■4. 仕事のためなら喜んで休日返上する
平日だけではありません。休日だって喜んで仕事をするのが社畜の特徴です。休日出勤を打診されれば、どんなに疲れていても喜んで応じます。自分は休んでいるのに、他の人が休日出勤をしていると、「差をつけられる…」と、心がザワついてしまうのです。
■5. 上司の言葉は絶対だ
社畜にとって上司の言葉は絶対です。どんな無茶な要望にも、できるできないを考える前に、二つ返事で応じます。そして、やり遂げようと最大限努力します。特に、直属の上司の言葉に忠実です。周囲が白だと言っても、直属の上司が黒だと言えばそれに従います。
■6. 上司より先に帰るなどあってはならない
上司に絶対服従の社畜は、必ず上司が帰ってから自分も帰ります。残業が必要ない場合も、「いつ上司から指示があるかわからない」という理由で会社に残るのは、社畜にとって当然のことなのです。上司から「今日は帰っていいよ」と言われても、適当な理由をつけて頑なに帰りません。
■7. 労働時間は長いほど成果が出る
社畜は労働時間と成果は比例すると考えます。1つの仕事に長く時間をかけた方が、例外なく良い結果が出せると本気で思っているのです。
もちろん、時間をかけたからこそ結果が出る仕事もありますが、正確性とスピードが重視される仕事もあります。1つの会社で行われる仕事にも、さまざまな内容があり、取り組み方もそれぞれ違います。それに気付けないため、何をやってもギリギリまで粘ってしまうのです。
■8. 会社を休むなどあってはならない
労働者には有休制度があります。体調不良など否応ない理由がなくとも、決められた日数会社を休んで良いのです。しかし、社畜は「会社を休むなどあってはならない!」と考えています。簡単に休むのは、会社への冒涜だと思っているのです。
また、社畜が会社を休みたがらないのは、自分がいない場所で話を進められるのが嫌だからでもあります。会社のことはすべて把握しておきたい、抜け駆けされたくないという思いが強いのです。
■9. 仕事優先は当然だ
「仕事は何より優先されるべきだ」という考え方は、社畜の特徴です。そのため、プライベートを簡単に犠牲にします。仕事のためなら、友達や恋人との約束もドタキャン。結婚後は家族の予定に目もくれません。
■10. 働く自分にしか価値を見出せない
強迫観念から社畜になってしまうタイプもいます。この場合、働く自分にしか価値を見出せません。どんなに大変な仕事でも引き受けるのは、自分の価値を認めて選んでくれた人を無下にできないからです。社畜になることで、会社の居場所を作ろうと必死なのです。
■11. 会社の地位が自分を支えている
会社の地位にしがみつく社畜もいます。「有名企業の社員である自分」「上司から信頼されている自分」という点にプライドを持ち、自分を支えているのです。
そんな自分の気持ちに自覚があり、「会社を辞めたら、社会から相手にされない」と不安を感じています。だから、「リストラに遭うようなことがないように…」と、会社に反発せず尽くしてしまいます。
■12. 自分の働き方に疑問を持たない
周囲から見ると、社畜の働き方は無茶ばかりで、いつ体を壊すかわからない紙一重の状態です。また、会社至上主義の様子は、精神的な不安定さを感じさせ、「大丈夫かな?」と心配になります。長い目で見れば、社畜の働き方は心身に大きな負担をかけ、健康を害するリスクが高いのです。
しかし、社畜は自分の働き方に疑問を持ちません。望まれれば応えるのも、無理できる内は無理をするのも当たり前です。本人が疑問を持たないのですから、社畜的な働き方が変わるはずもありません。
■13. 働いていれば全て許される
社畜の働き方は、近しい人をときに蔑ろにします。しかし、相手に対しての罪悪感は全くありません。「仕事だから仕方ない」という理論が通ると思っているからです。
「誰のおかげで飯が食えると思ってるんだ!」というのは、社畜ならではの考え方でもあります。働いていれば全て許されるという心理なのです。その価値観は、子供時代に自分の親の夫婦関係を見て植え付けられたケースもあります。
しかし、自分の家庭で許されていたことが、他人に通用するとは限りません。それなのに、自分の基準を何の疑問も持たずに相手に押し付けるので、友達も恋人も離れていきます。
社畜の特徴まとめ20個[仕事・職場の発言/行動]
社畜の心理や考え方は、職場での言動に直結しています。これから解説する特徴が見られる人は、社畜の素質あり、もしくは既に社畜になっています。自分の行動を振り返りながら読んでみてくださいね。
■1. 始業時間よりかなり早く出社する
残業だけでは飽き足らず、早朝出勤する社畜は多いです。フレックスを使わず、始業時間より1時間以上早く出社するのは、社畜に良く見られる行動です。中には誰よりも早く出社するのを生き甲斐にしているタイプもいます。
■2. どんなに体調不良でも出社する
「会社を休むなどあってはならない」という思想のもと、どんなに体調不良でも社畜は出社します。薬を飲み症状を抑え、マスクをして仕事をする姿を見て、周囲は「遷りたくない…」と思っていますが、社畜は「ここまでして会社に来る自分に、皆は感動しているだろう」と本気で思っているのです。
ちなみに、下手に診断がつくと出社できなくなるので、社畜はどんなに体調不良でも基本的に受診はしません。薬は市販薬です。
■3. 「インフルエンザくらいで会社を休むとはけしからん!」
体調不良でも出社する自分にプライドを持っているので、「インフルエンザで会社を休むとはけしからん!」と、職場で声を大にして言う社畜がいます。それどころか、「自分は40度の高熱でも仕事した」と、武勇伝を語り始めます。社畜には、自分の病気を職場の人に遷さない気遣いがの発想がないのです。
■4. 交通機関が麻痺したら自腹切ってタクシーで出社する
台風や人身事故などで交通機関が麻痺しても、何が何でも出社しようとするのが社畜の特徴です。電車が動かなければバスを利用、バスがなければ自腹を切ってタクシーで出社します。会社から正式に「出社は自己判断」という連絡が来ても、休むという判断は決してしません。自腹切って出社する自分の忠誠心に、完全に酔っています。
■5. なんなら長距離を歩いてでも出社する
タクシーがつかまらないなら、長距離を歩いてでも出社しようとするのが社畜です。なかなかそこまでの状況になるケースは稀ですが、社畜はいつでもその心づもりがあります。
■6. 「台風で暴風警報?だからなんだってんだ!」
何が何でも出社するのが当然と考え、どんな手段を使ってでも出社する社畜は、会社を休む選択をした人を根性なしだと思っています。会社が「出社は自己判断」という結論を出しているのに、「台風で暴風警報?だからなんだってんだ!」と、休んだ人を完全否定です。
■7. 無駄に打ち合わせが長い
社畜には打ち合わせ命が多いです。メールのやり取りで済む内容でも、打ち合わせをしたがります。しかも、無駄に打ち合わせが長いのが特徴です。うだうだと打ち合わせを続けて、結局何も結論が出ないのは良くあることです。
それでも社畜が打ち合わせ好きなのは、社内で人との関りを増やして、人脈を広げたいという思いがあるからです。特に上司との打ち合わせは長く、自分から切り上げることはありません。
■8. 今日までの仕事じゃなくても残業する
労働時間の長さで「自分、がんばってます!」というアピールをする社畜は、今日までの仕事じゃなくても残業します。何なら、残業するために就業時間中のペースを遅くすることすらあります。ですので、社畜の残業時間と仕事量は、必ずしも比例しません。
■9. 終電を逃して会社に泊まる
仕事に没頭するあまり、ウッカリ終電を逃して会社に泊まるのは、社畜あるあるです。そこまで緊急じゃないのに、なぜか徹夜する社畜もいます。会社に泊まったのを自慢するのも社畜の特徴です。
■10. 会社の近所に行きつけのカプセルホテルがある
強者な社畜は、終電に間に合わない前提で仕事をします。しかし、連日会社に泊まると、さすがに体がキツくなるので、自分の体調に合わせてカプセルホテルに泊まります。会社の近所に行きつけのカプセルホテルがあるのも、社畜あるあるです。
■11. 仕事のために会社近くに引っ越しする
社畜も究極になると、仕事のために会社の近くに引っ越しをします。身軽な独身だからできる技です。都心の場合、会社の近くの賃貸はかなり家賃が高くなります。しかし、社畜は仕事ばかりで、プライベートでは殆どお金を使わないので、給料の大半が家賃に消えても痛くありません。
■12. 就業時間直前に「これ、今日中にお願いできる?」
社畜は残業前提で働いているので、他の人も当然残業は当たり前だろうと考えています。そのため、就業時間直前になってから、「これ、今日中にお願いできる?」と、部下に仕事を投げるのです。
部下にとっては大迷惑。「なぜ、もっと早く言わない?」と、社畜に怒りを感じます。しかし、社畜は「与えられた仕事を全うするのが立派な会社員」と考えているので、部下は引き受けて当然だと思っています。そのため、「今日残業は無理です」と断られると、自分の段取りの悪さを棚に上げて、部下を軽蔑します。
■13. 残業時間が多過ぎて労働基準監督署から警告される
今どきは残業時間が多過ぎると、労働基準監督署から会社が警告を受けます。「会社のために!」と残業しまくった社畜が原因で、会社が怒られるというのは良くある話です。当然、人事から呼ばれ、「残業を少なくするように」と指導が入ります。
■14. 残業時間を誤魔化し始める
「残業を控えるように」と言われた社畜は、今度は残業時間を誤魔化し始めます。残業を少なくする努力ではなく、サービス残業をいとわなくなるのです。ICカード等で出勤退勤時間が自動的に記録される会社の場合、仕事を家に持ち帰るようになります。
■15. たった1人で休日出勤
必要と言われなくても、率先して休日出勤をするのが社畜です。誰も休日出勤していないのに、たった1人で会社に行きます。自主的な出勤なので、会社に休日出勤手当は求めません。誰もいない社内で仕事をする自分に恍惚とする、完全な自己満足です。
■16. 睡眠時間が少なすぎてナチュラルハイ状態
仕事のし過ぎで社畜は慢性的な睡眠不足です。栄養ドリンクなどを飲んで、眠気と戦いながら仕事をしています。眠気のピークを越えると、ナチュラルハイ状態に突入。
「今日2時間しか寝てないよ」など、嬉しそうに睡眠不足自慢をしながら、妙なテンションで語り掛けては人の仕事を邪魔します。
■17. 時間感覚が麻痺して深夜に仕事の電話をしてしまう
毎日終電間際まで仕事をするのが当たり前の社畜は、時間感覚が麻痺します。残業中確認事項があり、すでに帰宅した同僚に電話。
「何時だと思ってるんだよ…」という言葉に時計を見ると、既に23時を過ぎていることも…。自分が夜中働くのが当たり前すぎて、何に疑問も持たず、時計も確認せずに電話をかけるのは、社畜に良く見られる行動です。
■18. 健康診断でひっかかっても再検査しない
無理な社畜生活を送っているため、健康診断にひっかかる社畜は少なくありません。しかし、「要再検査」はもちろん「要精密検査」という結果が出ても、仕事が忙しいからという理由で受診しません。周囲から「病院行きなよ」と言われても、「大丈夫」「再検査は任意だから」と、やり過ごしてしまいます。
■19. どんな状況でも上司からの誘いは断らない
仕事最優先で、自分の体調など二の次。友達の約束のために早く帰るなど言語道断な社畜ですが、上司からの誘いがあれば、何が何でも仕事の調整をして応じます。明日の自分の首を絞めることになっても、上司の誘いを断らないのが社畜です。
■20. 毎年有給休暇はほぼ20日消滅する
「休むのは悪!」と社畜は本気で思っているので、有給休暇はほぼ未消化。そのため、毎年20日近い有給休暇を消滅させています。毎年17日以上有給休暇を消失させているなら、社畜度はかなり高いです。
社畜の特徴まとめ9個[日常生活・休日の発言/行動]
会社から離れても、社畜の頭の中は仕事のことばかり。休日や日常生活にもわかりやすい特徴があります。健康的な生活とは程遠い日常の言動について解説していきましょう。
■1. 家には寝に帰るだけ(もしくは着替えに帰るだけ)
社畜にとって、家は寝に帰るだけの場所、もしくは着替えに帰るだけの場所です。そのため、社畜の部屋は以外にも片付いています。散らかすほど家にいないからです。
家族がいる場合も、皆が目覚める前に家を出て、眠りについてから帰宅します。会話はおろか、顔を合わせる機会も非常に少ないです。家族はシャワーの使用状況などを見て、帰宅したのを確認します。
■2. 家にいても仕事のことを考えて安らげない
社畜の頭の中は、常に仕事のことで頭がいっぱいです。せっかく会社から離れても、たまの休日も、全然休まりません。「家でゆっくりしてる場合じゃない」という焦燥感に追い立てられています。
■3. 職業病で休日なのにビジネス口調
常に仕事のことを考え、思考が切り替わらないので、社畜は日常でもついビジネス口調になってしまいます。自分がお客様の立場でも、「こちらでよろしいでしょうか」「恐れ入ります」など、丁寧すぎる言葉を使ってしまい、店員さんを恐縮させます。
■4. 食生活はムチャクチャ
仕事は体資本ですが、社畜は自分の健康について無頓着です。「食事は食べられるときにそこにあるものを食べる」という認識のため、食生活はムチャクチャです。
通勤のついでに購入する朝食はおざなりで、昼食は忙しければ抜いてしまいます。夕食はいつも深夜で、コンビニ弁当などで済ませます。
■5. 会社が休みの日はとにかく寝溜め
社畜もたまには休日をとりますが、日頃の疲れをとるべく、とにかく寝溜めします。ほぼ1日中寝ている状態です。そのため、生活リズムが乱れてしまい、「やっぱり働いている方が自分には向いている」と、益々家畜根性を磨いてしまいます。
■6. 当然友達とは疎遠
仕事最優先で、起きているほとんどの時間を仕事に費やすため、当然ですがプライベートの時間はゼロ。最初はめげずに誘ってくれた友達も、先の予定が立たなかったりドタキャンされたりが続いて諦めてしまいます。社畜の多くは、友達とはもう何年も疎遠です。
■7. 会社の付き合いには参加
プライベートの付き合いは二の次ですが、会社の付き合いとなれば話は別です。「上司の誘いだ」「人脈をつくる機会だ」「欠席など許されない」と、どんなに疲れていても、休日の休息を捨てて社畜は参加します。
■8. 「何のために生きてるんだろう…」
仕事ばかりの生活を続けていれば、心身に負担がかかります。日頃積極的に仕事をがんばる社畜も、ストレスが溜まり疲れ果てると、気持ちが弱くなります。
休日、張り詰めたものがどっと押し寄せて、ふと「何のために生きてるんだろう…」と、自分の生き方に疑問を持つ瞬間が社畜にもあるのです。
■9. 「自分には仕事がある!」
自分の生き方に疑問を持っても、それを追求せず、「自分には仕事がある!」と、会社に戻ってしまうのが社畜です。
深く考えると、イケない気持ちに気付いてしまいそうで恐いのです。だから、疑問を振り払って仕事に没頭します。こうして、社畜は働き方を改める機会を、自ら手放してしまうのです。
社畜になりやすい人の特徴
同じ会社に勤めていながら、社畜になる人とならない人がいます。会社の状況や上司との相性以外に、本人の性格や考え方も、社畜になる大きな原因なのです。次のような特徴を持つ人は、社畜になりやすいので注意が必要です。
・趣味がない
・友達と疎遠
・人からの評価を過度に気にする
・断れない
・寂しがり屋で暇が苦手
・自分を追い詰めるのが好きなM気質
・自己肯定感が低い
・自分に自信がない
・下手に体力がある
・失敗や挫折が恐い
・実はプライドが高い
・できない自分が許せない
・発想の転換が苦手
・アイディアを出すのが苦手
・数学的感覚が弱い
柔順で受動的な人が社畜になるのはイメージがつきやすいでしょう。しかし、プライドが高く意地になるタイプも、忙しい状況を乗り越えることが快感になり、過度に仕事にのめり込んで社畜化するリスクがあります。
社畜にならないためには「自分は大丈夫」と油断せず、心身の健康と仕事のバランスをとることが大切です。
社畜の1日スケジュールの具体例
社畜とそうでない人の線引きはどこにあるのでしょうか。参考までに、社畜の1日スケジュールの具体例を紹介します。繁忙期ではなく、この生活が社畜にとっての日常です。
5:30 起床→準備(シャワー含む)
6:00 出発
7:00 会社到着(途中で朝食を買い、会社で食べながら仕事開始)
※ここから怒涛の仕事タイム。スケジュールによっては昼食を抜くこともある。
23:00 退社
24:00 帰宅→晩酌しながら仕事
25:15 就寝
平均睡眠時間は4~5時間。通勤中座れれば仮眠をとりますが、仕事が立て込んでいれば車内でパソコンを広げます。夜は疲れているので、社畜は朝シャワー派が多いです。
社畜が早朝出勤と残業を好むのは、人がいない間に片付けたい仕事があるからです。就業時間内誰かに話しかけられれば、自分の仕事の手を止めて対応します。自分の仕事のために相手の申し出を断らないので、就業時間中は著しく効率が落ちるのです。
社畜は結婚できない?
「仕事と私、どっちが大事なの?」というセリフは、女性が恋人に問いかける代表的なセリフですが、これを地で行くのが社畜です。仕事最優先の社畜は、彼女にいつもさみしい思いをさせてしまいます。デートはおろか、平日連絡を取り合うのも難しいです。そのため、学生時代から付き合っている彼女がいる社畜は、早々に結婚するか、もしくは彼女にフラれてしまいます。
一旦恋人が切れると、仕事が忙しすぎて出会いを作る時間もなく、社畜は彼女いない歴を更新し続けます。奇跡的に社内で恋人ができれば大ラッキー。しかし、同じ職場でも忙しさに彼女の理解が及ばず、別れてしまうことも少なくありません。
結婚は縁の力が大きく働きますから、社畜でも結婚できるケースはあります。しかし、恋愛に費やす時間がほぼゼロのため、余程の幸運に恵まれない限り、社畜のままでは結婚は困難でしょう。
社畜にならない・やめる方法10個
社畜の特徴を呼んで、「あれ?自分って社畜なの?このままじゃヤバイ?」と思ったら、今から仕事に対する姿勢を方向転換していきましょう。社畜にならない方法、社畜を止める方法を紹介します。
■1. 定時までに終わらせる目標を立てる
社畜にならないために何より優先すべきは、労働時間の短縮です。毎日定時退社は難しいでしょうが、今よりも残業時間を減らす工夫を始めましょう。
まずは、今日1日どの仕事を終えるかをリストアップし、定時までに終わらせるにはどうしたら良いか、手順や方法を考えます。目標を立てたら、可能な限り実行しましょう。
実現できるかどうかは別として、「定時に帰る」と目標を立てるのが大切です。最初から「定時で帰れるはずがない」と思っているのと、「何が何でも定時退社だ」と思っているのとでは、仕事のやり方が全く変わってきます。
■2. 今までの仕事のやり方を見直す
目標を立てたくらいでは何も変わらないと言うなら、あなたの仕事のやり方に問題があると考えた方が良いでしょう。今までの仕事のやり方を見直す必要があります。
・毎月やらなければならないマストな仕事
・良く発生するイレギュラーな仕事
・仕事に関わる人の人数と流れ
仕事全体を見直して、二度手間など無駄があればどんどん排除していきましょう。小さな1手間が減るだけでも、仕事の時間は変わります。
■3. 効率を重視する
社畜脳になると、無意識に「長く会社にいるための方法」を考えてしまいます。あえて効率の悪い手順をとったり、無駄に長く打ち合わせをしたりして、長時間労働に持ち込んでは仕事をした気になってしまうのです。
社畜になりたくないなら、仕事は効率を重視しましょう。今の仕事のやり方が本当に最適なのか、常に考えながら取り組んでください。合理化、効率化できるところは、どんどん改革していきましょう。
■4. 結論を早く出すクセをつける
社畜の人に多いのが「ギリギリまで悩んだ方が良い仕事になる」という謎の思い込みです。しかし、結論が出なければ仕事は進みません。悩む時間=仕事が滞っている時間と考えて、結論を早く出すクセをつけましょう。
もちろん、頭を絞らなければ出てこない素晴らしいアイディアもあるでしょう。綿密にシミュレーションしたからこそ、的確な結論を出せるケースも多いです。この場合は、充分な時間をとりましょう。大切なのは、結論を早く出せるものはとっとと出し、即座に片付けることです。
■5. スキルを高めて自分に自信をつける
自分に自信がないと、「言われるままに従った方が無難」と、受け身になってしまいます。自分に良い考えがあっても、自信がないので主張できず、ただ職場で流されるだけです。
社畜になりたくないなら、スキルを高める努力も必要です。自分の知識が増えれば、今の仕事をもっと効率よくする方法も見つけやすくなります。また、「自分だからこそできる」という自信があれば、職場の同僚や上司と対等にコミュニケーションをとって、自己主張できるようになります。
■6. 上手に断る術を覚える
言われるままに仕事を全部背負うのが社畜の典型です。上手に断るスキルは、社畜にならない必須条件になります。上手に断るには、自分の仕事を把握して断る的確な理由を提示し、且つ相手の気分を損ねない柔らかな表現と、申し訳ない演出がポイントです。
・なぜ、断らなければならないか説明する
・引き受けたい気持ちを演出する
・本当に申し訳ないと謝罪しながら、それでも「できない」という意思表示を撤回しない
上手に断るには自信も大切です。「今の自分の状況なら、誰だって断るしか選択肢はない」と、強い気持ちを持って断れます。
■7. 休息も仕事の内と考える
「休むなどとんでもない」という思考が社畜にはあります。休日会社を休むのはもちろん、有給休暇も会社員の立派な権利なのに、なぜか休むことに罪悪感を持ってしまうのです。この思考を捨てなければ、社畜状態から抜け出せません。
ですから、休息も仕事の内と考えましょう。適切な休養は、あなたの持っている能力を最大限高めてくれます。良い状態で仕事した方が、頭が冴えて良い仕事ができ、ミスも減ってメリットばかりです。あなたの休息は、あなたと会社双方に大きな利益を与えます。
また、働き方改革が広がっているので、「有給休暇取得率が高い方が良い」と評価される時代はすぐそこまで来ています。今の内に、上手に休みをとれるようになった方が、今後の評価を高めてくれると考えましょう。
■8. 会社に利用されるのではなくあなたが利用する
社畜を英語表記すると、「奴隷」という単語が入ってくるように、社畜化した人は「会社は自分より絶対的上の存在」という思いがあります。だから、自己主張もせず、まるで奴隷のように全てを受け入れて働き続けるのです。
社畜から抜け出したいなら、発想の転換が必要です。「会社に利用されるのではない。自分が会社を利用してやる」と、考えてみましょう。
あなたが会社で働くのは、給料を得るため。これが一番大切ですよね。更に、会社で自分の能力を高め、生活を充実させるのだと考えるのです。そうすれば、会社に消耗されるだけの社畜から抜け出すのに必要な思考が、自然と備わります。
■9. 仕事以外の趣味を見つける
社畜から抜け出すには、プライベートの生活をどうするかも重要です。仕事が面白くて仕方がないかもしれませんが、それ以外の趣味を意識的に見つけましょう。趣味を仕事のブレーキにするのです。
仕事が生き甲斐なのは素晴らしいですが、それだけになってしまうのは非常にリスキーです。「自分は仕事だけしかない」と、会社に従順になって、保守的な思考になります。すると、冒険ができずに面白かったはずの仕事が「こなすためのノルマ」になってしまいます。更には、仮に病気は怪我で働けなくなってしまった場合、あるいは定年を迎えた後、生き甲斐を失ってしまいます。
人生を豊かにするために、自分を楽しませる材料は大いに越したことはありません。趣味を見つけて「今日は趣味をしたいから、早く帰ろう」と思える日を作りましょう。
■10. プライベートな人間関係を大切にする
職場に自分の居場所があるのは素敵なことですが、仕事が全てになると、プライベートな人間関係が破綻します。すると、益々仕事ばかりになってしまい、外の世界との交流がないため、世間の常識から外れて、社畜生活の異常な状態にも疑問を抱かなくなります。
会社勤めにはいつか終わりがくるのだと、今から自覚しましょう。そして、プライベートな人間関係を大切にしてください。家族、友人、恋人、趣味仲間など、仕事以外でも人とのつながりはたくさん持てます。仕事以外の人間関係はあなたの視野を広げて、それが仕事に役立つこともあるでしょう。
社畜の診断チェックリスト
あなたの社畜度はどれくらい?質問に答えるだけでわかるチェックリストを作成しました。
次の質問に「はい」か「いいえ」でお答えください。「はい」が多ければ多いほど、あなたの社畜度は高くなります。
・自分の仕事が終わっていても、誰も帰らないと定時で帰りにくい
・仕事中話しかけられると、忙しくても丁寧に応じてしまう
・仕事がパンク状態でも、人に相談できない
・職場では人に迷惑をかけないよう細心の注意を払っている
・相手のことを考えて、人に仕事の手伝いを頼めない
・上司に逆らうなんてとんでもない
・今の会社を辞めたら人生詰んでしまう
・キャパオーバーでも仕事を頼まれたら断れない
・忙しければ忙しいほどアドレナリンが出る
・正直就業時間中より残業時間の方が居心地が良い
・サービス残業はもはや日常だ
・自由過ぎる後輩を見ているとイライラする
・仕事が忙しすぎて友達と疎遠になった
・趣味がない
・家にいるより会社にいる方が好きだ
・自分はとても頑張っていると思う
・仕事で同期と差をつけたいと思う
・寝てない自慢をしたことがある
社畜のあるあるネタおもしろエピソード5個
社畜のあるあるネタを集めてみました。実は深刻な問題なのですが、本人の深刻度が低いので、あえておもしろエピソードとして紹介します。
◯残業多すぎ
残業時間が多過ぎて労働基準監督署から会社が指導されてしまう。社内では「あいつに違いない」と噂されるが、実は毎日サービス残業状態で、月の残業時間は20時間未満で申請。「自分じゃないよ」と心の中でほくそ笑む。しかし、後に残業時間が多過ぎた人が誰か判明。周囲の人から「なぜあいつは対象にならない?」「もしやサービス残業?」と新たな噂の的となってしまう。
◯発熱でも出社
・冬に38度超えの発熱。しかし「熱くらいで会社を休めない」と、受診もせずに体調不良を隠して出社。解熱鎮痛剤を飲んでやり過ごす。その数日後、社内でインフルエンザ大流行。「感染源はあいつに違いない」と、陰で噂される。
◯インフルエンザ隠し
体調不良を押して出社するが、上司から「今すぐ受診してこい」と言われる。逆らえずに受診するとインフルエンザ陽性。処方されたイナビルをその場で吸入した後証拠隠滅し、何食わぬ顔で「インフルエンザは陰性。ただの風邪でした」と報告する。その数日後、社内でインフルエンザが大流行。「あいつ本当に陰性だったのか?」と陰で噂される。
◯職場で倒れる
働きすぎて職場で倒れ救急搬送。診断は過労。点滴して帰宅。医師からは安静を言い渡されるが、次の日出勤し、「いや~、昨日倒れちゃってさ~」と、なぜか武勇伝のように語る。当然周囲は「帰った方がいいよ」と言うが、「大丈夫大丈夫」と全く言うことを聞かない
◯会社に寝袋持参
会社に寝袋を用意して泊まるのが当たり前の生活。疲れて寝袋で熟睡していたら、出社した新入社員が自分に躓いて転倒。怪我をさせてしまい上司に叱られる。
社畜の名言セリフまとめ
SNSなどで呟かれている「これぞ社畜精神を謳った名言!」というものをいくつか紹介します。
・残業代の出る残業は残業ではない
・自分が帰る時間こそが定時だ
・有休は甘え
・熱があったので会社ズル休みしました
・そんなにお盆が大事ですか?
・僕たちがいるから夜景は美しい
・違法なことはみんなやってるぞ!
・24時間闘えますか?
・毎日が月曜日
・月の残業100時間超えてからが1人前
自分を社畜と気付かず、労働時間の長さ=正義という思考に陥った、世間一般の常識から外れた名言ばかりです。この名言に感銘を受けたあなたは、周囲から社畜とささやかれているかもしれません。
まとめ
社畜は働きすぎる姿を皮肉ったときに使う言葉です。ですので、あなたが自分の意思で仕事に没頭するなら、「社畜」とささやかれても気にしないのが一番です。ただし、社畜と言われるほど働いているのですから、心身に負担がかかっている自覚は必要です。
仕事に没頭できるのも健康な体あってこそ。体調管理も仕事の内と考えて、自分の体を大切にしてくださいね。