三河弁とは?
三河弁(みかわべん)は、愛知県東部の三河地方を中心に使われている方言です。
愛知県の方言にはそのほかに、名古屋弁、尾張弁がありますが、そのなかでも三河弁は標準語のイントネーションやアクセントに近いといわれているのです。
三河弁の特徴
三河弁の特徴として、語尾に「じゃん」「だら(だらー)」「りん」が付くことが挙げられます。
「だら」「りん」などは、使う地域によっては相手をけなす言葉に捉えられることもあるため、使い方に注意が必要です。
「りん」も使い方によっては命令形になるため、相手の気分を害させることがないように、特に目上の人、先輩などに使うときには注意したほうがよいでしょう。
三河弁は日本一汚い方言?
三河弁は「日本一汚い方言」などといわれることもあります。
これには、語気を荒げる人がいたり、「だら(だらー)」「じゃん」「りん」のように、語尾のクセが強いため「汚い」といわれることが挙げられるようです。
その反面、とてもかわいいと感じる人もいる方言でもあります。
どのような印象を受けるかは、人それぞれといえるでしょう。
三河弁のかわいい方言 20選
1「あーへん」
「ない(無い)」という意味
【例文】ここにあったスマホがあーへん
2「かいいこ」
「買いに行く」という意味
【例文】洋服かいいこ
3「みりん」
「~(し)なさい」という意味
【例文】電車に乗ってみりん
4「よんどくれん」
「呼ぶ」「誘う」「誘ってください」という意味
【例文】今度よんどくれん
5「おくれん(くれん)」
「ちょうだい」という意味
【例文】私にもおくれん
6「きんにょ(きにょう)」
「昨日」という意味
【例文】きんにょ(きにょう)食べた
7「こーへん」
「来ない」という意味
【例文】
あの人、こーへんなー
8「ちょびっと」
「少ない・少し・ちょっと」という意味
【例文】
ちょびっとしかない
9「はよ(はよー)」
「早く」という意味
【例文】
はよー行こうよ
10「ぺっしゃんこ」
「つぶれる」という意味
【例文】
車に轢かれてぺっしゃんこになった
11「へぼい」
「弱い」という意味
【例文】
体がへぼい
12「ほっか・ほっかー」
「そうか」という意味
【例文】
ほっかー、わかったよ
13「ほだ、ほだほだ」
「そうだ」という意味
【例文】
ほだ、あれ言い忘れてた
14「ほえ」
「ねえ」「ちょっと」という意味
【例文】
ほえ、ちょっと待ってて
15「どいい〜」
「とてもいいね〜!」という意味
【例文】
どいい~!似合う
16「早くやりん」
「早くやりなさい」という意味
【例文】
片付け早くやりん
17「そうだに」
「そうだよ」という意味
【例文】
「(何か質問に対して)」そうだに
18「行くだら」
「行くでしょ?」という意味
【例文】
一緒に行くだら
19「おこれる」
「ムカついた」という意味
【例文】
どえれぁーおこれてきた
20「やーへん」
「やろう」「やらない」という意味
【例文】
一緒にやーへん(誘う)
私はやーへん(断る)
三河弁の面白い方言 20選
1「ぐろ」
「端っこ・隅っこ」という意味
【例文】部屋のぐろに置く
2「じゅるじゅる(じゅるい)」
「ぐちょぐちょ」という意味
【例文】そこの道、じゅるじゅるだよ
3「かっちん玉」
「ビー玉」という意味
【例文】きれいなかっちん玉
4「だだくさ」
「無駄遣い」という意味
【例文】
調味料をだだくさに入れすぎ
5「ちょうらかす」
「(人を)からかう、あやす」という意味
【例文】
泣いている子どもをちょうらかす
6「ぞぞげがたつ」
「ぞっとする」という意味
【例文】
怖すぎてぞぞげがたつ
7「ほじる・ほじくる・ほじって」
「掘る」という意味
【例文】
土をほじる
8「だだくさめー」
「すごくたくさん」という意味
意味がわかりづらい三河弁の部類でしょう。
【例文】
この野菜、だだくさめーある
9「でんしんぼう」
「電柱」という意味
【例文】
二本目のでんしんぼうを右折
10「血が死ぬ」
「あざ(青あざ)」という意味
【例文】
足を打って血が死ぬ
11「いっぴゃ」
「一面いっぱい」という意味
【例文】
池にいっぴゃの水草
12「おおちゃくい」
「怠ける」という意味
【例文】
今日は疲れてるからおおちゃくい
13「おらたー」
「俺たち」という意味
【例文】
おらたー、行ってくる
14「おんし・おまん」
「おまえ」、「あんた」という意味
【例文】
これ、おんし(おまん)の分
15「きもい」
「(サイズが)きつい」という意味
【例文】
この服、ちょっときもい
16「くるう」
「戯れる(たわむれる)」という意味
【例文】
犬とくるう
17「こしょぐる」
「くすぐる」という意味
【例文】
こしょぐるのやめて~!
18「こましゃくれる」
「大人びる」という意味
【例文】
こまっしゃくれた子どもだね
19「しいーこ」
「おしっこ」という意味
【例文】
寝る前にしいーこしなさい
20「しょこなう」
「背負う」という意味
【例文】
リュックをしょこなう
三河弁のその他の方言 10選
1「ひずるしい」
「まぶしい」という意味
【例文】
太陽がひずるしい
2「ひとなる(しとなる)」
「育つ」という意味
【例文】
この野菜、ひとなるのが速い
3「あんきに」
「安心して」という意味
【例文】
大丈夫、あんきに
4「おくれる」
「貰う」という意味
【例文】
あの人からおくれる
5「おどける」
「驚く」という意味
【例文】
おどけるわ
6「せいがいい」
「元気がいい」という意味
【例文】
あの人、いつもせいがいい
7「せばい」
「狭い」という意味
【例文】
あの道、せばい
8「ぜん」
「お金」という意味
【例文】
ぜんもってく?
9「せんしょこき」
「おせっかい」という意味
【例文】
せんしょこきはやめる
10「でんでんむし」
「かたつむり」という意味
【例文】
そこにでんでんむしがいる
三河弁の早口言葉
名古屋弁の早口言葉が有名ですが、三河弁にも早口言葉があります。
以下のような早口言葉が知られています。
【早口言葉①】
「そういやけったこわけてまったでちゃっとけったやいかなかんかったわ」
=そういえば、自転車が壊れてしまったので、早く自転車屋さんに行かなきゃいけなかったよ~
自転車を意味する「けった」や、壊れるを意味する「こわける(こわけて)」、早く・すぐを意味する「ちゃっと」などの三河弁が詰め込まれている早口言葉です。
【早口言葉②】
「こんどんときはときんときんのえんぴつもってかんとかん、てかちゃんとけずっとかんとかんっていっとかんとかん」
=今度は尖った鉛筆をもっていかないといけない。というか、きちんと削っておかなければいけないと言っておかなければいけない。
尖ったものを表現する「ときんときん」など、三河弁の特徴が凝縮されている早口言葉です。
そのほかにも、三河弁の早口言葉にはさまざまなものがあります。
方言の意味を理解しながら、これらの早口言葉にも挑戦してみて下さい。
まとめ
三河弁のイントネーションやアクセントの特徴、さまざまな意味についてご紹介してきました。
「汚い方言」などといわれることもある三河弁ですが、調べてみると魅力的な面がたくさん見つかることが分かります。
日常で使えるワードもあるため、アレンジしながら使ってみるのも面白いでしょう。