すぐキレる人から理不尽に責められると、とても気分が悪いですよね。しかし、職場や友達、家族など、切りたくても切れない相手だと、距離を取るにも限界があります。
そこで今回は、すぐキレる人の心理と特徴を解説、正しい対処法も伝授します。
すぐキレる人の心理
すぐキレる人を見ると「大人なのに…恥ずかしくないのかな?」と思うでしょう。しかし、すぐキレる人は以下のような心理状態なので、「恥ずかしい」という発想がありません。
・自分が攻撃されていると感じ、防衛に必死
・自分を軽く見られていると感じ、誇示したい
・自分の思い通りにならない現実が受け入れられない
キレてるときは、心理的にいっぱいいっぱいの状態です。客観的に自分を見るのは不可能。「どうして?」「もう嫌だ」「何とかしたい」で頭がいっぱいなのです。敵地に1人取り残された人の心理にとても似ています。
「とにかく自分を守らなければ」という心理。しかも、相手を攻撃する方法以外に、自分を守る術がわかりません。キレる人は他人を攻撃したいのではなく、実は自分を守りたいだけなのです。
すぐキレる人の特徴15個
すぐキレる人には、以下のような特徴や共通点があります。
(1)プライドが高い
(2)承認欲求が強い
(3)自己防衛本能が強い
(4)被害妄想が強い
(5)イマジネーションが弱い
(6)イレギュラーに弱い
(7)キャパシティが小さい
(8)気が小さい
(9)自己肯定感が低い
(10)他人に厳しい
(11)自分勝手
(12)切り替えが苦手
(13)疑り深い
(14)神経質
(15)柔軟性がない
プライドや承認欲求が非常に高く、「認められたい!」という思いが強いのが特徴です。しかし、実は自己肯定感が低く、自分に自信がありません。
そのため、些細なことで「バカにされている」「雑に扱われている」「否定された」と認知を歪めてしまいます。普通の会話なのに曲解し、被害妄想を強めて相手を敵だと認識してしまうのです。
また、イマジネーションが弱く、相手の気持ちを察するのが苦手です。そのため、小さなイレギュラーにもうろたえてしまい、どうしたら良いかわからなくなります。結果、あっという間にテンパって、プツッとキレてしまうのです。
繊細で神経質な性格も、すぐキレる人の特徴です。柔軟性がないため「ま、いっか」で流せず、小さなことも気になって仕方ありません。加えて被害妄想が強く疑り深いので、日々神経をとがらせています。全身棘だらけ状態で、少しでも身の危険を感じたら、相手を威嚇せずにはおれません。
すぐキレる人は、気が強いと誤解されがちですが、本当は小心者。自分の弱さを見破られるのが恐くて、キレることで強者アピールをしているだけなのです。
すぐキレる人の原因は病気や障害?
すぐキレる人はさまざまな原因が考えられます。
・成育歴
・食事を含めた生活習慣
・生まれながらの気質、特性
・精神疾患
感情や欲望のコントロールは、脳の前頭前野で行われています。しかし、子供のころから我慢の経験が乏しいと、前頭前野が未発達になり、キレやすい脳になってしまうのです。
また、暴言暴力が当たり前の環境で育った場合も、「弱者にはキレて良い」という誤学習に繋がり、すぐキレる大人になってしまうことがあります。
人の感情と生活は密接に関係しています。食事を含めた生活習慣が乱れてセロトニンが不足したり、低血糖になったりすると、キレやすくなるケースがあるのです。セロトニンは前頭前野の活動に不可欠なホルモンです。そのため、セロトニンが不足しがちな生活習慣は、キレやすい原因になります。低血糖も体が危機を感じるため、イライラしてキレる原因になります。
その他、生まれながらに「人の気持ちがわかりづらい」「切り替えが苦手」という特性があり、正しい対処法を知らないまま大人になってキレやすくなるケースもあります。発達障害や精神疾患の可能性もゼロではありません。
すぐキレる父親や夫は病気?
今までは穏やかだったのに、キレることが増えたのならば、病気を疑った方が良いかもしれません。特にアラフォー以上の年齢の場合、男性更年期障害が考えられます。女性の更年期は認知度が高いですが、男性にも同じ時期にホルモンバランスが変化することで、キレやすくなるケースもあるのです。
また、年齢が若い場合、新型うつ病の可能性もあります。新型うつ病は気分の乱効果が特徴で、キレやすくなるのも症状の1つです。
病気ではないけれど、疲労やストレスを強く感じて、一時的に感情のコントロールが難しくなっているとも考えられます。
すぐキレる男性の特徴
すぐキレる男性は、プライドと承認欲求が高い性格が特徴です。常に上の立場にいたいと考えているため、見下されたり低評価されたりすることに敏感です。
根っこが小心者なので、人の意見を大らかに受け止められず、すぐに被害妄想を膨らませます。そして、自分の身を守るために、キレて周囲に攻撃をしかけるのです。
また、すぐキレる男性は他人に厳しい思考を持っています。自分は棚に上げて、周囲に責任と行動を強要します。人をコントロールしたい欲求が強いため、思い通りにいかないと、すぐにキレてしまうのです。まるでイヤイヤ期の2歳児のように癇癪を起こすので、非常に面倒な存在です。
すぐキレる女性の特徴
すぐキレる女性は、とても気を遣うタイプが多いのが特徴的です。自分に厳しく、いろいろな義務を課します。そのため、すぐにキャパオーバーになってしまうのです。
しかも、他人にも厳しいです。「私がこんなにしているのに」「どうしてわかってくれないの?」という思考が特徴的。頑張っているのに相手が応えてくれないとキレてしまうのです。
更に、すぐキレる女性は人を頼るのが苦手です。自分で何でも背負ってしまいます。手を伸ばせば助けてもらえるのに、「そんなことはできない」と1人で頑張り、そして爆発してしまいます。
「頑張っているのに認めてもらえない」の無限ループで、どんどん周囲への不信感を膨らませて孤立していきます。
職場ですぐキレる人の特徴
職場ですぐキレる人は、能力が低いのが特徴です。仕事の実力がないため、キレて自分の存在をアピールします。
特に弱者には強気で、自分の弱さを見抜かれないよう、追い抜かれないよう、キレて屈服させようとするので性質が悪いです。
本来、職場でキレるのは、非常に恥ずかしいこと。「自分は無能」と叫んでいるのと同じです。しかし、職場ですぐキレる人は社会経験が乏しく、今の職場が世界の中心だと思っています。そのため、自分がいかに頭の悪い行動をしているのか気付けません。ある意味、可哀想な人なのです。
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否定されるとキレる人は無視すべき?
否定されるとキレるのは、「自分の意見」ではなく「自分そのもの」を否定されたと拡大解釈をしてしまうからです。あなたはそんなつもりがなくても、キレた人は大きく傷ついています。キレるのは、傷つけたあなたに怒りを感じているからです。
全く理にかなっていない怒りをぶつけられれば、言い返す言葉が次々と思い浮かんでくるでしょう。キレている段階で、既に支離滅裂ですから、論破は簡単と思うかもしれません。
しかし、キレている人に言葉を畳みかけるのは火に油。理性的な対話は無理な状態ですから、逃げるが勝ち。無視するのが正解です。
ただし、何も言わずに無視すると、相手は益々怒り狂うかもしれません。「落ち着いたらまた話そう」と一言伝えて、その場を立ち去ると良いでしょう。
思い通りにならないとキレる人の対処法7個
思い通りにならないとキレる人には、どのように対処したら良いのでしょうか。詳しく解説します。
■1. 事前に情報を丁寧に伝える
キレる人はイレギュラーに弱く、あっという間にキャパオーバーします。特に、突然の事態に臨機応変に対応するのが苦手です。
テンパって切れてしまわないよう、事前に情報を丁寧に伝えましょう。「言わなくてもわかるだろう」と考えず、情報伝達する一手間を加えてあげるのです。
情報が充分にあれば、すぐキレる人もさまざまなシミュレーションができます。その分落ち着いて対応できるようになるので、キレる機会を減らすことが可能です。
また、あなたが丁寧に伝えることで「大切に扱われている」という実感が生まれます。信頼関係が育てば、キレて身を守る必要がなくなるので、穏やかに付き合えるでしょう。
■2. 言葉のチョイスに気を付ける
すぐキレる人は、侮辱や否定に敏感です。あなたにそのつもりがなくても、揚げ足をとるように「こんな酷いことを言った!」と、被害妄想を膨らませるかもしれません。ですので、言葉のチョイスには気を付けましょう。具体的なポイントを教えます。
・ネガティブで否定的な表現を避ける
・あいまいな表現を避け、具体的でわかりやすく簡単な言葉を選ぶ
・意見する前に、相手の意見を一度受け止めて褒めたり肯定したりする
・「ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど」と、前置きをする
・穏やかでゆったりとした口調を心がける
同じ内容でも、言い方や表現方法を買えるだけで、すぐキレる人も素直に受け入れやすくなります。相手の逆鱗を避けて、上手に伝えていきましょう。
■3. 相手の話を良く聞く
すぐキレる人は承認欲求が強いので、話をよく聞いてあげることが重要です。相手が話し始めたら、適度な相づちを入れつつ、口を挟まず聞き役に徹しましょう。「ん?」と思うことがあっても、とりあえず最後まで聞くのが重要です。
話しを聞いたら、「〇〇なんだね」と共感しながら確認してから、疑問点を聞くと良いでしょう。意見交換する場合は、「自分がわからなくなっちゃうから、メモしながらでもいいかな?」と断りを入れて文字化すると、やり取りがスムーズになります。
■4. キレてるときは刺激を与えない
対策してもキレてしまうときもあるでしょう。この場合は、身の安全を確保しつつ、そっと距離を置きましょう。
何も言わず、相手の言葉が途切れるまでは待ちの態勢に入ります。とにかく刺激を与えてはいけません。
■5. 言いなりにならない
キレる相手を目の前にするのは、とても怖いですよね。しかし、怖いからと言いなりになってはいけません。キレてあなたが言いなりになると、「やっぱりキレて正解。困ったらキレればなんとかなる」と、相手が誤学習してしまいます。
キレている内容が正当ならば応じても良いですが、あなたが嫌と思うこと、間違っていることは、きっぱり断りましょう。
もしも、「言いなりにならないと身の危険がある」と感じるなら、その場から速やかに逃げるべきです。とりあえず逃げて、後で体勢を立て直しましょう。
■6. 自分の味方を集めて数で防衛する
1対1での対処が難しいなら、自分の味方を集めて、数で防衛するしかありません。すぐキレる人は小心者ですから、あなたが強い味方を集まれば、「敵わない…」と判断し、大人しくなる可能性は高いです。
ただし、数で行うのは防衛のみ。キレられてムカついていても、攻撃に転じるとイジメになってしまうので気を付けましょう。
■7. 徐々にフェードアウトを狙う
可能であれば、すぐキレる人とは関りを減らすのが賢明です。と言っても、突然距離を置くと「無視された!」「イジメだ!」と騒ぎ立てるリスクがあります。
すぐキレる人と距離を置く場合は、少しずつ接触を減らして、徐々にフェードアウトを狙うのがポイントです。
連絡や会話を減らして、相手に気づかれないように距離をとりましょう。自分を忙しくして、物理的に関われない時間を増やすのも良いでしょう。
職場でキレる人の対処法
職場でキレる人には、キレるきっかけを与えないのが、最大の対処法です。報告、連絡、相談を徹底し、事前に確認しながら仕事を進めましょう。会話だけではなく、メールや文書など証拠を残すことも重要です。
また、キレる人よりも立場が上の人を味方につけるのも効果的。職場だからこそ、人間関係を最大に活かすべきです。運悪く上司がキレるタイプなら、キレた日時と内容をメモしておきましょう。場合によっては、パワハラで訴えることも検討すると良いでしょう。
とにかく、同じ舞台に立たないことです。職場でキレた相手にキレて返すと、あなたの立場も悪くなってしまいます。相手がキレればキレるほど、あなたは冷静になり、問題を明確化して対処しましょう。
まとめ
「キレるから嫌い」と思うのは簡単です。しかし、切りたくても切れない相手ならば、嫌いになるとあなたのストレスが溜まるだけ。好きになる必要はありませんが、嫌いにならない方が精神衛生上良いでしょう。
すぐキレる人にも原因や言い分があります。付き合いが必要ならば、できるだけ相手を理解する努力をしましょう。攻略法がわかれば、今よりも穏便に付き合っていけるでしょう。