オタクが同族嫌悪しやすいのはなぜ？治し方まで徹底解説！

同族嫌悪という言葉をご存知でしょうか。
趣味を生きがいに、自分の好きなものに向かって一直線に生きているオタクと呼ばれる人たちは、同族嫌悪しやすい、といわれています。それはなぜなのでしょうか？

本記事では同族嫌悪の意味や治し方まで、徹底解説しています。

同族嫌悪は、 自分と似ている人に嫌悪感を抱くことを意味します。

同じような言葉に、似たもの同士が憎み合うという意味の近親憎悪という言葉もあります。

同族嫌悪しやすい人は、親族や仲のいい友達、性質が似ている人、趣味や好き嫌いなど、自分と共通点が多い人のことを嫌う傾向があります。

同族嫌悪の対義語には、 「類は友を呼ぶ 」 「同気相求む」など、自分と似ている人や、気が合う人同士で自然と集まるということを意味する語句が挙げられます。

「類似性バイアス」と言う言葉は、自分と共通点がある部分に好感を持ち、高く評価することを意味します。
まさに同族嫌悪とは真逆の捉え方だといえるでしょう。

同族嫌悪は、 自分に対して否定的な感情がある人ほど起こりやすいです。
相手の中に自分と同じ嫌な部分を見出したときに、過剰反応してしまいます。

例えば、自分と趣味嗜好が同じ人や、同じコミュニティに属している人、似たような境遇の人や、考え方を持つ人が同族嫌悪する対象となります。

これは、自分と他人の区別がつきにくいため。
自分に近い人であればあるほど、その人がいることで自分の居場所がなくなるのではないか、という不安が生まれるためです。

同族嫌悪しやすい人には以下のような特徴があります。

人に共感しやすい人は身近な人に感情移入しやすく、自他の区別がつきにくい傾向があるため、同族嫌悪しやすいです。

自分と他人の境界線を強く引くことが大切で、そこが混ざってしまうことで自分と他人を比較しやすくなってしまいます。

そのため、自分に似ている人を嫌ったり遠ざけるようになるのです。

自分と好きなものが似ている人に嫌悪感を抱く場合は、 好きなものに対する独占欲が強いということでもあります。

自分の好きなものを一人だけで独占したい、誰よりも好きだという気持ちがあるため、自分と同じものを好きな人を敬遠するのです。

自己肯定感が低いということは、ありのままの自分を受け入れられないということで、自信がつきません。
そのため、自分で自分を認めることができなくなります。

自認できない場合、他者評価を必要とします。 自他の比較で自分の存在価値を図るため、周りと比較しやすく、劣等感を抱きやすいのです。

このように自己肯定感が低く、劣等感を抱きやすいと同族嫌悪しやすくなります。

同族嫌悪をする人は、 「誰かに特別に扱われたい」という気持ちが強いです。
そのため、自分の好きなものや趣味などを真似されることを嫌います。

自分の個性に似ているものが周りに多くなると、そこに埋もれてしまい特別感が薄くなります。
自分の個性を大切にしたいため、自分に似た人を遠ざけようとするのです。

同族嫌悪しやすい人は、自己否定が強い傾向があります。
自己否定とは、自分に価値がないと思い込み、自分が考えていることをすべて否定してしまうことです。

そのままの自分に価値がないと思い込んでいると、

「特別でなければいけない」
「優れていなければならない」
「いい子でなければいけない」

などの、自分に対するルールが発生します。
そのルールが担保しづらい状況で同族嫌悪の感情が生まれるのです。

同族嫌悪と似た心のはたらきで、自分が禁止していることをやっている人に対して嫌悪感を抱く場合があります。

心理学でシャドウといわれるもので、 自分が今までやりたくても抑圧してきたものをやっている人に対して怒りや悲しみの感情を抱くことです。

シャドウは同族嫌悪の原因にもなり得ます。しかし、排除しようとするのではなく、自分の一部として向き合うことが大切です。

同族嫌悪を治したい場合、その対処法や克服法はどんなものがあるのでしょうか。代表的なやり方を3選、ご紹介しています。

誰かに対して嫌悪感を抱いたとき、同族嫌悪を感じているのかもしれない、と 自分を俯瞰して観察してみましょう。

自分が相手を嫌いだ、苦手だ、と感じるのは相手のせいではなく自分の責任です。
相手のどういうところが嫌いなのかを内省していくと、自分のコンプレックスであったり、悩みの核心である場合があります。

嫌な気持ちは成長の糧になります。
自分が嫌悪感を感じた相手には、自分自身の成長のタネをもらえるのです。

同族嫌悪を治すには、 まず同族嫌悪しやすい自分をそのまま受け入れることが大切です。
同族嫌悪する自分を否定して変わろうとすると、いずれまた振り出しに戻ってしまいます。

まずは一旦「今の自分はこう感じているんだな、仕方ないな」とありのままの自分を受け入れることで次の成長へと進むことができます。

なんとなく苦手意識を持っている相手でも、きちんと話をしてみると 自分の思い込みで相手のイメージを作っている場合もあります。

嫉妬心を抱いて相手を敬遠していても、相手の努力している一面を知ると、嫉妬している自分が馬鹿らしくなるでしょう。

同族嫌悪する場合は、趣味やコミュニティが似ているだけではなく、性質や価値観も似ている場合があります。自分と向き合えば、一度嫌悪感を感じた人とも一気に仲良くなれる可能性もあるのです。

よく「オタクはオタクに同族嫌悪する」傾向があるといわれています。

オタクは、オタクであることがアイデンティティの一部になっています。
そのため、自分よりも面白かったり、知識が豊富だったり、お金をかけていたりなど、自分よりも優れているオタクがいると、自分のアイデンティティを維持できなくなってしまいます。

そのため、オタクはオタクに同族嫌悪しやすいのです。
しかし、その同族嫌悪からくる闘いが、多くのムーブメントを引き起こしているのも事実。

アイデンティティをオタク活動に見出すことは、諸刃の刃でもありますが、そういった一見ネガティブな感情があるからこそ、成長できるのかもしれません。

同族嫌悪についてご紹介しました。
同族嫌悪を感じやすいのは、自分の居場所を守るための自己防衛本能が強いということでもあります。

自分を守ってくれているその本能を否定するのではなく受け入れることで、きっと次に進むことができるようになるでしょう。