ソシオパスとサイコパスの違い15個と見分け方

「ソシオパス」「サイコパス」という言葉の意味を何となく理解していても、細かな違いが分かっている人は少ないでしょう。同じような特性が見られますが、さまざまな違いがあるのです。

そこで今回は、ソシオパスとサイコパスの違いについて、詳しく解説します。

ソシオパスとは、反社会性パーソナリティ障害という精神疾患の一種。その名の通り、社会性に乏しく、ルールを破ったり、人を騙したりなどの特徴が見られます。自分の利益のためなら、罪悪感なく他人を陥れ、場合によっては犯罪行為を行う恐れがあります。

周囲から非難されても、言い訳や責任転嫁をし、悪びれる様子がありません。なぜ自分のために人を傷つけてはいけないのか、理解できないのです。

なお、ソシオパスは後天的な障害です。ネグレクトや暴力暴言などの虐待歴があるケースが多く、何らかのトラウマが原因と言われています。子供時代に人との愛着形成ができないと、相手の気持ちがわからず、人格に悪影響が出るのでしょう。また、身近に反社会性パーソナリティ障害の人がおり、憧れの念から模倣する形でソシオパスになるケースもあります。

サイコパスも、反社会性パーソナリティ障害の一種。ソシオパスとサイコパスは、医学的には同じ特性を持った障害に分類されます。ソシオパスと同じく、社会性や共感力に乏しい故に、自分の利益のためにためらいなく他者を傷つけるのが特徴です。

ソシオパスが後天的な障害であるのに対し、サイコパスは先天的な人格障害です。周囲の環境に関係なく、善良さがありません。サイコパスは遺伝性があると言われています。近親者がサイコパスの特性を持っていると、発症リスクは高まる傾向があるのです。

ただし、反社会性パーソナリティ障害を持っている人は、子供にネグレクトや虐待を行うケースがあり、親と子の成育歴を調べなければ、遺伝による先天性のサイコパスなのか、後天的なソシオパスなのかの見分けは困難でしょう。

ソシオパスとサイコパスは同じ反社会性パーソナリティ障害に分類されますが、以下のように細かい違いがあります。

最も大きな違いは原因因子です。サイコパスが生まれながらの気質、特性が原因の先天性であるのに対し、ソシオパスは環境による後天的な原因で起こります。

どちらも18歳以上にならないと診断はおりませんが、先天性のサイコパスは幼少期から特性が見られます。一方、ソシオパスは後天的なものが原因なので、多くは成育歴に問題がありますが、中には大人になってからの環境変化によって発症する可能性も考えられます。

ソシオパスとサイコパスには違いがあるため、適切な接し方も変わってきます。しかし、一見似たような行動特性が多いので、どちらに当てはまるのか判断に迷うこともあるでしょう。そこで、ソシオパスとサイコパスの見分け方を紹介します。

ソシオパスとサイコパスは原因が違います。ソシオパスは後天性の障害で、特に辛い子供時代を送ったケースが多いです。見分ける方法として、成育歴に虐待の有無があるかどうかは、外せない判断材料となります。

ただし、虐待は非常にデリケートな問題です。ストレートに聞くわけにはいきませんので、さり気なく自分の子供時代の話を出すのが良いでしょう。このとき、親に怒られて辛かった話題を出し、相手が乗ってくれば共感を示すのがポイント。上手く同調し、話を聞き出しましょう。

ソシオパスは理解者に対して愛着を持つことがあります。一方、サイコパスは他者への共感や愛着、依存性がとても低いです。会話をする際、あなたが聞き役に徹し、相手の全てを肯定して共感したときの反応で見分けられます。

あなたが寄り添うと喜び、理解者として接してくれるならソシオパスです。一方、サイコパスは無駄な会話を望みません。共感や肯定をされるだけの会話は、自分の情報を提供するだけなので無意味と判断し、早々終了するでしょう。

衝動性の強さも、ソシオパスとサイコパスを見分ける重要なチェックポイントです。良く観察し、何を理由に行動を決めるのか見極めましょう。

「楽しそう」「自分の思い通りにしたい」と、衝動的に行動するのはソシオパスです。衝動買いが多かったり、周囲の目を気にせず相手を攻撃したりなど、一時的な感情で行動を起こします。一方、サイコパスは総合的に物事を考えるので、わかりやすい衝動性はあまり表に出しません。

後先考えず行動するソシオパスに対し、サイコパスは非常に計画的。しかも狡猾です。ソシオパスはバレバレの嘘をついたり、感情的に言い訳や責任転嫁をしたりするので、周囲からの反感を買いやすく、人間関係のトラブルが多いのが特徴です。

一方、サイコパスは自分の利益のために緻密な計画を立てます。人間関係のトラブルがマイナスと考えれば、コネクション作りもするでしょう。目先に囚われず隙のない計画を立てるかどうかは、見分ける重要なポイントです。

ソシオパスもサイコパスも精神疾患であり、診断は医師にしかできません。表面上特性が表れていても、医師以外が見分けるのは非常に困難です。安易に「あの人はソシオパス（サイコパス）」と決めつけるのは危険。最終的には、医師の判断となります。

ソシオパスとサイコパスの違いがわかると、どのように接すれば良好な人間関係が築けるのかが見えてきます。必ずしも犯罪行為をしたり、周囲を困らせたりするとは限らないので、適切な関わり方でスムーズなコミュニケーションを心がけましょう。