「ホロスコープ」というタロットの展開法(スプレッド)を知っていますか?
タロットには実にたくさんのスプレッドがあり、それぞれのスプレッドにおいて得意な分野があります。占う目的、対象の人物や時期、リーディングのしやすさなどで使い分ける必要があるので、スプレッドの種類はたくさん知っているほどいいのです。
ホロスコープは13枚のカードを使って占う方法です。西洋占星術のホロスコープの形にカードを展開し、各カードをハウスに見立ててリーディングを行います。問題の全体像を把握するためや、一年間の運勢などを見るために使うことが出来ます。
使用カード数が多いため初心者さんは少し練習を重ねる必要がありますが、どんな質問にもある程度対応できる便利なスプレッドです。占星術の知識があるとなおリーディングが詳しくできます。
ここでは「ホロスコープ」のスプレッドの意味、占い方、リーディングの仕方について紹介しています。
ホロスコープスプレッドの意味とは?
ホロスコープとは、占星術における天体の配置図で、ある瞬間の惑星の位置をプロットした図表のことです。惑星、黄道十二宮(サイン)、十二室(ハウス)、角度(アスペクト)の4つの要素で構成されています。
タロットで使うホロスコープスプレッドは、占星術のホロスコープをタロットカードの配置で表現したもので、円形に並べた12枚のカードをハウス(地球上から見上げた空を12のエリアに区分けしたもの)に見立てています。
それぞれのハウスには対応する意味が持たされています。それらが今の自分とそれぞれの関係性、状況などを示し、最後に中心に置いた13枚目が道を開くヒントを与えてくれるという構成になっています。
各ハウスは様々な意味合いを持っているので、占う内容に応じて使い分ける必要があります。ハウスごとの意味を覚えるのが少し大変ですが、タロットと占星術はリンクさせることができる場合が多く、知っていて損はありません。また、あらかじめ占星術の知識があるととても使いやすいスプレッドです。
ホロスコープスプレッドの展開法[図解付き]
まずは、占う内容と占う対象(人物)を決めます。占う事柄について集中しながらカードをしっかりとシャッフル、カットします。
ホロスコープにおいて使用するカードは大アルカナのみ、または小アルカナのみとする文献もあります。78枚フルデッキを使用する場合もあるようです。使用カードを絞るとカードの関係性が把握しやすくなったり意味が取りやすくなったりする利点があります。
十分にシャッフル&カットできたら、カードを裏に向けたまま一山にまとめ、上から順番に取って正しい位置にカードをレイアウトします。
まず、机の左側、中央からやや下の場所に1枚目を置きます。そこから右回りに、ぐるりとだ円を描くように12枚目まで置きます。
この12枚が、ホロスコープの各ハウスを表現するものです。最後にそのだ円の中心に13枚目を置いて完成です。
ホロスコープスプレッドのリーディング・読み方・解釈
それぞれの位置のカードが表している事柄は次の通りです。
1枚目:自分のハウス:自分(占う人物)について
自分自身に関する内容です。持って生まれた容姿、性格、心理状態などを示します。今自分が置かれている状況について示す場合もあります。
2枚目:生産のハウス:経済活動、収入、所有、親子関係などについて
金運、経済的な状況に関する内容です。これから入ってくるお金、所有する財産や持ち物、収入減となっている仕事について示しています。
3枚目:コミュニケーションのハウス:兄弟姉妹、短い旅、取引、学習や教育について
思考や教養など、知的活動に関すること。また、手の届く距離にある近しい人やものの関係性と移動についても示しています。
4枚目:家のハウス:居場所、家族、習慣、物事の最終的な結果について
家庭環境について。家族、住環境などプライベートなこと、またお墓に関するなどことも示します。
5枚目:愛のハウス:恋愛、楽しみ、遊び、趣味、子供について
喜びと成果に関する内容を示します。恋愛や子供に関することから、趣味やギャンブル、勝負事、投資に関することまで幅広く示します。
6枚目:任務のハウス:仕事、義務、責任生活習慣について
活動的な内容を示します。仕事やライフワークに関すること、健康についても司ります。
7枚目:他者のハウス:人間関係全般、パートナーシップ、結婚や離婚について
対人関係全般の内容を示します。現在繋がっている人との関係性、股これから出会う人との関係性も表します。
8枚目:ギフトのハウス:他者の財産、経済的な人間関係、贈り物、継承について
遺産や贈り物、あるいは生死、手術に関することなど、自身のみの力では動かしがたい内容について示します。セックスについても暗示します。
9枚目:旅のハウス:冒険、旅、学問の専門分野、思想について
勉強や学問に関する内容を示します。また「手が届きづらい遠くのこと」も暗示し、海外、旅、宗教や思想についても司ります。
10枚目:目標と結果のハウス:社会的立場、地位、仕事、目標、成果について
成功と評価、権力に関する内容を示します。会社のトップや父親など、威厳や権威を持つ者との関わりも表します。
11枚目:夢と友のハウス:未来、希望、友情、仲間、夢、奉仕活動について
友人関係や周囲の人々についての内容です。SNSなど広いコミュニティでの出来事も含まれます。
12枚目:秘密のハウス:過去、隠されたもの、秘密、ひとりの時間、犠牲、救済について
表には現われにくい心理、秘密にされている事柄を表します。見つかっていない病気なども暗示することがあります。
13枚目:各局面を打開するためのヒント、対応策
全体的な運勢を総括する部分です。他のハウスで足りなかったことを補足している場合や特に重要な部分を強調している場合、核心と対策について出ている場合などがあります。
ホロスコープのタロット占いのやり方5ステップ
①タロットカードを裏向きにしてよくシャッフルします。
②質問内容を心の中で唱える。(想像しにくいと感じる場合は、紙に書き出しても大丈夫です。)
③好きなカードを裏向きのまま13枚引き、レイアウトします。
まず、机の左側、中央からやや下の場所に1枚目を置きます。そこから右回りに、ぐるりとだ円を描くように12枚目まで置きます。最後にそのだ円の中心に13枚目を置きます。
④カードを表向きにして、そのカードから感じることを読み解いていきます。
⑤それぞれのカードが示している事柄は以下の通りです。詳しい説明は上記の「ホロスコープのリーディング・読み方・解釈」を参照して下さい。
1枚目:自分のハウス
2枚目:生産のハウス
3枚目:コミュニケーションのハウス
4枚目:家のハウス
5枚目:愛のハウス
6枚目:任務のハウス
7枚目:他者のハウス
8枚目:ギフトのハウス
9枚目:旅のハウス
10枚目:目標と結果のハウス
11枚目:夢と友のハウス
12枚目:秘密のハウス
13枚目:各局面を打開するためのヒント、対応策
ホロスコープで占うおすすめの内容
「ホロスコープ」のスプレッドが向いているのは、恋愛運・結婚運・仕事運・未来・自己分析・人生・金運・健康運についての占いです。
恋愛、結婚、仕事、金運、健康などの細かい内容も、総合的な内容も一度に占えることが大きな特徴です。
恋愛や結婚については5枚目の愛のハウスと7枚目の他者のハウス、仕事については2枚目の生産のハウスと6枚目の任務のハウスと10枚目の目標と結果のハウス、金運については2枚目の生産のハウスと8枚目のギフトのハウス、健康については6枚目の任務のハウスなどをそれぞれ参考にすることができます。
それぞれのハウスに出ているカードの関係性を見ることで、あるハウスに悪いカードが出ていた場合どのようにすればそれをカバーすることができるか、今は進めた方がいい事柄、やめておいた方がいい事柄などが分かるはずです。
未来を占いたい場合、1枚目から12枚目までのカードをそれぞれの月に見立てて、一年間の運勢占いとすることができます。1枚目は1月(1ヶ月目)、2枚目は2月(2ヶ月目)の運勢を表しています。13枚目は「一年を通してのアドバイス」になります。
ホロスコープでタロット占いをするときの注意点
ホロスコープでは1年間の運勢を見ることが出来ます。しかし、タロット占いはそもそもあまり先の未来を占うことには向いていないので、3ヶ月もすると占いで出た内容と流れが変わってくる可能性があります。
あくまで傾向を見るため、流れを把握するためとしてとらえておきましょう。あまりに大きく変わってきた場合は、もう一度占ってみるのもおすすめです。
また、各ハウスが示す意味のバリエーションがかなり豊富なので、どういう意味に取って良いか分からなくて(特にフルデッキで占った場合)混乱してしまう可能性があります。
慣れないうちはあらかじめ気になる事柄や占いたい内容を絞っておく、使うカードを大アルカナのみにするなど、読み取りやすくする工夫をしてみましょう。
まとめ
「ホロスコープ」は13枚のカードで占う、中級者向けのスプレッドです。
未来における様々な運勢を読み解くことができるのが大きな特徴で、全体運を把握することもでき、仕事運や恋愛運など細かな内訳も分かり、さらにどの時期に何が起こるかなどの未来もおおよそ推察することができるオールマイティなスプレッドです。
ホロスコープのスプレッドを使いこなすにはそれなりに占星術の知識が必要になりますが、タロットや他の種類の占いに役立つことも多いので、この機会に勉強してみるのはいかがでしょう。