九星気学には運気の低下を招く凶方位と運気を挙げる吉方位という概念があります。凶方位には有名な暗剣殺や五黄殺があります。
この二つはなんとなく聞いたことがある人も多いかもしれません。しかし、意外と見落とされる月命殺と月命的殺というものがあります。
今回はこの二つの意味や見落とされる理由、対策などを紹介します。
月命的殺の意味とは?
月命的殺とは方位盤の中で自分の月命星が配置された方位の反対側の方位を指します。影響は個人差が大きく、全く自覚しない人もいる程です。
月命殺が体の怪我や病気といった目に見える部分、検査などで視覚化、数値化ができる範囲の影響とされるのに対して、月命的殺影響が及ぶ範囲は精神的な面や人間関係など目に見えにくい、数値化や視覚化ができない分野とされています。
その他には予想外の出来事に翻弄されるともいわれます。目に見えない部分なので意識の仕方や性格、起こった事象の受け止め方によって実感が変わるとも考えられます。
月命的殺の方位の調べ方・出し方
月命的殺は自分の月命星の位置が基準になります。まずは自分の本命星、月命星を正しく把握する必要があります。
自分の本命星と月命星が分かったら方位盤の中で自分の月命星の位置を確認します。月命星がある方位は「月命殺」となります。その反対側の方位が「月命的殺」となります。
方位盤は毎年変わります。次の年になれば別の方位が月命的殺となります。また、月盤、日盤にもそれぞれ凶方位があり星の移動と同様に移動します。年が変わったタイミングや月が変わるタイミングで方位盤を必ず確認しましょう。
※以下は2021年方位盤
(本命星:三碧木星、月命星:八白土星)
月命的殺の影響・効果
方位にはそれぞれ異なった意味があります。凶方位となった場合の意味や影響の例を紹介します。
◯北の影響
人間関係全般の悩みが増える。付き合う(結婚する)覚悟は決まっているがなぜか邪魔されるなど上手く進まない。
◯東の影響
わがまま、自己中心的になり口論から対人関係のトラブルが増える。
◯南の影響
地位や名誉に執着して関係が悪くなる、想定する結果が得られなくなる。
◯西の影響
お酒の席や食事会、パーティなどから楽しい事から疎遠になる。八方美人が過ぎて人間関係を悪化させる。
◯北東の影響
頑固になりすぎる、こだわりが強くなりすぎて周りのから理解をされない。
◯南東の影響
職場で不快感を覚えるようになりストレスが増える。旅行・結婚などの計画が予定通りに進まない
◯南西の影響
我慢しすぎて体調、精神に悪影響がでる。貯蓄、積立に予想外のトラブルがおこる。
◯北西の影響
自信過剰な正義感が強くなり衝突を生む。上司や上部組織との関係が悪くなる。
月命的殺は気にしないでよい?
月命的殺は月命星が基準となるため、影響の範囲も同様となります。月命星の特徴が発現するのは幼少期~二十歳頃と言われています。その後は本命星の特徴に少しずつ塗り替えられていくとされています。
そのため、成人した人はあまり月命星と月命殺、月命的殺の影響はあまりないと考えられています。しかし、運気というのはある時期になったらスイッチが切り替わるように変化をするのではなくグラデーションのように変わっていくため、成人後も月命殺、月命的殺の影響を多少は受ける事になります。
また、家庭環境や生活環境、精神の成熟度によっては影響を長く受けることもあるので「気にしなくても大丈夫!」と断言は出来ないのです。
月命的殺の過ごし方
月命的殺は方位に対する概念なので「今年は月命的殺だから運が悪い」といったことはありません。
もし、お仕事命令など回避不能な理由で月命的殺の方位へ行くことになってしまった場合、滞在中は「過剰に恐れ不安に負けない」「感情的にならない」といった意識の仕方で影響を軽減することが出来ます。
凶作用はネガティブな感情になることでより強く影響を感じる傾向があります。
対策としては待ち合わせや打ち合わせには余裕を持って行動する、自己中心的にならず思いやりの心をもつ、トラブル時には落ち着いて連絡をする、といった不安感や焦燥感を増大させない工夫、や嫌な事があっても感情的にならないように冷静に対応するといったものがあります。
月命的殺への引越しの影響と対策
月命的殺の方位へ引っ越した場合、思うように仕事の成果が得られない、自信過剰になってしまい人間関係、信頼関係を崩す、悩みが増える、イライラが増えるなどの精神面に悪影響があります。
月命的殺の影響を受けない(小さくする)対策は以下のとおりです。
①月命的殺の方位へ向かわない、時期を変える
②陰徳を積む(見返りや報酬を求めない奉仕的な行動)
③明るく健康な精神を保つ
④ストレスをためない
⑤睡眠不足に注意
⑥規則正しい生活を心がける
⑦方位の災いを避ける御祈祷を受ける
月命的殺への旅行の影響と対策
月命的殺への旅行は引っ越しほど強くはありませんが悪影響を受けます。旅行は移動距離や滞在期間で影響の大きさが変わります。100kmを超える、1週間程の滞在は引っ越しと同様の影響になるので特に注意が必要です。
月命的殺の影響を受けない(小さくする)旅行方法は以下のとおりです。
①目的地へ直接向かわず、吉方位や無難な方位の経由地で滞在してから向かう
②旅行のプランは時間が多少余る程度に余裕をつくり焦ることが無いようにする
③事前に混雑状況や渋滞情報などを下調べしてストレスを感じない設計をする
④節度やマナーを守り、旅行先でも感謝の気持ちを忘れない
⑤方位の災いを避ける御祈祷を受ける
月命的殺のお祓いは神社の方位除けがおすすめ?
月命的殺に限らず凶方位の影響を軽減する方法の一つとして神社にて方位除けの御祈祷を行うというものがあります。凶方位に移動する前に「引っ越し先(旅行先)でトラブル無く平穏で楽しくすごせますように」と祈り願うことで守って頂けるというものです。
ポイントは「事前」であって「事後」では御祈祷の意味が無い、あるいは限定的といわれています。事前に受ける理由は御祈祷の目的は「防ぐため」の力であって「運気を治す、祓う」ものではないためです。
ウイルスに対するワクチンのようなイメージをして頂ければわかりやすいと思います。事後に御祈祷を行っても悪くなってしまった運気を根本的に治すには至りません。痛み止めの薬のようなものです。
運気を修復するには自ら吉方位への旅行や引っ越し、日々の吉方位参りなどで運気を書き換えるしかありません。
月命的殺の恋愛・結婚への影響は?
恋愛や結婚における月命的殺の影響は精神的に不安定になる、我が儘になって喧嘩が増えるなどがあります。
付き合ってみたら「なんか理想と違う」ということになる可能性もあります。結婚の計画がなぜか上手く進まない、予想以上の出費など想定外の事がおこるなどがあります。
月命的殺の仕事・転職への影響は?
月命的殺の仕事や転職への影響はストレスが増える傾向になる、自己中心的な行動になってしまい、同僚とのトラブルや顧客とのトラブルなどがあります。また目標変更などが頻繁におこり振り回されて疲労してしまうかもしれません。
まとめ
月命的殺は状況、年齢、性格などにより影響に差があります。全ての人へ平等に影響を与える五黄殺、暗剣殺はなんとしても回避したいものですが影響力が不確定な月命的殺もできるだけ避けたいところですね。
凶方位は不安や恐れなどネガティブな感情により実感を増すといわれています。常に元気で明るく思いやりと愛情をもって過ごせば実感はかなり軽減されるのではないでしょうか。