四柱推命において絶対に外せないのが、10種類の通変星です。10種類の通変星には様々な組み合わせがあり、それぞれ相性や出し方が違います。五行や陰陽と大きく関係しているなど実に奥が深い占いだと言えます。
10種類の通変星には様々な特徴があるため、命式を含め自分の通変星が何か知っておくとさらに楽しく読み解くことができますよ。
それでは、通変星の意味や種類、組み合わせ、相性などについてご説明しましょう。
四柱推命の通変星の意味とは?五行と関係?
四柱推命における通変星の意味とは、五行における相生、相剋、比和の関係を言葉に変換したものです。
通変星は、全部で『比肩・劫財・食神・傷官・偏財・正財・偏官・正官・偏印・印綬』の10種類で構成されており、日干を我とした五行の関係は以下の通りです。
我と同一の五行 | 比肩・劫財 |
我よりもれる五行 | 食神・偏官 |
我から剋する五行 | 偏財・正財 |
我を剋する五行 | 偏官・正官 |
我を生ずる五行 | 印綬・偏印 |
また、陰陽の関係も非常に重要です。陰と陰、陽と陽であれば偏をつけ、陰と陽であれば正をつけるのが基本です。
通変星の種類10個
全部で10種類ある通変星には、様々な特徴があります。それぞれの通変星に当てはまる場合は、どんな特徴があるのか見てみると面白いですよ。それでは、10種類の通変星についてご説明しましょう。
■比肩とは?
比肩とは兄弟や身内、独立、活動といった星で、肩を並べるという意味があります。基本的に一度決めたことは最後までやり抜くという非常に強い自立心を持っています。誰かに指示されることなく目標に向かって突き進むのが特徴です。
努力すれば劣勢の状況下でも現状を打ち破るほどの実力を持っており、主張できるところはとことん主張するなど、自分自身のアピールに余念がありません。ただし、自分の手で目標を達成したいと思うあまり、なかなか人の意見を聞き入れないことも多々あります。
誰かとチームを組んでも一人で先行してしまうため、人間関係でトラブルを起こしてしまうこともあるでしょう。
■劫財とは?
劫財は自分を高めることに余念がなく、血気盛んに行動する上昇志向の塊のような存在です。ただ、周囲の人間とトラブルを起こしたくないなど、紳士的かつ意外にも社交的な一面があります。単なる八方美人というというわけではなく、自分と関係がある人達を大切にする思いやりも持っています。
みんなのリーダー的な存在として自然と人望が集まりやすくなるのも特徴です。どの行動も自分を高める行動に繋がるのであれば積極的に行動を起こしますが、欲求が強くなると自滅する可能性があるでしょう。自分の行動を顧みて、控えめに行動することが大切です。
幸いにも劫財は感情を剝き出して怒る回数が極端に少なく、他の誰かの意見によっては聞くだけの価値がある情報として積極的に吸収します。どんな状況でも前向きに行動することが重要になるでしょう。
■食神とは?
食神は衣食住に恵まれている星であり、純粋で無邪気、天真爛漫という言葉が一番しっくりするでしょう。何をするにも非常にリラックスした応対で、あまりストレスを抱え込むことがありません。おおらかで細かいことを気にせず、常に心のゆとりがあるような状態です。
また、食神特有の価値観として、誰よりも目立ちたいという思いがあります。世の中は目立ったものが勝つと言わんばかりに行動するため、人に自分のことを覚えてもらいたいという気持ちが強く表れるでしょう。
とはいえ、人から見れば非常にのんびりしていて逆にイラつかせてしまったり、自分自身もまったりしすぎて怠け癖が付いてしまったりすることがあるので注意が必要です。メリハリのある生活を意識すれば、しっかりとした計画性を持って動くことができます。
■傷官とは?
傷官は傍から見れば臆病だと思われるくらい、精神的に非常に敏感なのが特徴です。ちょっとしたことでもすぐに傷ついてしまうほど非常に繊細であり、つい相手がこう思ってるんじゃないかと勘ぐってしまうことが多くあります。
そんな傷官は非常に向上心が強く、論理的な思考を持っているので納得いかないことはとことん議論してでも決着をつけなければ気が済みません。
さらに直感力にも冴えているため、相手のちょっとした動作から細かく分析して何を考えているかも直感で理解できるとされています。
何かに縛られることも嫌いなので、何か才能を発揮できる職場が天職だと言えるでしょう。
■偏財とは?
偏財は人付き合いが得意な社交家の一面があり、義理人情に厚いので人との付き合いを大切にします。偏財は人との付き合いを何よりも重要視するため、誰に対しても分け隔てなく接することから自然と人が集まりやすくなるでしょう。
ただし、独特の価値観から来る余裕の持ちようは魅力的ではありますが、、時に余裕を持ちすぎなところが玉にキズです。もちろん余裕を持つことはとてもいいですが、自分自身のお金の無駄遣いが多くなりやすいのでお金の管理は必要不可欠です。
義理も大切ですが、まずは先立つものの管理が重要です。
■正財とは?
正財はまさに財を成すことに特化した星であり、非常に堅実なやり方で財を成すのが非常に得意です。必要以上にお金を使うことがなく、コツコツとお金を貯めることができるでしょう。とことん堅実なやり方を好み、将来起こり得る不測の事態に備えているので自立できた生活が送れるのもポイントです。
日常生活の中でいかにリスクが減らせるか、必要以上にお金を使わないようにするにはどうすればいいのかなどを常に考えています。しかし、地道に計画をコツコツと遂行するやり方を好むため、近道を嫌う傾向にあります。
融通が利かないところがあるため、人の意見に耳を傾けるのも大切です。
■偏官とは?
とにかくせっかちで何をするにも猪突猛進する性質を持っているのが偏官です。偏官は非常に短気なので、何か自分が気に入らないことがあるとすぐに怒るのが最大の欠点だと言えるでしょう。
何より考えるより行動が先に出てしまうため、計画を台無しにすることもしばしばあります。しかし、そのせっかちな行動が逆に功を奏することもあるため、積極的に行動する姿が周りの人を引っ張っていくことになるケースも珍しくありません。
また、計画を遂行させるためならどんなものでも使うのが偏官のやり方です。使えるものは何でも利用するため、上手く行かないことがあっても最終的に計画が成功すれば何も問題ないと考えています。
■正官とは?
正官は正義を体現したような性格の持ち主で、悪事を決して許さない正義感の塊のような星です。その性格も非常に真面目で、計画をしっかり遂行するために丁寧な作業を行うなど責任感が強いことから、安心して仕事を任せることができるでしょう。
非常に几帳面なので一から計画を練って最初から最後まで計画的にこなさないと安心できません。さらに誰かに指示するのも上手で、言葉こそ力だと考えています。そんな正官ですが、少しでも失敗するようなことがあれば見苦しくも言い訳を繰り返すことが多くなります。
世間体を気にしている傾向にもあるため、信用を失うようなプライドは捨てましょう。
■偏印とは?
偏印はとにかく熱しやすく冷めやすく、束縛を嫌い、自由を好む星です。必要以上のことをしゃべらないので誤解されやすいですが、本当はこういうことがしたいなど、それを言葉にして伝える機会を失いやすいです。
さらに、『自分は何をやっても自然や運命を変えることはできないので、常に後悔しないようにしよう』と思っているため、後悔しないように行動することも多くあります。
後悔しない生き方をするのが大きな特徴であり、誰もが考えられなかった斬新なアイデアを思いつくなど発想力がずば抜けています。知的好奇心も強く、一度気になったことは納得するまでとことん調べるなど、思いもよらない行動を突然起こすので周囲の人に驚かれることもあるでしょう。
■印綬とは?
印綬はどの通変星よりも知識欲がすさまじく、自分で限界を決めないので学べることは気が済むまで学びつくします。
印綬は総じて観察眼に優れていますが、観察によって得た分析は相手を批判してぐうの音も出ないほどに言い負かすことを目的としています。
意地が悪いわけでも悪気があるわけでもなく、これが印綬の人の特徴なので仕方がないと言えるでしょう。
ただ、印綬自身はチャンスを逃しやすく、時折人間関係に悩むことももあります。何よりも知識をどん欲に学ぶことこそが生きがいでもあるので、その知識が活かせる場面であれば大活躍できるかもしれません。
通変星の組み合わせ・相性
それぞれの通変星には相性が良い組み合わせがあります。相性が悪い組み合わせもありますが、それぞれの通変星は癖が強い部分もあるので、わざわざ相性が悪い組み合わせを探す必要性はありません。
それでは、相性が良い通変星の組み合わせについてご説明しましょう。
■比肩と相性が良い組み合わせ
比肩と相性が良い組み合わせは、偏印と食神です。
偏印は自分らしさを出せる比肩が羨ましく、比肩は自分にはないアイデアを持っている偏印を羨ましく感じるでしょう。偏印が比肩を支える関係になるでしょう。
比肩と食神はお互いのことを話すのが好きなので話が弾みやすく、一緒にいて楽しいと感じます。比肩が食神をサポートする関係になり、比肩が働いて食神が家庭内で働く関係になるでしょう。
■劫財と相性が良い組み合わせ
劫財と相性が良い組み合わせは、印綬と傷官です。
傷官は技術力やプロ意識が高く、劫財が傷官のプライドの高さをカバーする関係になります。お互いに現実的に物事を進めるタイプなので一見すると相性が悪いように感じられますが、劫財が一歩引く形で接すると相性が良くなります。
印綬は劫財が持つ芸術的センスに惹かれやすくなります。劫財も印綬の高いセンスと独特の感性に惹かれやすく、印綬が心身共にサポートしてくれる形になるでしょう。
■食神と相性が良い組み合わせ
食神と相性が良い組み合わせは、比肩と偏財です。
比肩との組み合わせは良く、比肩が食神をサポートする形になります。
偏財も多くの魅力があり、遊びに対する集中力や趣味を仕事に活かすといったことが得意なので食神と非常に相性が良いです。仲間意識が非常に高く、食神が偏財の遊びに投資するような関係になるでしょう。
■傷官と相性が良い組み合わせ
傷官と相性が良い組み合わせは、劫財と正財です。
何か不都合が起きた時にだんまりを決め込むと劫財が食って掛かってくるので相性が悪いように見えるものの、自分が一歩リードする形になれば良い相性になります。
傷官は正財に尽くす関係となります。正財はお金に関して徹底しているため、傷官が遊びにお金を使うのを防ぐことができます。徹底した管理の元で金銭トラブルが起こらないようにいろいろと取り決めておけば、安心できる関係になるでしょう。
■偏財と相性が良い組み合わせ
偏財と相性が良い組み合わせは、食神と偏官です。
似たもの同士の食神と非常に相性が良く、気が合う限り緩い関係性を築いていけるのがポイントです。あらかじめ妥協できるラインを決めておくことで、さらに安定するでしょう。
偏財が偏官を上手くカバーすることで関係が保たれます。偏財の愛嬌が偏官の攻撃性を薄めるので、正義感や義侠心にあふれる長所が前面に出てくるようになります。ただ、偏財も偏官と似たようなところがあるので、上手くカバーできるかが大切です。
■正財と相性が良い組み合わせ
正財と相性が良い組み合わせは、傷官と正官です。
傷官が正財に尽くすタイプですが、お金の管理は正財が徹底しないとあっという間に使われてしまうでしょう。そうならないように、家計には目を光らせておく必要性があります。
正財と傷官は、まさにお互いの正義感が合致しているベストな相性です。正官が男性で正財が女性ならこれ以上にない理想の夫婦だとされているほどです。
■偏官と相性が良い組み合わせ
偏官と相性が良い組み合わせは、偏財と偏印です。
偏財は愛嬌があるため、無理に攻撃的にならなくてもいいという安心感があります。偏財を守ってあげたいという気持ちから、持ち前の正義感と義侠心が表に出てくるでしょう。
偏官が偏印の世話を焼くような関係になります。ただ、偏印は移り気なところがあるため、多少の異性関係には目をつぶっていないとやっていけないので注意しましょう。
■正官と相性が良い組み合わせ
正官と相性が良い組み合わせは、正財と印綬です。
お互いに正義感が強く、曲がったことが大嫌いな正財と正官はこれ以上にないほど最高の相性です。
正官が印綬を応援する関係になり、お互いに価値観が合うので相性が良くなります。正官が印綬の豊かな感性に惹かれ、開拓精神旺盛な姿に、自分もそれを実現させようと尽くす関係になるでしょう。
■偏印と相性が良い組み合わせ
偏印と相性が良い組み合わせは、比肩と偏官です。
偏印は比肩との相性がかなり良く、比肩の自分らしさに惹かれて偏印が比肩を支える関係になります。
偏印は偏官のセンスの良さや自由奔放さに惹かれ、世話を焼かれるのが気に入っているから相性が良くなります。
■印綬と相性が良い組み合わせ
印綬と相性が良い組み合わせは、劫財と正官です。
印綬と劫財はお互いのセンスや感性に惹かれやすく、お互いにサポートしあうことで上手くいきやすいです。
印綬にとって正官は自分が思いつく限りのアイデアを組み込んだ計画を実現させる貴重な存在として大切にします。何年、何十年と一緒に過ごしていても飽きない関係が続くのが特徴です。
同じ通変星が命式で2つある場合の意味
もしも同じ通変星が命式で2つある場合、比肩の要素が加わって元の星が兄弟星となり、どちらかの通変星が強く出るという意味があります。
本来であれば命式が1つしかない場合、『傷官⇔食神』『偏印⇔印綬』『偏財⇔正財』『偏官⇔正官』の4種類の兄弟星となります。しかし、命式が2つある場合は『劫財⇔比肩』が追加されます。
これが追加されると、それぞれの元の星か兄弟星のどちらかが持つ意味が強く出るのがポイントです。どちらが強く出るかは分からないので、改めて占ってもらった方が良いかもしれません。
同じ通変星が命式で3つある場合の意味
もしも同じ通変星が命式で3つある場合、比肩の要素が加わった上で元の星と兄弟星の意味を両方持っているということになります。
つまり、『傷官⇔食神』『偏印⇔印綬』『偏財⇔正財』『偏官⇔正官』のそれぞれ2つの意味を持っているという意味です。
同じ通変星が命式で4つある場合の意味
もしも同じ通変星が命式で4つある場合、八相局になる可能性が高いです。八相局とは『劫局・食局・財局・官局・印局』からなる相で、極端な偏りがある命式です。なお、八相局それぞれの意味は、以下の通りです。
劫局=5つの命式のうち、4つ以上が劫財か比肩
食局=5つの命式のうち、4つ以上が食神か傷官
財局=5つの命式のうち、4つ以上が偏財か正財
官局=5つの命式のうち、4つ以上が偏官か正官
印局=5つの命式のうち、4つ以上が偏印か印綬
八相局の命式となった場合、たとえば劫局であれば、劫財と比肩の意味が極端に出てくるということになります。バランスを考えたものではなく、一つのステータスを極めた意味を持っていることなので、当然その意味を意識して行動すればできることは満遍なくできるようになるでしょう。
同じ通変星が命式で5つある場合の意味
もしも同じ通変星が命式で5つある場合、4つある場合と同じ意味です。
通変星の出し方・調べ方
通変星の出し方や調べ方は、以下の表を見ることで分かります。
日干→ 月支↓ |
甲 | 乙 | 丙 | 丁 | 戊 | 己 | 庚 | 辛 | 壬 | 癸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
甲 | 比肩 | 印綬 | 偏印 | 正官 | 偏官 | 正財 | 偏財 | 傷官 | 食神 | 劫財 |
乙 | 劫財 | 比肩 | 印綬 | 偏印 | 正官 | 偏官 | 正財 | 偏財 | 傷官 | 食神 |
丙 | 食神 | 劫財 | 比肩 | 印綬 | 偏印 | 正官 | 偏官 | 正財 | 偏財 | 傷官 |
丁 | 傷官 | 食神 | 劫財 | 比肩 | 印綬 | 偏印 | 正官 | 偏官 | 正財 | 偏財 |
戊 | 偏財 | 傷官 | 食神 | 劫財 | 比肩 | 印綬 | 偏印 | 正官 | 偏官 | 正財 |
己 | 正財 | 偏財 | 傷官 | 食神 | 劫財 | 比肩 | 印綬 | 偏印 | 正官 | 偏官 |
庚 | 偏官 | 正財 | 偏財 | 傷官 | 食神 | 劫財 | 比肩 | 印綬 | 偏印 | 正官 |
辛 | 正官 | 偏官 | 正財 | 偏財 | 傷官 | 食神 | 劫財 | 比肩 | 印綬 | 偏印 |
壬 | 偏印 | 正官 | 偏官 | 正財 | 偏財 | 傷官 | 食神 | 劫財 | 比肩 | 印綬 |
癸 | 印綬 | 偏印 | 正官 | 偏官 | 正財 | 偏財 | 傷官 | 食神 | 劫財 | 比肩 |
たとえば、自分の本質を表している日干に丙があり、月支に乙がある場合は印綬となります。
このように、自分の本質を表す日干と月支に何があるかによって、通変星が変わります。
まとめ
通変星は一見すると複雑そうに感じられますが、読み方が分かれば簡単に分かるものです。それぞれの通変星は癖が強いものから独特の意味を持つものなど様々なので、それぞれの意味を知るだけでもかなり楽しめると言えます。
興味がある人は、是非とも四柱推命で占ってみてはいかがでしょうか。