引っ越しは人生において大きな転機の一つです。就職や進学、転勤や転職で住み慣れた土地を離れ新たな生活を始めるひとも多いでしょう。しかし、その転機で運気を下げてしまうことがあります。それが凶方位への引っ越しです。
今回は凶方位の意味や運気の低下を避ける方法を紹介します。
凶方位とは？
凶方位とは九星気学で「運気を下げる悪い気の影響を受ける方位」として避けるべきものとされています。
引っ越しをする上で避けるべき方位とされているものは「五黄殺」「暗剣殺」「破壊殺（歳破）」「本命殺」「本命的殺」「月命殺」「月命的殺」の七つが挙げられます。
流派や占い師さんの考え方によってはもう少し数が増える場があります。
凶方位への引っ越しを行うと「病気になる確率が上がる」「事故に遭う」といった生命に直結するような辛いことが起こるといわれています。
その他にも「性格の悪い（合わない）上司や同僚と仕事することになる」「夢や目標が壊される」「家族やパートナー、友人との不仲（または別れ）」「業績悪化」といった人生が暗転するといわれています。
凶方位の調べ方・出し方
引っ越しにおける凶方位を調べるには引っ越しを実行する年の年盤を確認します。八方位の中で「五黄殺」「暗剣殺」「本命殺」「本命的殺」「月命殺」「月命的殺」「破壊殺（歳破）」に該当する方位を探します。
事前準備として本命星と月命星の把握が必要です。
◯五黄殺
八方位の中で五黄土星が配置されている方位です。五黄土星が中央にある年は五黄殺がありません。
◯暗剣殺
五黄土星と対になる凶方位で八方位の中で五黄土星が配置された反対側の方位です。五黄土星が中央にある年は暗剣殺がありません。
◯本命殺と本命的殺
八方位の中で本命星が配置された方位とその反対側の方位です。本命星が中央にある年は本命殺、本命的殺はありません。
◯月命殺と月命的殺
八方位の中で月命星が配置された方位とその反対側の方位です。月命星が中央にある年は月命殺、月命的殺はありません。
◯破壊殺（歳破）
破壊殺（歳破）は引っ越しを実行する年の十二支が担当する方位の反対側です。例えば「子年」の場合は十二支の「子」は北を担当するので南が破壊殺「歳破」となります。
※方位と十二支の配置図
※参考：2021年の年盤
（本命星：三碧木星 月命星：八白土星）
参考例は凶方位がバラバラになりましたが一つの枠に二つ、三つと重なる場合があります。例えば本命星が七赤金星の場合、暗剣殺・本命殺、五黄殺・本命的殺が重なります。
凶方位の引っ越しの影響
◯暗剣殺
起こる事象は他者、もしくは外部的な要因によるものが多い。事故や風評被害など自分に原因がなく一方的に傷つくもの。その他には職場のイジメ被害やパワハラなど。
◯五黄殺
内側から侵食されるようなものが多い。がんなどの大きな病気が発覚する、精神疾患、神経疾患に罹る。自分の不注意や気の緩みからトラブルになり大炎上となる。自分の内側や精神的な原因やきっかけがある。
◯破壊殺
目標や夢が破壊される。大切な人達と不仲になる。別れる。商談、取引がうまく纏まらない。人間関係、信頼が崩壊する。「やぶる」のイメージがある事象が起こる
◯本命殺・月命殺
原因がはっきり特定できない病気や不調に悩まされる。怪我が増える。肉体的なダメージを受ける可能性がある。
◯本命的殺・月命的殺
悩みが増える、イライラするなど精神面での影響を受ける。対人関係悪化、悪縁など目に見えない分野の悪影響がある。
凶方位の引っ越しは気にしない？関係ない？
凶方位の影響はとても個人差が大きいです。全く気にしない、影響を実感しない人もいます。そのため「全く気にしない」という人も多くいます。逆に引っ越しをしたころから不運、不調が続くと申告する人もいます。
まず勘違いして欲しくないことは「凶方位は呪い・祟りといった霊的なものでは無い」ということです。
凶作用により起こった事象に対してどのように受け止め対応するかによって違いがでます。
これは性格や行動によって結果に違いが生じるということです。
呪いや祟りは性格も行動も関係なく結末は同じです。専門の能力がある人によって除霊、お祓いをしてもらうしかありません。
結論をまとめると凶方位は恐れるものではなく、引っ越しという大きな環境の変化をきっかけに自分の生活や性格を見直しなさい、あるいは調子に乗らないように気をつけなさいという教えと考えてネガティブに意識しすぎないことが大切です。
凶方位の引っ越し距離が近距離の場合は？
引っ越し先が現在の家から直線距離でおよそ800m以下は吉作用も凶作用もないとされています。しかし、何事もないかというと影響はある可能性があります。理由は距離にかかわらず方位は大切であると考えます。
例えば、同じ敷地内にある会社の寮で別の棟に移動したとします。方位が変われば同じ敷地内の短距離であっても日当たり、風通しが変わります。場所によっては近隣からの騒音もかわります。これらは健康に影響を及ぼす可能性があります。
会社の寮となれば隣室や棟内の関係が悪ければ仕事に影響する可能性もあります。もちろん逆のパターンもあり得ます。
短距離の移動でも人生や健康に影響を与える事があるということを意識することが大切です。
凶方位の引っ越しの対策3個
■1. 候補地の下調べをしっかりと行う
とくに遠方に引っ越す場合は地域の事情をしらず引っ越しをしてしまい大変な目にあう事があります。
治安、地形、どのような店があるか、学校や職場までの距離や道路の状況は整備されているか等、しっかり把握していないと生活に多大な支障がでて健康や財産を失うことになります。また、引っ越し候補地のマナーや民度が分かれば不幸の確率は減らせるでしょう。
遠方の場合、地図と口頭確認だけで引っ越し先に到着してみたら隣は工業地帯で空気が汚い、臭いといった事があります。その他にも飲み屋が多く夜も騒がしい、害虫が多い、線路のすぐ近くで振動が酷いといった苦痛をうける可能性があります。
そのような環境ではネガティブな気分での生活は健康運を大きく下げてしまう可能性があります。事前に周辺環境を確認しましょう。
■2. 過剰に凶方位を恐れない
凶作用と不安はセットです。恐れ不安に満ちているとちょっとしたことでも不幸と関連付けしてしまいます。
例えば足の指をドアにぶつけた、階段でつまずいた、そんな小さな事でも「凶作用の不幸の始まりではないか」と不安妄想が膨らんでいきます。
不安が大きくなれば注意力も集中力も下がり、ストレスも大きくなり神経質になります。そのような生活は決して幸せではありません。
病気のリスクも上がり、不注意から怪我をする、仕事のクオリティも下がり評価がさがり、感情が不安定になり人間関係も崩れていく・・・まさしく「凶作用」と呼ばれる事象がおこります。
凶作用の解説には恐ろしいことがかかれていますが凶方位＝不幸の呪いではありません。注意や警戒、節制などは必要かもしれませんが恐れるものではありません。天気予報と同じです。降水確率をみて絶望するのではなく傘をもって外出すればよいのと同じです。
■3. 神社で方位の災厄を避ける御祈祷を受ける
事前に引っ越し先が凶方位であると分かっていれば、引っ越しの前に神社で祈祷料を払い昇殿し神職の主導で「引っ越し先で不幸や辛い事が起こりませんように」と祈り願うことで悪い影響を避ける、小さく済ませることができるとされています。
凶方位の引っ越しのお祓いは？
凶方位への引っ越しが避けられないものである場合、「引っ越し前」に神社へ行き御祈祷をすることで影響を少なくすることができるといわれています。
神前で「引っ越し先で病気や怪我をすることなく幸せに過ごせますように」と祈り願うことで神様の力で守って頂くという形です。
お祓いは「身についた悪い物を落とす」という事後の行為であり除霊などがお祓いに該当します。一部の神社を除き除霊などの祓う行為は行っていないので引っ越し後、トラブルがあってからでは「効果は期待出来ない」といえます。
感染症に対するワクチンの考え方と同じです。事前に行うもので発病してからでは意味がありません。
御祈祷を受ける最大のメリットは「不安の軽減」です。前項でも書きましたが不安が凶作用をより強く実感する原因になります。引っ越しは不安と恐怖をもって行うのではなく期待を持ってワクワクした楽しい気持ちで行うことがとても大切です。
まとめ
凶方位の影響や向き合い方、対策などを紹介しました。凶方位は呪いでも祟りでもありません。気にしすぎて不安になる事が最も良くない結果をもたらします。
降水確率70％の予報の時は雨が降ったらどうしようと不安になるより「傘を持って出かければ大丈夫」と安心するような感覚でいることが大切といえます。
たとえ凶方位が避けられなくても絶望せず、笑顔で楽しく思いやりをもって誠実にすごすことが大切です。
